みんなのケータイ

世界各地で使えるデータSIM「AIRSIM」は“じゃじゃ馬”を卒業?

世界各地で使えるデータ通信SIM「AIRSIM」

 世界各地で使えるデータ通信SIM「AIRSIM」を9月上旬に香港で購入してみました。

 本当はAIRSIMの購入方法などなどを中心にご紹介しようと思っていたのですが、筆者がAIRSIMを香港で購入して数日後、タイミングよく本コーナーにて大和さんによる記事が公開されたため、本稿ではサービスの紹介および購入方法は簡単な紹介にとどめたいと思います。

 AIRSIMは、世界各地で使えるデータ通信専用のSIMカードです。スマートフォン用のアプリケーションから、渡航先に合わせたデータパッケージを購入することで、渡航先でデータ通信が利用できます。

 事前に情報共有をしていたわけではないのですが、AIRSIMの購入場所は大和さんと同じく、香港の銅鑼湾(コーズウェイベイ)駅近くの「銅鑼湾中心商場」(銅鑼灣糖街15-23號)にある「信京電訊」のショップ。

店内にはAIRSIMの広告もある。指さして「これが欲しい」と言えば簡単

 事前にインターネットで予約やプラン指定をしない場合の販売価格は100香港ドルで、アカウントの初期残高も100香港ドルでした。支払方法は現金のみ、店員さんは皆インドネシアの方でしたが、英語は問題なく通じるため店頭でのAIRSIM購入自体は簡単です。

 さて、本題はここから。先に公開された大和さんの記事によると、各地で「通信ができるまで」が期待通りに動かず、AIRSIMはじゃじゃ馬と紹介されています。

 大和さんの記事は、筆者がAIRSIMを購入したすぐ後にこの記事が公開されたため、ある程度使い勝手に難がありそうだ。と、覚悟してAIRSIMを使ったのですが、結論から言えばそのような心配は杞憂でした。

現地到着後、データローミングONで自動的にAPNが変更された

 筆者が中国(深セン)、台湾(台北)、韓国(ソウル)などで試した限り、「国際ローミングを有効にして、現地到着後に端末を再起動する」という手順を踏めば、接続されるまでに多少時間を要することはあっても、スムーズにデータ通信が利用可能となり、各地データ通信を利用することができました。おそらく、AIRSIM側でデータ通信が利用できるようになるまでの処理を、何らか改善したのではと推測されます。

 また、SIMフリー端末である「HUAWEI Mate9」や「Galaxy S8+」(海外モデル)で試した限り、APN設定も滞在先に合わせて自動的に設定が適用されたため、渡航先に合わせてAPNを都度変更する。という作業も不要でした。

台湾でAIRSIMをスピードテスト。必要十分な速度でストレスは感じなかった

 (予想外に)各地でデータ通信を利用開始するまでがスムーズだっただけでなく、現地の通信環境が良好であれば、データ通信速度も快適。テザリングをONにしてPCと接続したり、Facebookメッセンジャーでのビデオ通話など、高速な通信速度が必要となる用途でもストレスを感じることはありませんでした。もちろん、通信速度は現地の通信事業者のネットワークの混雑状況などに左右されるのですが。

 海外渡航時のモバイルデータ通信手段としては、現地でプリペイドSIMカードを購入して使うのが金銭的には最も安い選択肢となることも多いのですが、現地着が深夜・早朝になったり、それほど大きな空港・港などでは無い場合、「到着してすぐにデータ通信手段を確保する」ことが難しいケースがあります。

 AIRSIMのようなサービスは、現地プリペイドSIMカードの安さと、データローミングの手軽さのメリットをあわせもつサービスと言えるので、海外渡航が多い方にとっては“1枚あると何かと役に立つ”SIMカードになるでしょう。実際、筆者も短期間の渡航・滞在であれば、現地SIMを購入することなく、AIRSIMなどのサービスで必要十分という機会が増えてきており、寂しいような、便利なような、なんだか不思議な気持ちです。