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「PORTABOOK」の接続に役立ったGalaxy S7 edgeのあの機能

【Galaxy S7 edge SC-02H】

 日々の取材に持ち運ぶPCを少しでも軽く、コンパクトにしたいと考え、先日、大幅に値下がりしていたキングジムの「PORTABOOK」を購入した。PCとしてのスペックは非常に低く、ストレージにも空きがほとんどないため、Windows Updateには相当苦戦したが、一通りの設定を終えたあとは、快適に使えている。キーボードが打ちやすいため、取材中のメモ取りもスピーディにでき、これが2万円台前半だと思うと満足度は高い。

 一方で、仕様上、困ったこともあった。この機種は、5GHz帯に対応しておらず、2.4GHz帯のWi-Fi環境を極力なくそうとしていた筆者にとってはなかなか悩ましい機種だ。特に職場はシェアオフィスということもあり、干渉しがちな2.4GHz帯は、アクセスポイントからも吹かないようにしていた。設定を変えてもよかったが、職場には別のPCがあるため、PORTABOOKをネットに接続することはあまりない。そのために、アクセスポイントの設定を変えるのも……と思っていた。

PORTABOOKを購入。職場では、Galaxy S7 edgeのテザリング機能でネットに接続している

 どうしても接続が必要なときは、スマートフォンのテザリングを使おうかとも考えていたが、ふと、Galaxy S7 edgeにある機能が搭載されていることを思い出した。「Wi-Fi共有」と呼ばれる中継機能が、それだ。Galaxy S7 edgeのテザリングは、Wi-Fi接続時にオンにすると、接続中のWi-Fiを中継する形になる。通常のテザリングは大元の回線が3GやLTEなのに対し、Wi-Fi接続中は自動的にWi-Fiの中継機になるというわけだ。しかも、アクセスポイントとは5GHz帯で接続し、2.4GHz帯のWi-Fiで他の機器をネットにつなぐという変換も行える。

Wi-Fi接続中にテザリングをオンにすると、電波をGalaxy S7 edgeが中継する形になる

 実際に試してみたところ、あっさりPORTABOOKがWi-Fiにつながり、ネットにも接続できた。速度をチェックしてみたが、直接アクセスポイントにつながっているGalaxy S7 edgeの1/2弱といったところ。遅くなっていることは確かだが、それでも上下とも30Mbps以上出ているため、大きな差は感じられなかった。これなら、わざわざアクセスポイントの2.4GHz帯をオンにするより手軽でいい。

Galaxy S7 edge(左)は90Mbps超で、PORTABOOK(右)は30Mbps台

 この機能は、別のシーンにも応用できる。たとえば、キャリアのWi-FiスポットにGalaxy S7 edgeをつなぎ、その電波を中継してPCなどに接続することも可能だ。ドコモWi-Fiの場合、二重ログインができないため、スマートフォンのほかに、PCなどを使いたいときに不便だった。このような問題も、Wi-Fiを中継してしまえば簡単に解決できる。

 また、ホテルのWi-Fiでも、接続可能な端末数が限られていることがある。実際、筆者も、海外出張時に泊まったホテルのWi-Fiがそのような仕様で、困ったことがあった。部屋の場所によっては電波が弱かったり、机のある場所に電波がまったく届かなかったりもする。このようなときでも、Galaxy S7 edgeをハブにすれば、接続台数は1台と見なされる。電波が部屋の奥に届かないケースでは、Galaxy S7 edgeをドアのそばなどに置いておけばいい。Wi-Fiの中継機能は、複数デバイスを使いこなすユーザーなら、覚えておいて損のない機能と言えるだろう。

 ただし、すべて自分のデバイスとはいえ、規約上、Wi-Fiを中継してはいけないようになっていることもある。設定時にその旨を書いた注意も出るが、うっかりルール違反にならないよう、公衆Wi-Fiサービスを利用する場合は、事前に規約をしっかり確認しておきたい。