みんなのケータイ

大画面でも使いやすいスマホとは? 各メーカーの片手操作モードを調べる

 親しい友人が骨折して、しばらくの間、松葉杖生活を余儀なくされました。筆者も経験がありますが、松葉杖だと足が不自由な上に手も使えなくて、ものを持ち運ぶのが本当に大変なんですよね。立ち止まっていても杖から手が離せないので、スマートフォンも常に片手操作。友人のスマホは6.1インチと大画面なので、片手だけで操作するのはちょっと大変そうです。「そろそろ機種変するつもりだったけど、次はコンパクトモデルにしようかな。でも大画面のほうが見やすいし。どう思う?」と、機種選びの相談を受けました。

 筆者は大は小を兼ねる、大きいことはいいことだと、昨今のスマホの大画面化もどちらかというと歓迎している立場ですが、それでもときどき、満員電車でiPhone SE(と思われる端末)を使っている人が、片手でサクサクっと操作しているのを見ると、ちょっとうらやましく思ってしまいます。つい数カ月前にもそうした反動からか、超小型の「Palm Phone」を衝動買いしてしまった顛末を、こちらに書いたばかり。大きい方が見やすい、けど、小さい方が片手で操作しやすいというこのジレンマは、スマホがディスプレイデバイスである限り、そして日本に満員電車がある限り、私たちを悩ませ続けるのかもしれません。

「iPhone」の「簡易アクセス」は「設定」→「一般」→「アクセシビリティ」でオン、オフを切り替えられる
「Xperia」の「サイドセンス」は画面の縁をダブルタップすると表示される。ここから「片手モード」へも移行できる

 そんなわけでここ数日、片手操作に苦労している友人のために、コンパクトモデルを薦めるべきかどうか、ぼんやり考えていたのですが、そこで思い至ったのが、「最近の大画面スマホの多くの機種には、片手操作しやすい機能が何かしら搭載されている」ということでした。

 たとえば「iPhone」には画面の下部を下にスワイプすると、画面が下に下がって上の方のアイコンなどにも手が届きやすくなる「簡易アクセス」という機能が備わっています。また最近の「Xperia」には、画面の左右からよく使う機能を引き出せる「サイドセンス」や、ホームボタンのダブルタップで画面そのものを縮小する「片手モード」が備わっています。「Galaxy」にも、画面横からよく使う機能を呼び出せる「エッジスクリーン」機能や、右下、左下から斜め上にスワイプまたは、ホームボタンの3回押しで画面を縮小表示できる「片手モード」がありますし、HUAWEIのスマートフォンにも同様に、斜め上へスワイプやナビゲーションバーの左右スワイプで画面を縮小できる「ワンハンドモード」があります。さらに文字入力時にキーボードを左右に寄せる機能は、だいたいどのキーボードにも備わっています。

ファーウェイ製スマートフォンの「ワンハンドモード」は、ナビゲーションバーの表示の仕方で操作方法が変わる
「Galaxy」の「エッジスクリーン」は画面の端に見えている「エッジパネルハンドル」をスワイプすると現れる

 いずれも筆者自身はこれまであまり活用してこなかった機能ですが、こうやって調べてみると、各メーカーとも大画面でも片手操作しやすい工夫をちゃんと考えているなぁと、改めて感心させられた次第。ハイエンドモデルだけでなく、手頃なミドルレンジのモデル、たとえば「LG Style2」にも、ホームボタンを左右にスワイプで画面を縮小できる「ミニビュー」という機能が搭載されています。さらにこのミニビューでは、縮小した画面のサイズや位置が微調整できて、一旦画面を戻しても、次に縮小するとちゃんとそのサイズ、位置がキープされています。右下、左下のどちらかに縮小表示というパターンが多い中、自分のスマホの持ち方や指が届く範囲にあわせて、位置調整ができるのはなかなか便利なのではないでしょうか。

「LG Style2」の「ミニビュー」では、縮小画面のサイズ変更や位置の調整ができ、そのまま位置をキープできる

 さて、こうやって私なりに調べた、大画面でも片手操作しやすい機能を搭載しているスマホについて友人に進言したところ、友人の今使っているスマホにも同様の機能があることが発覚。結局、機種変更は怪我が治るまで見送ることになりました。

 それにしてもこの、見やすい大画面と片手操作しやすいサイズ感のジレンマや、両者のバランスをどう考えるかという問題は本当に悩ましく、実は筆者自身も今、新しいiPhoneを5.8インチの「iPhone 11 Pro」にするか、6.1インチの「iPhone 11」にするか、いっそ6.5インチの「iPhone 11 Pro Max」にするか、絶賛悩み中。この原稿を書いている今は9月13日の19時で、まもなく予約開始のタイムリミットが近づいているのですが……うむむむむ。