みんなのケータイ
ドバイで爆速な1.5Gbpsの5G通信を体験
2022年10月21日 00:00
2022年10月10日から14日までアラブ首長国連邦(UAE)、ドバイで開催された中東最大のIT関連展示会「GITEX2022」の取材を行いました。最近の海外渡航時には日本のahamoのSIMを入れたスマートフォンを持っていけばほぼどの国でもローミングで通信できます。ところがドバイの空港に到着してもアンテナは立つもののデータ通信が流れません。実はahamoはドバイではデータ通信非対応なのでした。
別途ドコモの回線もありそちらはドバイでローミング中にデータ通信可能。とはいえ世界でも5Gの開始が早かったドバイですし、ここは現地回線を入手して5Gを使ってみたいところです。今回はキャセイパシフィック航空でドバイ空港のターミナル1に到着。早朝4時台についたのですが、なんと入国審査でプリペイドSIMカードがもらえました。24時間1GBで料金を追加して延長利用も可能。太っ腹です。
無料で配布されたのは通信キャリアduのSIMでした。でもせっかくならUAE最大キャリア、Etisalatの回線を使ってみたいところ。ターミナル1には同社の大きいカウンターがあるのでそちらでプリペイドSIMを購入することにしました。
円安ということもあり料金はやや割高ですが、319アラブディルハム(約1万3000円)でデータ定額プランを購入。有効期限は10日間です。この下は200アラブディルハム(約8000円)で22.5GBなのですが、5Gでスピードテストを行うと1回1GBくらい消費します。10日間の毎日の使用分とスピードテストを考えると20GB程度では足りないでしょうから、思い切って定額プランを買うことにしたのです。しかしプリペイドSIMに1万円以上払うことって、今の時代、なかなかないかもしれませんね。
ドバイでプリペイドSIM購入にはパスポートが必要です。購入後「開通まで5分から2時間くらい待ってください」と言われましたが、すぐにアンテナが立ち回線は開通。しかしデータ通信はすぐにできず、オンラインとオフラインを適度に切り替えていたら、10分くらいで通信が可能になりました。ただし空港内の到着ロビーの待合室は4Gの電波しか入らずで、5Gの体験はすぐにできませんでした。その後もショッピングモールやホテルの部屋など、屋内は4Gの電波しか入らないケースが大半でした。なおスマートフォンはグローバル版のGalaxy Z Fold4を使っています。
さて空港からはメトロで移動しますが、高架にあるドバイ空港ターミナル1駅で画面を見ると「5G」のマークが。早速速度を計ると690Mbpsとなかなかの成績。その後もドバイ市内あちこちを歩いてみましたが、コンスタントに700Mbpsは出るようでした。
ドバイは世界一高いビル「ブルジュ・ハリファ」などがありますが、土地があり道路も広く、オフィス街に高層ビルは集まっているものの電波の障害になるものはあまりないように思います。5Gのアンテナもよく見かけました。ちなみにEtisalatの5G NR周波数はn78(3.5GHz)です。
せっかくなのでブルジュ・ハリファに上って5Gが入るかどうかも試してみたかったのですが、148階、世界一高い555メートルのデッキを体験する「At the top sky」の料金は19時からの夜間料金でも399アラブディルハム(約1万6000円)ということで断念。自分は10年以上前に一度上ったこともあるので、また次回にしたいと思います。
さてせっかくの定額5G回線を手にしたのでスマートフォンからライブ配信を行ってみたのですが、5Gのメリットをあまり感じられずスムーズに映像が流れないこともありました。上り速度は100Mbps出るのですが、ネットワーク側でストリーミング配信に最適化していないのかなと感じます。4Gに切り替えたほうが品質が安定するなど、5Gでのスマートフォンからのライブ配信は期待するほどの状況にはまだなっていないようです。このあたりはSAが始まり「真の5G回線」が使えるようにならないと改善されないのかもしれません。ちなみにGITEX2022ではEtisalatとエリクソンが共同でミリ波とSub6のデュアルコネクティビティーによる5G SA 上り1Gbpsのデモを行っていました。
さて今回のドバイ滞在中で出た最速のダウンロード速度は観光地でもあるゴールド・スーク付近で記録した1.461Gbpsでした。この付近は何度かテストして1.3Gbps以上を出しており、観光地ということもあり電波環境がいいのかもしれません。プリペイドSIMの価格は高かったものの、ドバイでは快適なモバイル通信環境を体験できたのでした。