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無一文で空港に降りてみた

 先日、和歌山県へ取材に訪れたときのこと。羽田空港から南紀白浜空港へと移動し、そこからリムジンバスで取材地へ向かおうとチケットカウンターに行ってみると、「料金は1800円で支払いは現金のみ」とのアナウンス。そして財布には100円玉も入っていない状態でした。

南紀白浜空港に到着したものの、現金がなくATMもなかった

 ここ最近はiDやSuicaやPayPayなどで支払いをしているため、現金はあまり持ち歩いていないんですよね。さすがに取材先で無一文というのは問題があるので、羽田空港のATMで現金を引き出そうと思っていたんですが、うっかり忘れて飛行機に乗り込んでしまいました。

 機内では南紀白浜空港のATMを使えばと考えていたのですが、南紀白浜空港にはATMがありませんでした。取材先は歩いて行ける距離にはなく、地図で見ても空港から直近のコンビニエンスストアは直線距離で2km以上ありそう。

 クレジットカードの使えるタクシーを探すしかないかと思っていたとき、チケットカウンターから「実証実験で顔認証での支払いを行っているので、それに登録して貰えれば」との案内。

 それが「南紀白浜IoTおもてなしサービス実証」です。まずはカウンターで案内されたQRコードをLINEで読み込み、サービスを登録。LINEはXperia 1 IIに登録しているので、そこからアクセスしました。名前や住所など必要な項目を入力し、自分の顔も撮影して登録。さらに支払用のクレジットカードを登録すれば準備オーケー。10分もかからず登録できました。

LINEアプリからサービスにアクセスして、顔認証の登録を行う

 登録が完了したら、カウンターでバスチケットを購入。カウンターにはiPadが用意されていて、インカメラで顔認証を行うと、そのまま支払いまで完了しました。顔認証に数秒時間はかかるものの、顔を見せるだけでそのまま購入できるのはかなり便利です。

支払用のクレジットカードを登録していれば、顔認証で決済ができる

 南紀白浜地区で行われている実験ということで、南紀白浜空港内の売店でも利用可能。やはり支払時にiPadへ顔を見せるだけで決済完了となります。

空港内の売店でも顔認証決済が利用可能に

 また「南紀白浜IoTおもてなしサービス実証」に登録していると、空港の到着ロビーで顔認証を行い、ディスプレイに名前付きのウェルカムメッセージも表示されます。

名前付きのウェルカムメッセージを表示

 今回は別件取材ということで、南紀白浜空港でのサービスのみの使用でしたが、「南紀白浜IoTおもてなしサービス実証」はそのほか、テーマパークの「アドベンチャーワールド」や宿泊施設の「ホテルシーモア」とも提携。現地でも同じように顔認証での決済ができるほか、混雑状況を確認したり、ホテルの部屋の鍵を顔認証で開けられるといったことができるとのこと。

 ここ最近、各種サービスは「脱スマホ」を目指したほうがスマートだと考えているので、この実証実験はなかなか効果的なのではと感じられました。こういったサービスがどんどん広がって、コンビニやスーパーでもスマホを取り出さずに決済できればいいのにと思います。

 ただし、いざリムジンバスに乗り込もうすると、運賃箱の脇にPayPayのQRコードが。リムジンバスの料金は、「南紀白浜IoTおもてなしサービス実証」に登録しなくても、PayPayで払えたわけです。その案内も欲しかったですが、現金がなくても、リムジンバスに乗れたのでよしとしましょう。

いざ乗車してみると、PayPayも使えた