みんなのケータイ
Nokia 8が香港でも発売、6万円を切る価格はお買い得感あり
【Nokia 8】
2017年10月3日 06:00
今年になってから市場への本格復帰を果たしたNokiaブランドのスマートフォン。上半期はミッドレンジクラスの製品に留まり、他社との差別化要因も少ないため、市場で話題になることはあまりなかった。しかし、ハイエンドモデルがいよいよ発売となり、この冬のホリデーシーズンの目玉商品の一つになりそうだ。
HMD Globalがこの秋に各国で販売を開始した「Nokia 8」は、Snapdragon 835を搭載する堂々としたフラッグシップモデル。ディスプレイは5.3インチで解像度はもちろんQHD。RAM 4GB、ROM 64GBでカメラは背面に1300万画素を2つ搭載する。ここまでならば他社のフラッグシップモデルとそう変わらないかもしれないが、このデュアルカメラには大きな秘密がある。
1つはCarl Zeissのカメラを搭載すること。HuaweiのP/Mateシリーズがライカのカメラで性能をアピールしているように、Nokiaもこのカメラを大きな売りとしている。NokiaとCarl Zeissの提携は、古くはNokia N73(日本版は705NK)やN82などSymbian OSスマートフォン時代に多くの製品を出してきた。
実質4100万画素の808 PureViewや、Windows Phoneで最強カメラ端末だったLumia 1020など、Nokiaのカメラは一時機業界をリードする存在だった。だがその後、Nokiaの市場撤退、Windows Phoneの凋落と共に両者が提携した優れた製品は歴史の過去に忘れられる存在となってしまった。しかし、2017年秋、久しぶりに両者が本格的に市場に戻ってきたのだ。
Nokia 8はフロントカメラも1300万画素と、3つの1300万画素カメラを搭載する贅沢な製品でもある。しかもこの高画質なフロントカメラとリアカメラを使い、画面を2分割して自分と相手や風景を一緒に撮影することも可能なのだ。さらには静止画だけではなく動画、そしてライブストリーミングにも配信する。たとえば街角を歩きながらライブストリーミングする際に、自分の話している姿を一緒に流すことができるのだ。
カメラ画質がいいのはもはや各社のスマートフォンでは当たり前のこと。技術的な用語を並べて「カメラが良くなった」と言ったところで、一般消費者が興味を持つことは無いだろう。それよりもカメラで「簡単に」「楽しいこと」ができることの方がアピールしやすい。Nokia 8のデュアル撮影機能は注目したい。
さて、筆者の居住する香港でも9月からNokia 8の発売が始まった。これまではNokia 6のみが販売されていたが、特徴の無い端末と言うこともありひっそりと売られているような状況。家電店でも在庫が無い、なんてケースも良くあった。ところがNokia 8の登場で、各家電店は販売コーナーを大きく広げて消費者へアピールする姿が目立っている。数年間不在期間があったとはいえ、Nokiaの名前はまだ忘れ去られていない。
Nokia 6とNokia 8の2製品だけでもお客を呼ぶ効果はあるようで、Nokiaロゴを見て立ち寄るお客さんの数もちらほら。価格もNokia 8は6万円弱と、スペックを考えると割安感もある。また各社が「8」の製品名の新製品を投入する中で、Nokia 8の投入もベストと言えるだろ。Nokiaの型番は過去の製品同様に、数値の高い方が上位モデル。この後Nokia 9も控えており、Nokia 8はiPhone 8やGalaxy Note8対抗という意味でつけられた製品名では無い。しかし消費者にとっては同じ「8」モデルと言うことで比較しやすい。
Nokia 8が一定数売れてくれれば、来年も多くの新製品が登場し、Nokiaファンの筆者としてもうれしい状況になってくれそうだ。そのためにもまずは自分がNokia 8を買わねばならないだろう。