ケータイ用語の基礎知識
第646回:ユニバーサルアプリ とは
(2014/1/14 11:59)
「ユニバーサルアプリ」とは、アップルのiOS搭載機種であるiPhoneやiPad、両方のデバイスで使えるアプリのことです。「ユニバーサル対応」などと呼ばれることもあります。
ユニバーサルアプリの“ユニバーサル”は、「全世界の」「普遍的な」を意味する英単語「Universal」から来ています。
iPhoneとiPadでは、画面のサイズが異なるため、たとえiPadで利用できるとしても、もともとiPhone用に作られたアプリの場合、大画面にマッチしないインターフェイスになってしまうことがあります。
iPadには、iPhoneとの互換モードがあるため、一般的にiPhoneのアプリをそのまま利用することができます。しかし、単純にiPhone用のアプリをiPadでそのまま実行することを「ユニバーサル」というわけではありません。またiPadは、iPhoneと比べ、画面が大きく情報も多く表示できます。
「ユニバーサルアプリ」と呼ばれるアプリでは、インストールされたデバイスを認識して、そのデバイスの画面の大きさに合ったユーザーインターフェイスを表示します。そのため、1本のアプリで、画面の小さなiPhoneやiPod touch、そして画面の大きなiPadでも、それぞれにあったユーザインターフェイスを利用できるのです。
App Storeでは、一度購入したアプリは無償でいくつものデバイスに再インストールすることができます。iPhone、iPadの両方を使っている場合、有料のユニバーサルアプリを購入すると、それぞれの画面サイズにあわせたユーザインターフェイスで使えるというメリットがあります。
iPadの機能を生かして使える
こうしたユニバーサルアプリには、どういったものがあるのでしょうか。たとえば有名なアプリでは、クラウドストレージを利用できるファイル同期アプリの「Dropbox」がその1つです。Dropboxは、各デバイス内のファイルをクラウドを使って同期するのですが、同じアプリをiPhone上で実行すると、たとえばカメラロールの写真を表示するには、ファイル一覧を表示する画面とビューワーを切り替えて表示をしていました。一方、画面の大きなiPad上では、画面左ペインにファイル一覧、画面右ペインにビューワーと、ひとまとめに表示できます。
このほか、「Google Earth」や「Evernote」などもユニバーサルアプリの例に挙げられますが、現在では、これに限らずユニバーサルアプリは非常に数多く提供されています。
ユニバーサルアプリでは、画面の広いiPadでは画面を左右の2ペインに分けて、左画面では一覧表示、右ペインでは左で選択した内容など、詳細な情報を表示する、というパターンが多いようです。
iPhoneやiPad用のアプリの開発では、「Xcode」というツールがよく使われます。これはアップルがMac OS X向けに開発、配布している、ソフトウェア開発のための統合開発環境(IDE)と呼ばれるツールです。MacOS XやiPhone向けのソフトウェアを、これを使って開発することができるのですが、このツールで、ユニバーサルアプリの開発がサポートされています。また、画面の右ペインを詳細表示にする方法も、アップルから開発者向けに提供されている文書に記載されています。開発者はそうしたツールや文書を使うことで、比較的、手軽に「ユニバーサルアプリ」を実現することができます。
(大和哲)