ケータイ用語の基礎知識

第994回:スマホが壊れたらトークの内容は……? 「LINEのアカウント引き継ぎ」の基礎知識

 日常の連絡手段としてすっかり根付いたコミュニケーションアプリの「LINE」。しかし、スマートフォンには故障や紛失がつきもの。もし、突然スマホが使えなくなったらLINEのトークはどうなってしまうのでしょうか? 今回はもしものトラブルのときに備えておくべきLINEの設定についてご紹介します。

トークのバックアップ設定はONにしておこう!

 LINEのトークのバックアップは、デフォルト(インストールしたままユーザーが何も設定してない状態)の状態では「OFF」になっています。

 LINEトークが、離れた人とや日常での、会話の代わりにもなっている現在、その履歴が消えてしまうのは結構な損失だと感じる人も多いのではないでしょうか?

 そのためにも、トーク履歴のバックアップ設定は、ONにしておくことをお勧めします。やり方は、LINEの「ホーム」→「設定(右上の歯車アイコン)」→「トークのバックアップ」メニューから、まず「今すぐバックアップする」を選び、6桁の暗証番号を設定すると、Androidの場合はGoogleクラウド、iPhoneの場合はiCloudに一度トーク履歴がバックアップされます。

 なお、もう一度「トークのバックアップ」メニューを開き、設定の「バックアップ頻度」を見ると、今後、どの程度の間隔でバックアップがされるかが設定されています。

QRコードでも引き継げる

 しかし、そのバックアップを忘れてしまったら……? 実は直近14日間に限り、バックアップの設定をしていなくても復旧する方法があります。それが「かんたん引き継ぎQRコード」です。

 もとの端末で「かんたん引き継ぎQRコード」でQRコードを表示させ、新しい端末のLINEで読み取れば、事前にバックアップをしていなくても、過去14日間のトーク履歴を引き継ぐことができます。同じOS間での移行なら、バックアップの内容も合わせて引き継ぐことが可能です。

 新旧両機が手もとにあるなら、非常に簡単にできる操作のひとつと言えるでしょう。QRコードひとつ表示するだけで済むからです。

QRコードを表示させて……
新しい端末で読み取るだけ

不意のトラブル時には「PINコード」

 前述の方法は、あくまでスマートフォンが使える状態で手もとにある場合のものです。もし、スマホを紛失してしまったり、壊してしまい、新しく入手したスマホでLINEを再開した場合は、過去のトークはどうやって引き継げば良いのでしょうか。

 あらかじめ「トークの履歴やバックアップ・復元」を設定しておくのがもっとも安全ですが、意外と忘れてしまいがち。それに最後のバックアップからスマホにトラブルが起こるまでの間のトークは失われてしまいます。

 しかし、バージョン「12.13.0」以上で利用できるバックアップ用の「PINコード」を登録しておけば、QRコードでの引き継ぎ時と同様に直近14日間分のトークを引き継ぐことができます。このPINコードは、前述のバックアップをとったときに設定したものと同じです。

 ただし、この方法ももとの端末で設定を済ませていることが前提です。トラブルにあう前にあらかじめ備えておく必要があることは忘れてはいけません。

ここからPINコードを登録しましょう
PINコードを登録した状態

 さまざまな人とのやり取りに使うLINE。誰と何を話したかはできるだけ残しておきたいもの。今回はいざという時の復元方法をご紹介しましたが、筆者としてはやはり、トークは毎日するものですからバックアップも「毎日」することをおすすめします。

大和 哲

1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)