みんなのケータイ

固定回線消失! そのとき我が家は文鎮化した

【LG V30+ L-01K】

とりあえずテザリングでしのぐも、データ通信量はハイペースで増大中

 いろいろな手違いが重なり、ある休日の朝、目が覚めると自宅の固定回線がなくなっていた。いや、正確に言えば普通につながらなくなった。契約が切れ、回線がストップしたのだ。ONU兼ルーターとして使っていた機器も返却しなければならなかったので、LANすらまともに稼働しない状況に。次の固定回線が利用できるのはおそらく2週間~1カ月後。それまでは固定回線によるネット環境なしの生活を送らなければならなくなった。

 「単に自宅でインターネットできなくなるだけだろう? モバイルネットワークが使えるスマホもあるじゃないか」と思うかもしれないが、まだまだ完璧とは言えないまでもスマート化がほんの少しは進んでいる我が家、固定回線がなくなるのは思った以上に影響が大きかった。

 まず、朝の起床後、日課となっているラジオをradiko.jpで聞こうと思って「ねえグーグル」と話しかけるも、「Wi-Fi接続待ちです」的な返事一辺倒である。「アレクサ」と呼びかけても同じような状況だ。2台のスマートスピーカー「Google Home」と「Amazon Echo」が完全に置物と化した。OSアップデートに失敗してスマートフォンが「文鎮」になる現象は過去によく語られたものだが、スマートスピーカーも文鎮化するとは思ってもいなかった。インターネット環境がないためクラウドに接続できず、命令を一切受け付けないスマートスピーカーほど役に立たないものはない。なんとなく電源を接続したままだけれど、電気代の無駄である。

この左端にONUがあったのだが、今はきれいさっぱり
まったく言うことを聞いてくれなくなったスマートスピーカー

 毎日必ず聞いていたradiko.jpは、放送波を受信する普通のラジオで肩代わりするしかなかった。まあ、スマートスピーカーはBluetooth接続できるし、しばらくはBluetoothスピーカーとして活躍してもらうか……と思ったら、そのBluetoothペアリングの設定は、Google HomeもAmazon EchoもWi-Fi接続が可能な状態でスマートフォンアプリから行わなければならない。詰んだ……。

普通のラジオをキッチンに移動して使用中。スマートスピーカーは用なしに
Bluetooth接続できそうな雰囲気を漂わせるGoogle HomeやChromecastたちだが、Wi-Fi環境がなければ接続できない

 じゃあテレビでNetflixでも見るか、と思ってもネットに接続していないのだから視聴できるわけがない。テレビのネット機能はもちろんのこと、それに接続しているChromecast Ultra、Chromecast(第3世代。セカンドテレビ用)、Amazon FireTV Stickも利用不可だ。せめて音楽だけでも……と思ってオーディオアンプに接続しているChromecast Audioを使おうと思ったが、これもLAN接続不可の状態になっているので使えない。

 仕方がない、録画したテレビ番組を見ようか。そう思って録画一覧を見ていたら、こういう時に限って録画用HDDの容量が不足し、録画に失敗しているという……。ムカついて視聴済み番組を100個くらい削除してやった。おかげで300GBほどの空き容量が作れて満足である。実際のところ何も満たされていないが。

ネット動画が見られなくなったChromecastなどを接続したAndroid TVと、オンラインゲームが不可になったPS3、PS4。アンプにはChromecast Audioが接続されているが、使えなければただの飾りである

 Netflixの「テラスハウス」最終回は固定回線を消失する前夜にギリギリ見ることができたので最悪の事態は免れた。とはいえ、データ通信量を気にせずネット動画を見られる手段を失ったことで夜はヒマである。テレビも録画できてないし。なので代わりに本を読んでいる。テレビでネット動画ばかり見ていた子供たちに、嘘偽りなく堂々と「もう見られないぞ」と言えるようになったのもある意味メリットかもしれない。その後、「もう、見られないんだ……」と独りごちるまでがセットである。

 いやいや、ネット動画は見られなくてもゲームがあるじゃないか。と思い直したが、PlayStation 4のオンラインゲームはプレイできない。ネットワーク接続不要で遊べるオフラインゲームは問題ないけれども、ゲーム機本体やゲームのアップデートができないのはなんだか不安が募る。PlayStation Storeを見られず、新しいゲームをダウンロード購入できないのも悲しい。ちなみに「一緒に狩りに行こうぜ」と誘ってくれるようなフレンドはいないので、コミュニケーション的な面では全く問題ない。うん、問題ない。

固定回線がなくなった2月半ばからぐぐっと角度を増しているデータ通信量グラフ

 せっかくの休日なのに何もやることがないので仕事をしようとするが、当然ながらPCはそのままだとネット接続不可能。なので、メインのLG V30+ L-01Kとサブ回線の端末でテザリングしてなんとかしのぐ形に。おかげでデータ通信量は家計の貯蓄とは裏腹にぐんぐん右肩上がりである。2月前半まで「今月は余裕だぜ。サブは解約しようかな」と思っていたくらいなのに、このままだと今月足りるかどうか微妙な情勢だ。

 また、親ルーターもないからまともにLAN接続ができず、NASによるPCの自動バックアップにすら失敗しているのもなにげに危うい。さらにレビュー予定だったネットワーク・家電関連の製品が2つあり、両方とも固定回線の自宅環境で使う前提のものだったため、しばらくお預けになってしまった。こちらは死活問題でもあるため、なんとかする方法を模索中ではあるけれど……。

 夕方、そろそろ部屋が暗くなってきたので、明かりを点けようとスマートフォンを操作する。が、スマート電球「Hue」にアクセスできない。Hueは6つあるが、6つともスマートフォンアプリやスマートスピーカーから操作できなくなった。Hueはスマートフォンアプリなどから操作する際、Wi-Fi経由でクラウドにアクセスして制御する仕組みになっているためだ。

 もちろん既存の壁面スイッチでオンオフできるので電球として使えないわけではない。Dimmerスイッチと連携している2つまでなら調光も可能だ。が、それ以外は初期設定の電球色から変えられないという地味に面倒くさい状態になっている。ただ単に高価なだけの普通のLED電球に成り下がった。

自宅に6つあるHueは、壁面スイッチでオンオフはできるが、スマートフォンアプリからのアクセスが不可に

 固定回線がなくなったことで、どことなく静かになったように感じる我が家。家が丸ごと文鎮と化したような気すらしてくる。しかしそれにしても、最近では固定回線を引かずスマートフォンさえあればOK、という人も増えていると聞くけれど、少なくとも筆者宅では固定回線なしの生活は耐えられそうにないようだ。今は次の固定回線が早く開通することを祈るばかりである。