ケータイ用語の基礎知識

第991回:値段が高い方? 性能が高い方? スマホの「フラッグシップ」とは

 鮮やかな写真が撮れて、画面もきれい。そんな最近のスマートフォンですが、特に性能を追求したものはよく「フラッグシップ」なんて呼ばれます。でも、フラッグシップってどういう意味なんでしょう? どんなスマートフォンがフラッグシップなんでしょうか?

フラッグシップモデルの一例「AQUOS R7」

仕様・性能・機能として最高級・シリーズの看板製品・戦略製品として

 あるメーカーから複数のスマートフォンが同時期に販売されているときに、機種の解説記事やレビューに「フラッグシップモデル」「エントリーモデル」やあるいは「ハイエンド」「ミドルレンジ」「ローエンド」などと記載されていることがあります。

 フラッグシップモデルは、メーカーがシリーズとして複数のモデルを市場に投入する際、仕様・性能・機能として最高級のものを採用した製品です。また、シリーズの看板製品・戦略製品として、シリーズの特徴をユーザーに印象づける製品でもあります。

 「ハイエンドモデル」という言い方をすることもありますが、メーカーによっては高性能なモデルが複数用意されているケースもあります。その中でも、特にブランドイメージを特徴づけるトップに君臨するものを、フラッグシップと捉えることができるでしょう。

 多くの場合、フラッグシップモデルは高性能な部品や素材を採用することが多く、価格も高めになりがちです。そのため、性能はもちろんですが価格もまた、フラッグシップモデルと判断する指標のひとつと言えるでしょう。

 なお、フラッグシップモデルという言い方は、スマートフォンだけでなく、たとえば乗用車や、家電製品など、さまざまな製品ジャンルで使われる用語です。

語源は軍事用語から

 フラッグシップモデルの「フラッグシップ」とは、英語ではFlagship。語源は軍事用語です。

 一連の軍艦、つまり艦隊の中で、司令が乗船し指揮を執る艦のことを指します。日本語では「旗艦」と言います。海戦の主役が帆船だった当時、船同士の連絡に使われたのが「旗旒信号」です。簡単に言えば、合図として決められた「旗」を掲げることで、それを意思疎通を図ったわけです。

 艦隊内で指揮を出す司令官を乗せた船は、隊列を組んで進む時には一番先頭を進むことになります。でなければ、旗が後続の船に見えません。ここでFlagship=最も高性能、先頭のという意味を持つことになったわけです。

 ここから長い月日が経ち、「フラッグシップ」という単語は、一般にも「主力の」「一番目の」という意味を持つようになったのです。

メーカーのカタログページでフラグシップモデルを見てみよう

 現在販売されているスマートフォンのフラッグシップモデルはどんなものでしょうか? ここではシャープ製品を例に現行モデルを見てみましょう。

 AQUOS R7は、ライカ監修1インチセンサー搭載高速AFカメラを搭載し、6.6インチのPro IGZO OLEDディスプレイ、Snapdragon 8 Gen 1を搭載。価格はドコモのオンラインショップの場合、一括払いで19万8000円となります。

 一方のエントリーモデルはどうでしょうか。AQUOS wish2は同じドコモのオンラインショップの一括払いで2万2000円。チップセットは「Snapdragon 695 5G」。内蔵メモリーはメモリーが4GBとR7の1/3に。ディスプレイは約5.7インチTFT液晶ディスプレイを搭載します。

 単純にカタログで比較できるだけでも、フラッグシップモデルとエントリーモデルにはこれだけの仕様の差があります。高価な分、最新の体験が味わえるフラッグシップモデルですが、もちろん人によってスマートフォンの使い方はさまざま。自分の用途や予算に合わせて最適な製品を選ぶと良いでしょう。

大和 哲

1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)