スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」

自転車のペダルにシューズを固定!

自転車のビンディングはイロイロ好都合! ……でもやっぱり危険?

 ロードバイクやMTBなどのスポーツ自転車ではビンディングペダル/シューズを使っている筆者。自転車のペダルに靴を固定するものです。ビンディング対応のシューズの裏にクリートという金具があり、その金具はビンディング対応ペダルにパチン! とハマって固定され、効率良くペダルを踏めるようになります♪

左はビンディング対応シューズの裏側で、矢印の金具がクリートです。この金具がペダル側の金具にはまり、シューズとペダルが一体化するというしくみ。ペダルにシューズを乗せて踏み込めばパチンと固定されます。固定された状態でシューズを外側にひねればカチャリと外れます。

 ペダルに靴を固定なんて、危なくない? と、誰もが思うところですよね。確かに、ビンディングの扱いに慣れないうちは「とても危ない」です。ペダルからシューズを外せないまま転倒! ということもあります。

 でも扱いに慣れ、一瞬でシューズを外せるようになれば、ナニカと都合のよいビンディング。たとえばシューズが滑ってペダルから外れるようなことがないので安全ですし、踏み込む力も入れやすいです。また、いつも定位置に足を置けるので、(足が固定される位置が適切に調節されていれば)長距離や長時間を走るのがとてもラクになります。

 筆者の場合、初めてビンディング的なものを使ったのは、中学生の頃に乗っていたランドナー(小旅行用向けの自転車)で。ペダルに「トゥークリップ」と呼ばれる金具と革ベルトが付いていて、これでペダルに足を固定するというものでした。使い始めは超怖かったんですけど、慣れるとイロイロ快適に。ただ、いちいち手で革ベルトを緩めたり締めたりするのは面倒でした。

 トゥークリップと革ベルトが主流だった時代からすると、現在のビンディングはとても便利です。上の写真のビンディングはシマノのSPD(公式ページ)で、MTBなどオフロード走行をはじめ、幅広い用途で使われているタイプ。ペダルにシューズを乗せて踏めば固定され、足をヒネるなどすれば外れます。お手軽♪

 ちなみに、靴底に付けるSPDクリートは固定力や外しやすさの違いで2種類、黒色のシングルクリート(SM-SH51)と銀色のマルチクリート(SM-SH56)があります。マルチクリートを使えばシューズをより外しやすくなります。

黒色のシングルクリート(SM-SH51)はシングルモードで使えて、足を外側にひねったときだけ外せます。銀色のマルチクリート(SM-SH56)はマルチモードで使えて、上や斜め外側などに動かしても外せます。※図はシマノ製ペダル説明書より抜粋。

 ほか、ロードバイク向けのSPD-SL(公式ページ)というビンディングもあります。こちらは、靴底に付けるクリートが3種類あり、違いは左右方向への遊びです。黄色が緩め、青がやや緩め、赤が遊びナシです。最近ではSPD-SLシューズにSPDクリートを固定できる「SM-SH41クリートアダプター」というものも登場。ますます実用性を高めているスポーツ自転車用ビンディングです。

 なので、気持ち的にはビンディングをオススメしたいんですが、でも率直なところ、多くの一般道やサイクリングロードで使うには、やっぱりビンディング使用にはある程度のリスクが伴います。正直なところ、ペダルとシューズの脱着に慣れても、まだ危険がけっこーアリガチだと思います。

普通のペダルにもなるビンディングペダルならより安全♪

 使ってみると効果やメリットが実感できるビンディングですが、十分に扱いに慣れても想定外のトラブルがあったりもします。たとえば登坂中に急に勾配がキツくなってスピードが落ちつつ立ちゴケとか、不意のスリップで足を地面に付けられずズシャーッと転んで太腿擦過傷とか、突如の飛び出しを避けようと急ブレーキをかけつつ転倒とか。やっぱり慣れてもアブナーイ!

 ただ、ビンディングに慣れつつ、ビンディングを使っているからこその危険も想定して走れば、そういった危険は回避可能です。いつ危険な状況になっても対処できるように、危険を想定しつつ先読みしつつのライドを……とか理屈では言えますが、ついウッカリしてしまうこともありますし、疲れてくれば集中力も欠けますし、やっぱり最初からビンディング使わないほうが不意の危険に対応しやすいですよね。

 などと、どっちつかずのコトを書いている筆者が愛用しているのが、「片面SPD/片面フラット」タイプのSPDペダルです。片面にクリート固定金具があり、もう片面は普通のペダル。危なそうな道では普通のペダルとして使い、ペダリングの効率を求めるときはシューズを固定して使えます。

「片面SPD/片面フラット」タイプのSPDペダルのひとつ、シマノ「PD-A530」(公式ページ)。ほかにも片面SPD/片面フラットタイプはイロイロあります。
こちらも「片面SPD/片面フラット」タイプで、シマノ「PD-T8000」(公式ページ)。普通のペダルの面にはピンが突き出ていて、靴底がかなり滑りにくくなっています。MTB向けですね。

 ほかの片面SPD/片面フラットのペダルは、公式ページから見ていけると思います。SPD-SLは……競技志向が非常に強いので片面フラットのペダルって恐らくナイと思います。逆に、ビンディング必須の競技志向という立ち位置で見ると、片面SPD/片面フラットのペダルは最初からほぼ論外となるでしょう。

