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SIMカード無しでも使えるvSIMスマホの新モデルが登場

 端末本体にSIMカードを入れなくとも、クラウド側に用意したバーチャルなSIMカード「vSIM」を使うスマートフォンやモバイルルーターを開発・販売しているuCloudlinkから低価格なvSIMスマートフォン「P3」が間もなく登場します。uCloudlinkの製品は日本でも別ブランドでルーターとスマートフォンが販売されており、スマートフォンはフリーテルが「Jetfone」の名前で発売しています。いずれの製品も国内利用よりも海外利用をターゲットにした製品で、海外各国で比較的安価な料金でデータ通信を利用することができます。

uCloudlinkのvSIMスマートフォン「P3」
左が現行モデルのJetfone(S1)、右がP3

 2018年9月12日から14日までロサンジェルスで開催されたMobile World Congress Americas 2018のuCloudlinkブースには、すでに発売中のvSIMスマートフォン「S1」と一緒にP3が展示されていました。S1はJetfoneのオリジナルモデルですが海外では約350ドル、また日本のJetfoneは3万9800円と、スペックを考えれば悪くない価格ですが海外旅行用に買うとなるとちょっと躊躇してしまうかもしれません。

 新製品のP3は価格を半額近くに抑え、100ドル台半ばで販売される予定とのこと。CPUを低価格スマートフォンでよく使われるスプレッドトラムのSC9850Kとすることで価格を引き下げていますが、ディスプレイは5.7インチと大型化、カメラも800万画素+200万画素のデュアルと悪くない性能。バッテリー容量も3400mAhあります。なおSIMスロットも備えるので、別途SIMカードを入れて使うことも可能です。ただしJetfoneはDSDSですがP3はシングルSIMスロット。CDMAにも非対応となります。

 初代のS1はスマートフォンとしてのスペックもそれなりにあるので普段使いもできる製品です。一方P3は海外渡航中のデータ通信端末用として使うことを重要視するユーザー向けでしょう。2つのスマートフォンは性格の異なる製品なわけです。

 そういえば、まだファーウェイが「IDEOS」ブランドでスマートフォンを出していた2011年頃、イー・モバイルは同社の小型スマートフォン「Pocket WiFi S (S31HW)」をモバイルルーターとして売り出しました。もちろんスマートフォンでありスマートフォンとしても使えるのですが、スペックが低いことから「2台目のスマホ」ではなく「メインスマホを補佐するMVNOが使えるルーター」として売り出したわけです。

画質は落ちるがデュアルカメラ。ボケを利かせた写真を撮れる
もちろんワールドルーター機能を搭載

 今回出てくるP3も「海外用モバイルルーター兼Androidスマートフォン」として家電量販店のトラベルグッズコーナーや空港で売るというのも面白いかもしれません。スマートフォンなので海外で何かあった時に予備機としても使えます。P3が日本で出てくるかどうかはわかりませんが、vSIMスマートフォンの種類の選択肢をぜひ増やしてほしいものです。