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通信機器ベンダー各社の動向と今後
2024年12月17日 06:00
弊社調査レポート「主要キャリアのネットワーク投資戦略と通信インフラ市場 2024年版」は、キャリア各社の設備投資動向以外に、通信機器として、伝送装置やルータ、スイッチ、携帯電話基地局、PON/MCといった市場の動向を掲載している。
通信機器ベンダー各社の動向と今後
通信機器市場ごとの主要プレーヤは以下のようになるが、2024年は大手ベンダーによる競合ベンダーの買収が行われた。
伝送装置市場では、Nokiaが2024年6月に米Infineraの買収を発表しており、今後、Nokiaにおける伝送装置市場シェアの微増が見込まれる。ルータ市場においては、HPEが2024年1月に米Juniper Networksの買収を発表し、今後、Juniperが市場から姿を消す。また、Ciscoが2024年に4000名超の従業員削減を行う見込みである。
携帯電話基地局市場では、Samsung ElectronicsがNokiaのモバイルネットワーク事業を買収するという噂もあった。一方、Ericssonが2024年3月に約1200名の従業員の解雇を発表し、Nokiaも2026年末までに最大14,000名の人員削減の予定、日本電気(NEC)も2025年度における5G事業の売上高目標を1,270億円に下方修正しており、苦境が続く。
今後、国内市場に限れば、NTTドコモとソフトバンクが5G展開に注力することにより、NTTドコモでNECと富士通、ソフトバンクではエリクソン・ジャパンやノキアソリューションズ&ネットワークスの勢いが増す見込みである。また、ソフトバンクが獲得見込みの4.9GHz帯では、AI-RANの実証実験参加から富士通が有力視され、富士通に追い風となる。
なお、KDDI(au)と楽天モバイルは5Gをある程度設置し終えている感があり、KDDI(au)でエリクソン・ジャパンやサムスン電子ジャパン、ノキアソリューションズ&ネットワークス、楽天モバイルではNECとエアースパン・ジャパンの勢いに陰りがみられる可能性がある。