DATAで見るケータイ業界
MVNOは純減、携帯大手は2016年以降最多の純増――総務省データで見る契約数の現状
2021年7月3日 08:00
本誌既報のとおり、総務省は2021年3月末時点における「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データ」(以下、総務省データ)を6月19日に公表した。
総務省四半期データからみる、MVNOの現状は
3月末時点での移動系通信の契約数は1億9512万(前年比4.5%増)、そのうちMVNOの契約数は2612万(同5.7%増)となった。
これまでMVNO契約数の前年比増加率は二桁台を維持してきたが、20年12月末時点で8.0%へと低下し、今回は5.7%と鈍化が鮮明となった。
総務省データでは、MNO・MVNO別の純増減数推移が掲載されており、このグラフからも両者の勢いの差は明確に現れている。
本稿では一歩踏み込んで、スマートフォンやタブレットなどを中心とした契約獲得状況を明らかにすべく、機器等に組み込まれる通信モジュール契約の動向を除外してみたところ、MNOが84万増だったのに対し、MVNOは40万減と対照的な動きとなった。
MNOの純増数は、記録が遡れる2016年以降で最多の数値で、文字通り絶好調であったことが伺える結果となった。
一方のMVNOは、これで2四半期連続で純減を記録した。この数字は、MVNOとしての楽天モバイルが徐々に契約数を減らす特殊要因が影響している点には留意したい。
とはいえ、楽天モバイル(MVNO)の純減影響を除外してもほぼ横ばいにとどまったとみられ、MNOにトレンドがシフトしてしまったことが最大の要因であることは間違いない。当面、MVNOを取り巻く環境は厳しい状態が続きそうだ。