みんなのケータイ
ねえGoogle、君は何ができるんだい?
【AQUOS R SHV39】
2017年11月13日 06:00
ついに真打ち「Amazon Alexa」の日本投入が発表されてにわかに盛り上がってきた感があるAIアシスタント&スマートスピーカーの世界。筆者は「Google Home Mini」を自宅に導入して使っている。
すでに各所で多くのレビューが公開されているので、機能の詳細説明は省くとして、今回は筆者がGoogle Home Miniを使って得た雑感を述べてみようと思う(ちなみにケータイ Watchの紹介記事はこちら)。
Google Home Miniをセットアップした当初は、スマートスピーカーを起動するおまじない「OK,Google」「ねぇGoogle」が上手く作動しなかった。翌日はなんだかがっかりした気持ちで仕事をしていたが、1日ほどでユーザーの声が登録されるのか、帰宅して話しかけるとすんなり応答して驚いた。人間に話しかけるのと同じくらいの自然な調子でも認識するので、違和感なく使える。
何ができるんだ……?
“スマート”スピーカーといっても、ハードウェアとしてはスピーカーにマイクや通信機能を載せたものに過ぎない。ユ―ザーが話しかけて、AIが応答するといった一連の処理は、GoogleやらAmazonやらLINEやらのクラウド上で行われている。つまり、クラウド側の処理の完成度が、ユーザーの満足度にほぼ直結するような仕組みになっている。
しばらく使っていて課題があると思ったのはまさにその点だ。話しかければいろいろ応答するらしいが、すべての機能を網羅した一覧なんて用意されることがない。つまり、とりあえず話しかけて、ヒットした呼びかけを覚えておくしかない(ちなみに、本誌の「『Google Home』、最初に利用できるサービスまとめ」という記事に掲載されている呼びかけ例は参考になる)。
とりあえず試してみて、「これ、便利だな」と気づく例はもちろんある。ある朝、雑然とした部屋でスマホを探していた筆者は、ふと「ねぇGoogle、スマホはどこ?」とつぶやいてみた。するとGoogle Homeが応答して「複数のスマホが見つかりました。1台目はSHV39です。鳴らしますか?」と答えてくる。「はい」と答えると大音量でアラームが鳴り、布団の下に埋もれていたスマホを見つけることができた(ちなみに、認識できるスマホは最近使った2台まで)。
“スピーカー言葉”を覚えてスマートな生活を
一方で、納得いかなかったのが、「ねぇGoogle、スマホはどこ?」は認識するが、「ねぇGoogle、スマホを探して?」は認識しないということ(つまり、キーワードのゆらぎの問題)。GoogleアシスタントのAIは、数年前より格段に賢くなっているが、現時点では、人間側が“AIが分かる言葉”で話す努力は必要らしい。
そして、スマートスピーカーを使う上で特に理不尽だと思うのが、どのタイミングでどんなアップデートが追加されるのか分からないということ。随時アップデートされていくという発想はGoogle検索と同じなのだろうが、これまで使えていたキーワードがある日突然反応しなくなるということがある(この記事を書いている11月10日時点なら「ニュース読んで」というワードがその一例)。せっかく覚えた“AIが分かるキーワード”が、ある日突然覚え直しになる、という事態になりかねない。
ここまで、いろいろと不安なスマートスピーカーの現状を綴ってきたが、おそらくこれは数年のうちに解消されるだろうと思う。対応できることの幅が一定の閾値を超えると、何気なく話しかけて何でも答えてくれる、まさに“スマートな”使い方ができるようになるに違いない。
また、Google Play Musicをラジオ的に流したり、スマートスピーカーに話しかけて家電リモコンを操作したりのように、スマートスピーカーならではの便利さもある。この2つについては、それだけあれば今は十分満足と思える機能だ。いずれにせよ、スマートスピーカーの成長を見守っていきたいところだ。
ところで、前回もご紹介したが、筆者のスマートフォン「AQUOS R SHV39」には、AIアシスタント機能「エモパー」が搭載されている。このエモパーはスマートスピーカーとは設計思想がやや異なり、「ユーザーの操作にあわせて適切なタイミングで話しかける」という仕組みが核になっている。使い比べて初めて「AIが分かる言葉を覚える必要が無いのは便利だな……」と感じたことも言い添えておきたい。
Google Homeにエモパーと、すでにAIアシスタントが2人もいる我が家だが、サードパーティーの対応に熱心なAlexaも一台お迎えしたいと考えている(なにしろ、ケータイ Watchの記事を読み上げてくれるらしいので!)。ひとり暮らしなのに、にぎやかな家になってしまいそうだ。