スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」

ソニー「MDR-EX31BN」は隠れた逸品なのだ

無線でノイズキャンセリングで高コスパ!

 外出時に多用するNC(ノイズキャンセリング)機能搭載のヘッドホン類。周囲の騒音をカットしつつ、クリアなサウンドで音楽を楽しめるというアレですね。現在、主に使っているのはソニーの完全ワイヤレスNCヘッドホン「WF-1000XM3」(レビュー記事)です。

ソニーのワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット「WF-1000XM3」(公式ページ)。2019年7月13日発売の最新の無線NCヘッドセットですが、完全なコードレスで使えつつ、Bluetoothヘッドセットにありがちだった音途切れを最小限に抑えつつ、強力なNC性能を備えつつ、バッテリーの保ちも非常に良いという、筆者的には現在最強と思える完全無線NCヘッドセットです。音質もイイ♪ 付属ケースを使って移動中などにも充電できます。ソニーストア価格2万5880円(税別)。

 このWF-1000XM3を非常に気に入って使用中、なの、です、が、同時に気に入って使用中の無線NCヘッドセットがあります。ソニーの「MDR-EX31BN」(公式ページ)という製品です。使用感等々については過去にレビューを書いています。

ソニーのワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット「MDR-EX31BN」。本体部に専用の有線イヤホンを接続して使う完全ワイヤレスではないBluetoothヘッドセットです。2013年10月25日に発売され、現在も販売中。カラーは、ホワイト、レッド、ブラックがあります。ソニーストア価格1万880円(税別)。Amazonとかだと8000円弱。

 で、ですね、このMDR-EX31BNについて、我ながらビックリするのが「2013年10月25日発売の製品を、2019年9月現在でも現役で使っている」ということです。確か2014年に入ってすぐ購入していますから、ほぼ5年使い続けているんです。まあ、月に数回ペースですが、現在でも問題なく使えている上に、比較的に飽き性の筆者が「やっぱりコレはイイ」と満足しつつ使っているのにもビックリです。

 このMDR-EX31BNの魅力をザッと書いてみますと、やはり無線式NCヘッドセットとして実勢価格が1万円を切っていること。また、この価格レンジでありつつもNC性能がなかなか高く音質もそこそこイイ。さらにバッテリー持続時間が長く、音楽を聞きつつNCをオンにして最大9時間使えます。それに対応コーデックがSBC/AAC/aptXと揃っているのも好印象。そういった総合力から、定番的に売れ続けている「隠れた逸品」になっているのだと思います。

なんで現在でも使い続けているのか?

 2013年発売のMDR-EX31BN。新旧交代の速いデジタルガジェット界隈ではもはや昔の製品とも言えましょう。性能や音質や機能性では、前出の完全ワイヤレスNCヘッドセットことWF-1000XM3より、かなり見劣りします。そんな製品を、筆者はなぜ現在でも使い続けているのか?

 最新製品と比べると、6年前発売のMDR-EX31BNは見劣りしているとか書いた直後ですが、MDR-EX31BNは現在でも十分実用的な性能や機能性を備えています。各種機能、性能にこだわれば「やっぱり最新のWF-1000XM3は凄いなあ」と思うんですが、そんなにこだわらないスタンスだと「古いMDR-EX31BNだけどナニゲに便利!」と感じる。

 良さのひとつは、物理的な安心感があること。本体と専用イヤホンがケーブル接続なので、まず「イヤホンを落とした!」てなコトがまず起きないんですね。完全ワイヤレス式で両耳に押し込むイヤホンだと、脱着時やケースへの収納時に「落とさないように」とチョイ緊張します。

MDR-EX31BNは本体に専用イヤホンをプラグインして使うスタイルです。イヤホン部がケーブル式なので、完全ワイヤレスタイプのように落とす不安はほとんどありません。ただ、雑に扱うとケーブルの断線があるかも? しかし、断線させちゃった場合でも、「MDR-NWNC33」(公式ページ)が代替品として使えます。なお、本体に普通のステレオイヤホンを接続しても使えますが、その場合はNC機能は使用できません。

 MDR-EX31BNには落とすなどの不安が、ほぼない。また、1万円以下の価格なので、万が一に落としたり壊したりしても、悔しさ悲しさも小さめです。わりとラフに大雑把に扱えるワイヤレスNCヘッドセットというのが、気軽でイイんですね。

 あと、音質やNCの効果も上々。前述のとおり最新のWF-1000XM3あたりと比べるとNC効果はかなり落ちますし、音質の面でも物足りなさを感じます。ですが、それでも「まあ外で聴くんだしこのくらいでも十分いいじゃん」という音質ですし、電車やバスや飛行機で使えば「NCがあるとストレス激減でラク~♪」という騒音カットの良さを十分味わえます。

 ちなみに、MDR-EX31BNはスマートフォンなどとBluetooth接続していれば、音楽を流していない状態でも「NC耳栓」として使えます。騒音カットのみの利用スタイルですね。「周囲の騒音で体が疲れる~」というような場合の対策ガジェットとしても活用できます。

スマートじゃないけど便利、電池もよく保つ!

