みんなのケータイ
MWC取材のお供として大活躍したGoogle PayとApple Pay
2022年3月10日 00:00
MWCを取材するため、スペイン・バルセロナに渡ったが、現地で活躍したのがGoogle PayとApple Payだ。どちらも、一部VISAやマスターカードを設定しておくと、NFCでのタッチ決済が利用可能になる。
日本ではiDやQUICPayが使えるため、正直なところ出番は少ないが、海外となると話は別。しかもスペインをはじめとした欧州は、タッチ決済の対応率が非常に高く、売店に近いスーパーや個人営業のカフェのような場所まで、幅広くタッチ決済が利用できる。
メインで使ったのは、Google Payに設定したSony Bank WALLETのデビットカード。
こちらは、残念ながらApple Payには非対応だが、開設した外貨預金口座から直接支払い分を引き落とせる機能があり、不足分は自動で日本円からチャージされる。外貨預金口座がベースになっているため、為替レートがよく、支払いが最小限で済むのがメリットだ。
たとえば、58ユーロだったレストランでの支払いに対し、口座から引き落とされたのは7288円。レートは1ユーロあたり125.64円で、一般的なクレジットカードを使うよりも割安になる。
同時期に使った三井住友カード発行のVISAの場合、1ユーロが131.265円で換算されていたため、1ユーロあたりの差は5円以上ある。ユーロに両替するより安く、どこでも使えるとくれば、Sony Bank WALLETを使わない手はない。
一方で、Sony Bank WALLETはあくまでデビットカード。口座の残高以上のお金は、当然ながら使えない。そのため、高額な支払いの際には、三井住友カードが発行するANAカードのVISAを使うことにした。
こちらは、渡航時点ではGoogle Payに非対応だったため、Apple Payを使うことにした。ANAカードはApple Watchに登録しており、これを使えばiPhoneを取り出すことなく決済できて便利だ。
ちなみに、渡航中に三井住友カードのVISAがGoogle Payに対応した。タイミングがよかったこともあり、すぐに「Galaxy Z Fold3 5G」にもこれを設定。Android側でも、VISAのタッチ決済が利用できるようになった。
同カードはiDが利用でき、日本で使うかは未定だが、海外渡航用に入れておくのはありだろう。スペインのような国では、その実力いかんなく発揮できる。
と思い設定したのだが、なぜか三井住友カードのVISAは決済が拒否されてしまうケースが多かった。90ユーロのPCR検査(帰国用)や、66.48ユーロのスニーカーなどは軒並みNG。塩などを購入した際の38.35ユーロは無事に決済されたため、40ユーロから60ユーロあたりに、OKとNGの閾値がありそうな気がする。
現地で数々のご飯をご一緒させていただいた中山智氏も、似たような傾向で決済が弾かれてしまったようだ。
ある店舗の店員によると、タッチ決済で比較的高額になると、支払いが拒否されてしまうケースはままあるらしい。66ユーロや90ユーロが高額かどうかはさておき、PINの入力も求められないタッチ決済のためのセキュリティ対策だと考えられる。
実際、決済拒否になってしまった店舗でも、同じ金額でクレジットカードのICを通すと、支払うことができた(タッチはカードでもNG)。
ただ、やはりこの程度の金額で決済できないのは少々不便。結果として、数10ユーロでは弾かれなかったSony Bank WALLETを多く使用することになった。
日本にいると実感しづらいかもしれないが、海外だと便利なうえに、カバンから財布を取りださなくていい安心感が大きい。
バルセロナの場合、例年、MWCに合わせてスリが急増するため(今年は周りで被害を受けた報告は聞かなかったが)、スマホやスマートウォッチだけで決済が済むのは大きなメリットだと感じた。
スペインでのタッチ決済普及率が高いこともあり、今回は1ユーロ、1セントも現金を使わずに済んだ。どうしても現金が必要になったらATMで引き出そうと思っていたが、その機会もなく、すべての支払いがGoogle PayとApple Pay、クレジットカードだけで完結してしまった。
日本でもキャッシュレス生活を送っており、現金はほぼ持ち歩かない筆者ではあるが、現金の両替が面倒でコストもかかる海外では、そのありがたみが増したような気がした。