みんなのケータイ

ドコモの新料金プラン、シンプルになったけどプラン選びが悩ましい

 ドコモの新料金プラン、「ギガホ」と「ギガライト」が6月1日にスタートした。早速筆者もプラン変更……とはいかなかった。ドコモ側が案内しているとおり、月々サポートが残っているためだ。現在使用中の「P20 Pro」は、発売日に購入したため、月々サポートがあと13回残っており、これが終わらないとどうやっても料金が下がることはない。

6月1日から始まったドコモの新料金プラン

 少々厄介なのが、メインの回線に紐づけている2台目プラスの月々サポートが、11月に切れること。2回線合計で6102円ぶんの料金が引かれているが、MNPで契約した2回線目の比重が高く、これが終わると半分以上月々サポートが減ってしまう計算になる。今は月々サポートで料金が完全に相殺されているため、2回線目の基本使用料とspモード接続料、シェアオプションの料金が丸々かかり、さらに1回線目の割引も減ってしまう。

2回線目は、月々サポートで料金が相殺され、余ったぶんで1回線目まで割り引かれている状況だ

 これに対し、新料金プランは2台目とデータをシェアできる「データプラス」が月1000円で、基本使用料や2台目プラスのシェアオプションがかかっていた旧料金プランより、1500円ほど料金が安くなる。この時点で新料金プランにするのはありかもしれない。いずれにせよ、今予約している「P30 Pro」を端末単体で買えなければ、その時点でプラン変更はせざるをえないのだが……。

 タイミングの問題に加え、新料金プランには、自分にピッタリ合う容量がないため、選択がかなり悩ましい。筆者が現在契約しているのが、月20GBのデータ通信が使える「ウルトラデータLパック」。そのうち、ザックリ言うと、半分ぐらいが余って、翌月に繰り越されている。このデータパックを選んでからは、容量が超えたことは1回もないため、1つ上の「ウルトラデータLLパック」にする必要はまったくない。逆に1つ下の「ベーシックパック」だと、5GBを超えた時点で料金が今より高くなってしまうため、こちらもメリットがない。

新料金プランは段階制と30GBの大容量プランしか選択肢がなく、以前のようにピッタリはまるプランがなくなってしまった。なお、月々サポートは税抜きに直して記載している

 仮にベーシックパックとウルトラデータLパックの間に、10GBの「ウルトラデータMパック」的なものがあっても、10GBだと容量が足りなくなる月があるため、選んでいなかっただろう。その意味では、現時点で、最適な容量のプランを選べているといえる。ところが、新料金プランは、シンプルになったがゆえに、ユーザーの選択肢は2つしかなくなってしまった。下のギガライトを選ぶと容量が足りないため、こちらは選択できないが、一方のギガホは30GBで、毎月20GB弱のデータが余ることになり、何とも損をした気分になってくる。

 そこで、ためしに、新旧両方で料金を計算してみた。以下の表にあるとおり、2回線目の月々サポートが切れていればほぼ金額は変わらない。月々サポートが時限的なものであることを考えると、そのまま続ける場合は長期的に見れば新料金プランの方にした方がいいというわけだ。一方で、視点を変えると、月々サポートが切れないタイミングで端末を頻繁に定期的に買い替えていた人にはあまり変わらないか、値上げになっているケースすらある。やはり、新料金プランは、構造的に、1つの端末を長く使う人に向いているようだ。

新旧料金で変更のない各種サービスやオプション、ユニバーサルサービス利用料などは割愛した。なお月々サポートは税抜きに換算。「ずっとドコモ割」はdポイントで受けているため、本表には含まれていない

 家族にドコモユーザーがいるため、グループを組んで新料金プランに「みんなドコモ割」が適用されれば、料金は8680円まで下がるため、12月以降なら安くなったうえに使える容量も増えると考えることはできる。ただ、それでも、現状よりと比べると、料金は高くなる。MNPでモリモリになった2回線目の月々サポートが大きいことは差し引いて考えるべきかもしれないが、ギガホより一段安い20GBのプランがないことも原因の1つだ。仮に、あと1000円ほど安い、20GBの「ギガホライト(≠ギガライト)」があれば、もう少し差は縮まっていた。

 上に掲載した料金表の新料金プランぶんが、面倒な計算をせず、すぐに作れたことを考えると、ドコモの新料金プランは確かにシンプルになっていると評価できる一方、多少複雑になっても、3つぐらいから料金を選べると、もっと納得感があったような気もしている。