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アプリが秀逸なアメリカズカップ

【iPhone 7】

 165年の歴史があるという世界最高峰のヨットレースが福岡で開催されるということで、取材に行ってきた。11月19日~20日にヤフオクドームの目の前で開催されたアメリカズカップ。日本のヨットチームがソフトバンクのスポンサードを受けていることもあり、大会自体もソフトバンクのバックアップを受けた形で行われていた。

 実際のところ、自分はアメリカズカップという言葉は聞いたことがあっても、正直いって、ルールなどは全く知らなかった。ただ、アメリカズカップのことを「海のF1」と言っている媒体もあるようで、「陸のF1」というか、自動車レースのF1好きとしては「どんなもんじゃろ?」と気になる存在だったのだ。ちなみに、「空のF1」という異名を持つ、エアレースも昨年、見に行った。

 アメリカズカップについて、ほとんど事前の下調べをしなかったのだが、頼りになったのが、アメリカズカップのアプリだ。アメリカズカップの情報が満載で、さらにライブ対応で、ヨットの位置などが手に取るようにわかるような機能が備わっていたのだ。残念ながら、映像での配信ではないが、全6艇のヨットがスタートから、どの位置を走行し、トップからどれくらい離れているか、といった情報を把握することができる。

 今回、メディア艇から取材をしたのだが、当然のことながら、ヨットにギリギリ近づくことはできず、離れた場所から観戦することになる。目視でも十分、位置関係を把握できるのだが、アメリカズカップの場合、チームの戦略によって、選ぶ進路が異なるため、「どっちが先を行っているのか」が目視ではわからなくなることが多い。そんなとき、アプリがあれば、全体を俯瞰して見えるので、どのチームがどういった航路で回ろうとしているのかが確認できるのだ。

 実際に走行しているヨットとアプリのデータでは10秒以上の遅延が発生していた。ただ、自動車のレースとは異なり、ヨットレースでの10秒程度遅延であれば、問題ないように感じた。

 ソフトバンクでは、今年、ヤフオクドームにてLTE-Broadcastの実験を行っていたが、是非とも、今度またアメリカズカップが開催されるときは、LTE-Broadcast対応のスマホで、アメリカズカップの情報を受け取れるような実験をやってもらいたいものだ。今後も、初めて観戦するようなスポーツでも、アプリの力によって、誰もが熱中して楽しめるようになると期待したい。

 今回、アジア初で開催されたアメリカズカップ。まさか、福岡で開催されるとは思わなかたし、関係者は本当に短い期間でよくここまで準備して、大会を成功させることができたと思うと、頭の下がる思いだ。アメリカズカップの運営を見ていると、ゴタゴタが続く、2020年の大きなスポーツ大会も、短期間にサクッと準備して、うまく運営できてしまう気がしてならない。