DATAで見るケータイ業界

この1年で100店減のドコモショップ、減少したのは都市部か地方か

 前回お伝えしたとおり、この半年間で184店と大幅減を記録したキャリアショップ。なかでもドコモショップが大幅減を記録している。今回は、その中身について見ていきたい。

この1年で100店減のドコモショップ、減少したのは都市部か地方か

 1年前(22年2月)と比較し100店減となったドコモショップだが、具体的にどのエリアで減少しているのか明らかにすべく、3大都市圏とその他の4つのエリアに分けて集計を行った。

 その結果、三大都市圏は4.8%減、その他が4.0%減となり、三大都市圏の方が若干だが減少幅が大きいことが分かった。

 なかでも南関東は6.0%減となっており、うち千葉県(8.2%減)と東京都(6.8%減)で大きな店舗減がみられた。この1年で閉店した店舗の中には、「ドコモショップ千葉中央店」や「ドコモショップ池袋東口店」「ドコモショップ立川店」のように、同一ターミナル駅にある複数のショップのうち一部を間引くケースが散見された。近隣店舗への誘導も容易で、顧客への影響も抑えられるとの判断があったものと考えられる。

 なお、ドコモショップの全体的な傾向としては、三大都市圏の方が減少幅が大きいものの、県ごとに見ていくとその状況は大きく異なる。1年前から店舗数が維持されている県が栃木県や香川県、長崎県など13県あった一方で、10%超の削減幅を記録した県も3つ存在している。

他ブランドと比べて地方にも手厚く配備されているドコモショップ

 メイン3ブランドの店舗数に占める3大都市圏の比率は、ソフトバンクが半数超の50.2%なのに対し、auは45.4%、NTTドコモは40.1%にとどまっている。裏を返せば、もともとNTTドコモは他ブランドに比べて店舗数の地方比率が高い状況にあるといえる。

 今回の調査結果から、この1年はまず都市部で店舗削減を進めた印象が強いが、果たして地方にもメスを入れていくのだろうか。今後も店舗網については定点観測を続けていきたい。

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