 ともあれ、片面SPD/片面フラットのペダルを使えば、必要時にビンディングを使い、危ないかナと思ったら普通のペダル状態で走行。たとえば街中では普通のペダルを使い、空いているサイクリングロードではビンディングを使う、という使い分けができます。あるいは状況に応じて、右足は固定して左足はビンディングから外した状態という使い方も可能。より安全&安心して使える片面SPD/片面フラットのペダル、多くの場面で実用性が高いので、筆者的にはオススメです。

 ただ、片面SPD/片面フラットのペダルでも、シューズ底の材質や形状などによっては「普通のペダル面を踏むと滑りやすい」ということがあります。ので、使うSPDシューズとの相性を十分考慮して片面SPD/片面フラットのペダルを選ぶのがいいと思います。

 また、軽量化目的で片面がSPDであるだけのものもあります。もう片面は普通のペダルとして踏めませんので、このタイプにも注意が必要です。

ちょっと便利なSPDシューズを購入♪

 筆者の場合、気軽な感じの自転車趣味なので、ビンディングはSPD一択です。以前はSPD-SLタイプも使っていて、シューズを固定したり外したりするときの使い心地が軽く、固定力も高くて良かったです。SPD-SLのペダルはクリート装着部が上を向くので、シューズ固定動作もよりスムーズに行えました。

 ただ、SPD-SLのシューズはそのまま歩くのには向かないクリートの大きさや靴底の硬さに違和感が。結局、歩くこともある程度考慮されたMTB向けSPD派になりました。ビンディングとしての使い勝手はSPD-SLのほうがイロイロと優れているように思うんですけどネ。さておき、使用中のSPDシューズがボロボロになっちゃったので、最近新たなSPDシューズを購入しました。

 モノはNORTHWAVE (ノースウェーブ)の「SCORPIUS(スコーピウス) 2 PLUS」(公式ページ)です。売り場で試したらイイ感じで、サイズもちょうどでありつつポイントもたまっていたのでスンナリ購入~♪

NORTHWAVE「SCORPIUS 2 PLUS」。MTB向けのSPDシューズですが、ロードバイクとMTBで使っています。「SLW2ダイアル」という独自のダイアルを装備し、これを回すことでシューズを締められます。段階的に緩めたり一気に緩めたりすることもできます。ダイヤル上部に見える小さな銀色の部分を手前(写真では左側)に引けば一気に緩められ、押下すれば一段ずつ緩めることが可能。

 じつは購入当初、このダイアルを「Boa Closure System」(関連記事)だと思っていたんですが、NORTHWAVE独自開発品でした。使用感は、Boa Closure Systemよりも締めたり緩めたりするのがスムーズで、段階的に緩められる機構も実用的。イイ感じです。

 軽くて通気性が良いのもナイス。前に使っていたシューズよりイロイロと優れています。自転車周辺はまだまだ進歩し続けているんですね~♪

ここがイイぞ! ビンディング! でも練習も忘れずに~

 最後に、筆者が感じたビンディングのメリットを。少々前述しましたが、まずいつも正しい位置でペダルを踏めることです。そうなるまでに何度もクリート固定位置の微調整を行う必要が出たりしますが、位置がキマってしまえば快適。より少ない力で速く遠くまで走れる感覚です。

 あ、ビンディング対応シューズって剛性が高いものが多いと思いますが、その影響でビンディング不使用時とは最適サドル高も変わってくるように思います。ので、クリート位置を調整しつつサドル高の調整も行うといいような気がします。

 ビンディングを使うとペダルから足が外れる危険が減るわけですが、そこには足を自転車に任せられるという安心感と利便があります。少しスピードが乗ってもシューズとペダルの間には不安がないとか、不意の段座で感じる不安が減るとか、あと疲れたときに足を弛緩させても大丈夫とか。ちょっと説明しにくいんですが、安定的で安全な足の置き場が確保されたような安堵感があります。

 下に踏み込む以外の方向にも力を加えられるのも、ちょっとイイです。よく言われるところですと「引き足」。足が下から上に上がるときに「上に引くように漕ぐ」ことができるようになるわけです。後ろに蹴るような動きとかペダルを前方に押すような動きもできます。足全体を使うようになるのか、筆者の場合はビンディングを使わないと太腿の前の筋肉(大腿四頭筋?)だけが痙りそうにナリガチなんですが、ビンディングを使っていると一部の筋肉だけ疲れる感じがあまりしません。

 それから、ビンディングを使っていると膝を痛めないような気もします。あとお尻の痛みも少ない気が。というのは、ビンディング無しでスポーツ自転車に乗るとちょっと膝やお尻が痛くなるんですが、ビンディングがあるとそうなりにくい。意識してみると、ビンディングを使っているときは、足とお尻に体重を分散させているような気がします。ビンディング無しのときは漕ぐときだけ足に体重を乗せていて、それ以外はお尻に体重を乗せているような……気がします。

 総じてやっぱりラクですね、ビンディング。少々の不安や少々の疲れが減って、走ることの楽しさがちょっと増す、みたいな感じもします。

 ただ、かなり慣れたツモリでも、たま~にヒヤリとしたりするビンディング。危なかった~立ちゴケしそうだった~、みたいな。

 そんなビンディング使用ゆえのトラブルを避けるためには、やはり「こまめな着脱」しかないかも。ビンディングの着脱練習。止まるときはもちろん、ある程度以上スピードダウンしたらビンディングを外す。両足とも外す。ヤな予感がしたら即両足とも外す。外したらはめるわけですから、こまめに外していればビンディングの扱いもどんどん巧くなるように思います。とか書いといて立ちゴケしたらアレですので、筆者も鋭意ビンディング脱着練習を続けたいと思いますっ!

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。