みんなのケータイ

2年ぶりの「MWC」渡航で気づいたAirTagの良いところ

 先日、毎年2月にスペイン・バルセロナで開催される世界最大級のモバイル関連展示会「MWC」へ、2年ぶりに取材に行ってきた。

 コロナ禍ということで、渡航前は「スペイン入国に必要な書類はなにか」ということを調べ、日本に帰国する前は、バルセロナ市内にあるクリニックでPCR検査を受け、厚生労働省がつくった日本書式に結果を記入してもらうなど、取材以外の準備や対応に振り回された感じであった。

 そらに追い打ちをかけたのがロシア・ウクライナ情勢だ。欧州の航空会社に続き、ANAやJALもロシア上空を飛行する便を欠航させてしまった。

 自分が帰国するために予約した便も欠航となってしまい、一時は自分でバルセロナからミラノ、シンガポールに飛んで日本に帰ってくるルートを予約した。しかし、ANAがターキッシュエアラインズを使ったイスタンブール経由のチケットに振り分けてくれたことで、なんとか予定通りに帰国することができた。

 3月1日以降はワクチンを3回打っていれば、スペインは自宅・宿泊隔離の対象国から外れたということで、羽田空港でのPCR検査が陰性だったこともあり、帰国翌日からは隔離もなく、いつも通りの生活に戻っている。

 例年、スペイン出張の時に心配することと言えば「スリ対策」だ。

 MWCに出張しに行くほとんどの人が「MWC開催中はヨーロッパ中からバルセロナにスリがやってくるんだよ」と脅されるものだ。実際、過去には何人もメディア関係者がレストランなどでカバンやスマホを盗まれている。
 普段、スマートフォンにはカバーぐらいしかつけていないが、毎年、MWC開催中はスリ対策としてネックストラップをつけて、首からぶら下げている。
 MWCの前身である3GSM World Congress時代からバルセロナに通っているが、毎年、スリ対策は怠らないように気をつけている。

 そんななか、今年のスリ対策の新兵器として投入したのがアップル・AirTagだ。

 500円硬貨程度の大きさにバッテリーとBluetoothなどの通信機器が備わっており、どこにあるかがiPhoneから確認できるというものだ。

 カバン、財布、鍵など盗まれては困るモノ、すべてにAirTagを装着した。

 バルセロナ滞在中、結局、盗まれることはなかったが、意外と便利だと感じたのがスーツケースにつけたAirTagだ。

 バルセロナに向かうには直行便はなく、どこかの空港で乗り換えなくてはならない。自分が往路に使ったANAでフランクフルト乗り換えであればロストバッケージする心配はほとんどないが、社会人になって5年目ぐらいにパリ・シャルルドゴール空港で乗り換え、ベルギー・ブリュッセルに向かう際にロストバッケージになり、数日間、スーツケースがなくて困った経験があった。

 そこで今回、スーツケースにもAirTagを装着。フランクフルト空港、さらにはバルセロナのエル・プラット空港に到着した際、iPhoneの「探す」アプリでスーツケースがきちんと届いていることを確認できたのだった。「ロストバッケージしていたら、どうしよう」という不安から解消されるのは精神的に優しい。

 コロナが落ち着いても、ロシア情勢により、またも海外には行きにくくなってしまったが、これから海外出張時には荷物にAirTagをつけまくって、スリに遭わないようにしていきたい。