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ドコモオンラインショップで、dカードが使えない?

【AQUOS sense5G SH-53A】

 昨年来、各携帯電話会社は人との接触を抑えるため、契約変更や端末の機種変更などをオンラインに切り替えるように促してきた。

 しかし、各社とも必ずしも準備が十分ではないこともあり、オンラインで端末修理の依頼ができなかったり、オンラインショップでの一括払いで代引が必須だったりと、いろいろとアラが多く、本コーナーでも何度か取り上げてきた。筆者は契約している回線数が多いこともあり、オンラインでの手続きも各社のオンラインショップも頻繁に利用するため、こうした気になる点を取り上げてきたが、つい最近もちょっと「?」と感じさせることがあった。

ドコモオンラインショップでdカードを使おうとするが……

 今年2月、シャープ製5G対応端末「AQUOS sense5G」が発売された。NTTドコモ、au、ソフトバンクの主要3社から揃って発売されるため、どこで機種変更をするのかを悩んだが、限定カラーという取り組みが気に入ったので、「AQUOS sense4」に続き、ドコモの「ドコモオンラインショップ」で機種変更をすることにした。

 今回、機種変更をする回線は、シェアパックの対象回線に含まれていたため、5G契約をするには、シェアパックグループから離脱する手続きが必要だが、このあたりは過去にも経験済みで、ドコモオンラインショップの機種変更画面から「My docomo」に遷移し、手続き変更後、ドコモオンラインショップの画面に戻る流れができている。ただ、これはパソコンの画面で操作したときの話で、スマートフォンの画面については何とも言えない。

 ドコモオンラインショップでの端末購入代金の支払いは、「クレジットカードでお支払い」「代金引換払い」「ドコモ払い」から選べる。「代金引換払い」は新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、利用を制限されていたが、本誌でも既報の通り、2月17日から再開された。「ドコモ払い」はd払いと同じく、携帯電話料金との合算になる。

 もちろん、分割払いなども選べるが、「AQUOS sense5G SH-53A」は3万9600円なので、筆者は素直にクレジットカードで一括払いを選ぶことにした。

 クレジットカードはVISA、MasterCard、JCB、AMERICAN EXPRESSなど、主要なカードが利用できるが、ドコモオンラインショップはdカード特約店なので、dカードで決済すれば、2%のdポイントが還元される。数千円のアクセサリー類ならともかく、端末のように数万円以上を支払うのであれば、これを使わない手はない。

 筆者はマイルを貯めているので、普段はほとんどの支払いを航空会社提携のクレジットカードに集中させてきたが、コロナ禍の影響で飛行機の利用が激減したため、最近は付与されるポイント次第で、ほかのカードを選ぶことが増えている。

 ところが、決済の手順を進めていくと、クレジットカードの認証などはクリアできるものの、最後のところで、dカードでの支払いは拒否と表示されてしまった。手続きをしたのが夜間だったため、問い合わせもできず、しかたなく、その場はいつもの航空会社提携カードで決済したが、ドコモオンラインショップでdカードが利用できないのは、ちょっと違和感が残った。

ドコモオンラインショップは支払いにdカードを使うと、dポイントが2%たまるはずだったが……

 万が一、不正利用などでdカードが止められてしまうと、ドコモの料金支払いにも影響が出かねないので、後日、dカードの問い合わせ窓口に電話をかけ、確認してみた。すると利用限度額など、クレジットカードの内容はまったく問題ないが、「高額の商品のため、支払いが一時的に停止された」とのことだった。

 一般的にクレジットカードでは不正利用を防ぐため、通常と違うパターンでの利用と認識されたとき、一時的に利用を制限することがある。筆者も海外渡航中に利用した際、いきなり一時的に利用できなくなり、困った経験がある。特に、海外利用時の制限は多いようで、周囲でも何度となく、話題になったため、このしくみ自体は理解しているつもりだ。ただ、この判断はソフトウェアなどで自動的に処理されているため、実際には判断が誤っていたケースが少なくないと言われる。

 今回の場合、約4万円が「高額」かどうかは、人によって、判断が分かれるが、筆者はこれまでもドコモオンラインショップで、何度もdカードで決済し、直近でも昨年11月に同じdカードで10万円超の機種変更をしているため、機種変更の代金として「約4万円が高額」というイメージは持っていない。通常のパターンと違うかと言えば、過去数回と同じように、ドコモオンラインショップで買い物をしたわけが、dカードのシステムにはそのように認識されず、「特異な買い方」と認識されたようだ。

 また、今回、利用した場所は、はじめて利用する店舗でもなければ、海外での利用でもなく、dカードを提供するドコモ自身のショップであるドコモオンラインショップだ。言わば、お膝元で通常通りの買い方をしながら、利用が制限されたのだから、何とも「お粗末な判断」としか言いようがない。

 もちろん、クレジットカードを安全に利用するため、こうした制限を設けることは十分に理解できるが、せっかくドコモが自ら運営するドコモオンラインショップなのだから、もっと有用な対応策を採ることはできないのだろうか。たとえば、ドコモオンラインショップで利用するときは、通常と違うパターンの買い物と認識されないように、事前にdカード利用の申し込み(予告)ができたり、決済時にdアカウントと同様の二段階認証をするなど、より安全に使うために、ドコモならではの工夫ができるはずだ。

 ドコモオンラインショップについては、以前、領収書発行の煩雑さを指摘したら、その後、クレジットカード利用時の領収書発行そのものをやめてしまうという、非常に後ろ向きの対応をされたが、もう少し利用者のためになる対策を検討する姿勢を見せて欲しいところだ。

 ドコモをはじめ、各社は昨年来、手続きのオンライン化を促し、機種変更なども自社のオンラインショップの利用を推進してきた。今年3月からはオンライン化の流れを加速する「ahamo」や「povo」、「LINEMO」などのオンライン専用プランがいよいよスタートする。昨今の各社の対応ぶりを見る限り、当初は多少の混乱が予想されるが、ユーザーがスムーズかつ快適に利用できるように、オンライン手続きもオンラインショップも積極的に改善を図っていただきたい。

結局、他のクレジットカードで決済し、無事に購入。このオンラインショップ限定カラーという取り組みは、結構、お気に入り

「AQUOS sense5G SH-53A」のデータ移行

 ところで、ショップの話ばかりではつまらないので、最後に「AQUOS sense5G SH-53A」の機種変更時のデータ移行について、ちょっと補足しておきたい。

 ドコモでは「ドコモデータコピー」というアプリを提供しており、旧機種からのデータ移行がしやすい環境を提供しているが、「AQUOS sense5G SH-53A」には「クイックスイッチアダプター」という変換コネクタが同梱されており、これを使って、AndroidスマートフォンやiPhoneから簡単にデータを移行することもできる。

 しくみとしては、端末をはじめて起動したときに表示される初期設定で、「アプリとデータのコピー」の画面のとき、前の機種と「AQUOS sense5G SH-53A」をUSBケーブルとクイックスイッチアダプターで接続し、前の機種からデータを移行するというもの。

 今回はAndroidスマートフォンからの移行だったが、iPhoneからの移行にも対応し、かなり多くの種類のデータが移行できるので、シャープの「よくあるご質問」のクイックスイッチアダプターのページをチェックしてみるといいだろう。

AQUOS sense5G SH-53Aの外部接続端子に「クイックスイッチアダプター」を装着し、USBケーブルで前の機種と接続する
Androidの初期設定の画面で、画面に表示される指示に従いながら操作すれば、ひと通りのデータがコピーされる