みんなのケータイ

ミドルレンジモデルが充実した2019年、今年も期待したい

【AQUOS sense3 SH-M12】

 年が明け、2020年を迎えました。今年も引き続き、ご愛読のほどよろしくお願いいたします。

 さて、少し遅い気もしますが、2019年を振り返ってみると、筆者が言うまでもありませんがモバイル業界は激動の1年でした。新料金プランの発表、楽天の参入、折りたたみスマホの登場……など、さまざまなことがありました。そうした中で、筆者が注目したいところはミドルレンジモデルのスマートフォンが充実した点です。

2019年発売されたミドルレンジモデル。Google Pixel 3a、OPPO Reno A、AQUOS sense3。筆者は、SIMフリー版のAQUOS sense3を購入

 ハイエンドモデルと同等のカメラ性能を実現した「Google Pixel 3a」、日本仕様を備えた「OPPO Reno A」、スペックが向上した定番シリーズの「AQUOS sense 3」など、法改正の影響もあってか、ミドルレンジモデルでも魅力的な端末が登場しました。これらの端末は「読者が選ぶケータイ of the Year 2019」の読者投票でも票を集め、トップ10にランクインしていることから、読者のみなさんの評価も高かったことが伺えます。

 これらの端末では、チップセットやメモリなどの基本性能がこれまでのミドルレンジモデルより向上したため、ある程度の妥協が必要だったミドルレンジのイメージが大きく変わったように思えます。

 筆者はそうした端末の中から、サイズ感がちょうどいい「AQUOS sense3 SH-M12」を2019年末に購入し、実際に使用してみました。

AQUOS sense3 SH-M12

 まず、使用してみて実感できたのは、スクロールしたときのなめらかさ。これまでのミドルレンジモデルにあったような、動作の引っかかりや、“ワンテンポの遅れ”を感じるシーンがかなり少なくなりました。チップセットの向上やメモリが4GBになったこともありますが、タッチスキャンの速度が120Hzになったことも大きな要因だと思います。

 これまでも筆者は、ミドルレンジモデルを使用したことはありますが、ハイエンドモデルと併用する形で使用していたため、どうしても比較してしまい、動作の遅れが気になってしまいました。そうしたことから、Androidの開発者向けオプションを利用し、動作のアニメーションを削除して利用していましたが、sense3ではハイエンドモデルと併用していても、アニメーションを削除せず、違和感なく使えます。

筆者は、これまでのミドルレンジモデルでは開発者向けオプションでアニメーションを削除して利用していた(Android 9以降はユーザー補助からもアニメーションの削除が可能)。アプリの動作が変わる場合もありますので、試される場合は自己責任でお願いいたします

 ほかにミドルレンジモデルで気になるところは、カメラ性能。sense3のカメラレビューは、すでにお届けしているので、そちらの記事に譲りますが、思っていたよりもよく撮れる印象です。数年前のミドルレンジモデルでは、日中はそこそこ撮れても、夜間撮影になると、ノイズが目立つ……といったことも。ハイエンドモデルに搭載されている夜景撮影のモードには叶いませんが、sense3の夜間撮影では、ノイズがきちんと抑えられていました。

 唯一気になったのは、広角カメラ撮影時の画像の歪み。広角カメラの宿命ですが、他モデルよりも歪んでいる印象でした。ソフトウェアアップデートで修正できる部分もあるかと思いますので、今後のアップデートに期待したいです。

 2020年は、いよいよ5Gがスタートする年。5Gをサポートするであろうハイエンドモデルはもちろんですが、コストパフォーマンスが高い新たなミドルレンジモデルにも期待したいところです。