【Mobile World Congress 2018】

VoLTE対応で復刻した「Nokia 8110」を展示するHMDグローバル

Android OneやAndroid Oreo(Go Edition)対応モデルも

 ノキアブランドのライセンスを受けると同時に、マイクロソフトからフィーチャーフォン事業を買収したHMDグローバルは、Mobile World Congressに合わせ、5つの新端末を発表した。HMDグローバルは、インフラ事業を手掛けるノキアブースの一部を借り、これらの端末を展示していた。中でも注目を集めているのが、VoLTEに対応して復活を遂げた“バナナフォン”こと「Nokia 8110」だ。

LTEに対応した復刻モデルの「Nokia 8110」

 Nokia 8110は、その愛称のように、バナナのように本体が緩やかにカーブしたフィーチャーフォン。スライド式のカバーを搭載しており、これを下ろすとテンキーが現れる仕組みだ。展示会場では、「Nokia 8110 Reloaded」というキャッチコピーとともに紹介されていた。このReloadedは再装填などの意味合いがあり、映画マトリックスの2作目のタイトルにかけたもの。同端末は劇中でも活躍していた。

顔のカーブに沿うように、湾曲している
カバーを下方向にスライドさせると、テンキーが現れる
キャッチコピーは「Nokia 8110 Reloaded」

 残念ながら日本では発売されていないが、ノキア全盛期の時代に発売されていた端末だけあって、スペイン・バルセロナで開催されたMWCでは高い注目を集めていた。あえて日本の状況で例えるとすると、初代iモード端末の501iシリーズが、LTEやVoLTEに対応して復刻するのに近いかもしれない。

 OSには、「KaiOS」を採用。かつて日本でも「Fx0」が採用したFirefox OSと同じ「Boot to Gecko」をベースにしており、アプリストアも用意されている。チップセットには、クアルコムのSnapdragon 205を採用。タッチパネルには非対応だが、ゲームなどもインストールすることができる。さらに、GoogleアシスタントやGoogleマップといった、一部のグーグルアプリにも対応する。これは、KaiOS側がグーグルとパートナシップを結んだためだ。

 LTEに対応し、VoLTEも採用しているため、通話時の音声がクリアになるのがメリット。かつてのNokia 8110とは異なり、GSMが終了した国でも利用できる。販売価格は79ユーロ程度になるという。ノキアはNokia 8110以外にも過去のフィーチャーフォンを復刻している。

「KaiOS」を採用しており、アプリも利用可能
LTEで通信でき、VoLTEにも対応する

 一方で、HMDグローバルはグーグルとの関係も強化。新たに発表された「Nokia 8 Sirocco」「Nokia 7 Plus」「Nokia 6」は、いずれもAndroid Oneプログラムの下で開発されている。さらに、主に新興国向けとなる「Nokia 1」もMWCで発表された。

ディスプレイの左右がカーブした「Nokia 8 Sirocco」
大画面モデルの「Nokia 7 Plus」
Android Oneになった「Nokia 6」

 Nokia 1は、OSに「Android Oreo(Go Edition)」を採用した廉価版のスマートフォン。Go Editionとは、Android 8.0をベースにしながら、メモリ(RAM)が1GB以下の端末でも軽快に動作するよう、ソフトウェアが軽量化されているのが特徴だ。YouTubeやGoogleアシスタントといったグーグル謹製アプリも内蔵されているが、これらもGo Edition版で、通常のAndroidに搭載されるアプリよりも機能が簡略化されている。

Android Oreo(Go Edition)を採用し、背面の着せ替えが可能な「Nokia 1」

 Nokia 1もこうしたOSの特徴を生かし、エントリーユーザー向けに開発されたモデルとなる。価格はわずか85ドル。標準カラーはレッドとダークブルーだが、背面のカバーは交換することができ、イエローやピンクといったカラーのものも販売されるという。