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同じOculusプラットフォームだけど……Gear VRとOculus Goを比較してみた

【Galaxy Note8】

 元年、元年と言われ続けてきたVRですが、いよいよ本当にブレイクするのか。私の周りでVRゴーグルの「Oculus Go」を購入する人がじわじわと増えています。2万3800円~と本格的なVRゴーグルに比べると価格が手頃ということもあり、今までVRにあまり関心のなかった人達にも広がっているよう。

 中でもFacebookでつながっている友人同士で、アバターによる会話やVRコンテンツの共有が楽しめる「Oculus Rooms」というアプリが人気です。そこで私も、同じOculusプラットフォームのVRゴーグルである「Galaxy Gear VR」を使い、Oculus Roomsに参加してみたのですが、その際に複数の友人から「音が反響して聞こえる」といった指摘を受けました。

Galaxy Note8を装着したGear VR
スタンドアロン型のOculus Go。Oculus Goの方がやや細め

 同じプラットフォームに対応し、同じコンテンツが楽しめるはずのOculus GoとGear VRですが、ひょっとしたらその体験には違いがあるのかもと気になったので、Oculus Goを購入してみました。以下、これまでに私が気づいた両者の違いです。

使いたいときすぐ使えるのはOculus Go

 私は元々、Galaxy Note8とGear VRの組み合わせでVRを楽しんでいたのですが、Galaxy Note8をセットして使う必要のあるGear VRと、スマホとの接続は必要なものの、単体でVRが楽しめるOculus Goでは、やはり手軽さが違います。これまでも「スマホを装着するだけなんて簡単」と思っていましたが、ゴーグルをかぶるだけというのはもっと簡単でした。さらにスマホを着脱するGear VRはどうしてもレンズにごみが付着しやすいのですが、Oculus Goはそうした面倒がないのも良さそうです。

ピント合わせのできるGear VR

 Gear VRもOculus Goも、ゴム製のヘッドバンドで固定するのは同じですが、装着感はかなり違います。後ろ側のゴムバンドが2重になっているOculus Goの方が、よりしっかりとホールドされる感じ。着け心地については好みの分かれるところでしょうが、私はスポンジが柔らかいGear VRの装着感の方が好みです。

 Oculus Goは鼻の部分のくぼみがより深く、私の低い鼻ではどうしても隙間が空いてしまい、光が入ってきてしまうのもマイナスポイント。ただし、これについては、鼻の低い人用の交換パーツが2500円のオプション品として販売されています。ちなみにこのほかオプション品の中には、サードパーティ製ですが、度付きの交換レンズもあります。というのもOculus Goには、Gear VRにあるようなピントを調整するしくみがありません。メガネをかけたままでも装着できますが、やはりわずらわしいので、この点はGear VRの方が使いやすいかなと思います。

映像は同等だがサウンドに大きな差あり

 Galaxy Note8の解像度は2960×1440(WQHD+)、対するOculus Go搭載のディスプレイは2560×1440の(WQHD)で、実際に見比べてみても映像のクオリティに大きな違いは感じられません。一方で体験として圧倒的に違うのがサウンド。Oculus Goにはスピーカーが内蔵されていて、ヘッドフォンなしでもステレオサウンドが楽しめます。マイクも内蔵されているので、Oculus Roomsでもそのままで会話が可能です。

 一方Galaxy Note8のスピーカーは端末の底面(Gear VRに装着した状態では右側)にあって、しかもモノラル。そのままだと音は右の方からしか聞こえないので、Bluetoothまたは有線のヘッドフォンを使用します。Oculus Roomsで「音が反響して聞こえる」と指摘された理由は、どうやらこのあたりの違いにある模様。なお最新の「Galaxy S9/S9+」はステレオスピーカーを搭載しているので、Gear VRでのサウンド体験もまた違うかもしれません。

Gear VRはコントローラーなしでも操作可能

 どちらのVRゴーグルも操作は付属のコントローラーで行いますが、その形状は違っています。人差し指のかかる部分に決定キーとなるトリガーボタン、スクロール操作ができるTouchサーフェス、ホームボタン、戻るボタンがあるのは同じですが、Gear VRでは手元で音量調節も可能。さらにVRゴーグル本体の右側面にもタッチパッドと戻る、ホームボタンがあり、コントローラーがなくても操作ができるようになっています。私は家の中でよくリモコンをなくすので、そういう意味ではGear VRの方が安心かなと思っています。

コントローラーはOculus Go(上)がしっかり握れるタイプなのに対し、Gear VR(下)は軽く持つタイプ
Gear VRの右側面にはタッチパッドも備わっている
同じスマホ内に、Gear VR用のOculusアプリと、Oculus Go用のOculusアプリをインストールでき、しかも同じアカウントが使える。購入アプリはどちらでも利用できるが、ダウンロードは個別に行う必要あり

 このほか利用できるコンテンツやホーム画面のインターフェイスなど、ざっと見た限りですが、VRでできることに両者でほとんど違いはなさそうです。ちなみに今回試してみてわかったのですが、Gear VR用のOculusアプリと、Oculus Go用のOculusアプリは同じGalaxy Note8の中で共存が可能。同じFacebookのアカウントを使ってログインできただけでなく、Gear VRにGalaxy Note8を装着している状態でも、Oculus Goで問題なくコンテンツをダウンロードし、VRを楽しむことができました。

 まぁ2つ同時に使うというのは相当なレアケースだとは思いますが、せっかくなのでしばらく使い比べてみたいと思います。

白い方がGear VR用、黒い方がOculus Go用のOculusアプリの画面。ざっと見た限りでは楽しめるコンテンツに違いはなさそうに見える
ホーム画面もチュートリアルが表示されているリモコンの形状以外はほぼ同じだ