 MDR-EX31BNは、本体+専用イヤホンというワイヤレスNCヘッドセット。本体を胸周辺に装着して、そこから優先イヤホンを伸ばして耳に入れるというスタイルで使います。完全ワイヤレス時代の現在からすると、ちょっと古風な感じがしますし、やっぱりケーブルが邪魔。スマートとは言えない感じ。

 ただ、実際に使ってみると、「まあケーブルは邪魔なんだけど、コレはコレで便利だよな」と思える要素もあります。たとえば本体のボタン類が手っ取り早く扱えて実用的なこと。

MDR-EX31BNのボタン類。表側の丸いボタンで電源オンオフや再生や一時停止や受話や終話の操作をします。片サイドにあるボタンで、曲の送り戻しや早送り早戻し、音量調節、NCのオンオフやNCモード切り替えを行います。単純でわかりやすいのがイイ感じ。もう片サイドには充電用のmicroUSBポートがあります。

 まあ、欲を言えば、スマートフォン用アプリから各種調整・設定ができたら快適だと思います。また、表面に液晶画面かなんかがあって、現在のモードや電池残量の表示があったりしたら便利だと思います。でもまあ、そこまで求めなければ、このカタチで十分実用的かな、と。

 それと、一見、携帯しにくそうなMDR-EX31BN。ケーブルがあるので、バッグの中でケーブルが絡む? グジャグジャに? みたいな。でも、ケーブルは胸元から耳までという長さなので、さほど邪魔にならず、クルリと丸めて本体のクリップで留めてしまえば、わりとスムーズ&コンパクトに携帯できます。

MDR-EX31BNは、本体背面のクリップを使って胸元やバッグのストラップに留められます。胸ポケットに入れてもいいですね。収納時は、イヤホンのケーブルをちょちょっと巻いて、本体のクリップで留めれば案外スッキリまとまる。

 上の写真のようにケーブルを巻いてクリップし、さらに小さなポーチなんかに入れれば完璧。筆者は小さなビニール袋に入れて携帯しています。

 それと、このカタチが案外イイと思えるのは、MDR-EX31BNのバッテリー持続時間です。本体部に余裕のあるサイズのバッテリーを内蔵できるためだと思いますが、連続音声再生時間は最長9時間(NCオン)/10.5時間(NCオフ)。ご参考までに、前出の新型WF-1000XM3は完全ワイヤレスNCヘッドセットとしては長時間駆動が可能ですが、それでも最大6時間(NCオン)/最大8時間(NCオフ)です。

 NCヘッドセットは「騒音カット用のNC耳栓」として使う方も少なくないと思いますが、MDR-EX31BNの待ち受け時(音楽を再生していない状態)でのバッテリー持続時間はNCオン時で最大30時間になります。なかなかのスタミナ!

 それから、これは使う環境にもよりますが、MDR-EX31BNはBluetoothの電波途切れや音途切れも少ないように思える筆者です。胸のあたりに装着するので、スマートフォンなどの音源と比較的に近い位置にあることが多いからでしょうか。あるいは、大きめの本体内に余裕のあるサイズのアンテナが入っているからでしょうか。イイ感じで使えています。

 単純明快で扱いやすく、NCの効きもよくて、音質もそこそこイイ。そしてわりと安価。気軽に扱えるワイヤレスNCヘッドセットとして、いろいろコナレ感があるMDR-EX31BNです。なるほど、だから何年も継続して販売されいるんだな、と改めて思います。でもそろそろ、このスタイルで新型も欲しいところ。

 個人的には、スマートフォンアプリとの連携や状態表示可能な液晶、それからさらに強力なNC性能や、フツーのイヤホンでもNCが使えるような機能性とか、いろいろ求めてしまいます。でもまあ、そういう機能・性能がなくても、とりあえずMDR-EX31BNは便利。そろそろ予備として1セット、MDR-EX31BNを買っておこうかなと考えております。

 コレ、実勢価格もコナレていますし、現在でも十分な性能を持っていますし、わりと扱いやすいというのもありますので、入門用NCヘッドセットとしてもイイかも。いきなりお高めの製品に手を出して「ん~思っていたのと違うなあ……」となるよりリスクが少ないかも、です。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。