ケータイ用語の基礎知識
第871回:ファミリーリンク とは
2018年9月4日 06:00
「いつ、どのように子供にスマートフォンやタブレットを使わせればいいだろう」「どのようなルールを作るべきだろう」「ずるずると勝手に使わせてきたがこのままでいいのか」――こうした悩みは、世界中の保護者に共通するものではないでしょうか。
グーグルでは、子供が初めて自分のスマートフォンを使うようになったら「ファミリーリンク」を使って、デジタル機器の利用について、ルールを設定することを勧めています。
今回ご紹介する「ファミリーリンク」は、子供が使うAndroidスマートフォンやタブレットに対して、Google Playストアからダウンロードできるアプリを許可/ブロックしたり、利用時間を制限したり、リモートロックしたりできる保護者向けのサービスです。
保護者のAndroidスマートフォンもしくはiPhoneに管理用アプリケーションをインストールし、子供のAndroidスマートフォン、もしくはタブレットを子供専用の基本的なルールを設定とした端末として使わせることで、スマートフォンやタブレットをスマートに管理することができます。
アプリの許可やブロックのほか、利用時間の制限ができます。時刻、あるいは1日あたりの利用時間です。設定できます。週や月での利用頻度を「アクティビティレポート」で確認することもできます。特定の時間になったら、自動的に端末にロックをかけることができます。就寝時間や休憩時間の設定に有効でしょう。
グループの管理者(保護者)は最大2名まで設定できます。
一方、1つの端末には1人のユーザーを設定できます。つまり1台に2人分の子供のアカウントを登録することはできません。
13歳以上であれば、子供用ではなく、通常のGoogleアカウントを持つことが可能となります。そのため、子供用アカウントを作った場合、13歳になる前にこのまま大人と同じ普通のGoogleアカウントにしてよいか、メールで、の問い合わせされることになっています。
子供用にAndroid 7.0 以上の専用端末が必要
保護者がファミリーリンクを使用するには、バージョン 4.4以降を搭載したAndroid端末もしくは、iOS 9以降のiPhoneにアプリをインストールします。
そのアプリ上で、子供のアカウントを作成し、子供用の端末にセットアップします。なお、子供用の端末にはAndroid 7.0以上を使用します。
子供用となった端末では、Google PlayやYouTubeでその年齢に応じたアプリやコンテンツのみ提供をされるようになるほか、グーグルでの検索、メール、チャット、ビデオ通話などが年齢にあわせて利用できるようになります。Google Homeのカスタマイズも利用可能になります。
基本的に成人向けのサイトはGoogleのファミリーリンクではブロックされていますが、ブラックリスト方式である以上、リスト漏れはあり得ます。
ファミリーリンク端末では、写真・動画・音声・メモ・ドキュメントなどのコンテンツを作成・表示・共有・受信することは可能になっていますので、偶然、子供がこうしたコンテンツを投稿し一般に公開される可能性が全く可能性がないとは言えないでしょう。
そこで保護者用の機能としては、ブラックリスト方式ではなく、「特定のサイトのみ許可する」ホワイトリスト方式に変えることも可能です。
また、レーティング(年齢制限)で、購入やダウンロードの制限、検索設定の管理(セーフサーチなど)、アプリ権限(マイク、カメラ、位置情報、連絡先へのアクセスなど)の確認、位置情報の確認といったことも可能になっています。
ファミリーリンクでは、基本的なルールを設定できますが、これだけで全ての対策になるかといえば、そうではありません。グーグルからも「ご家族へのアドバイス」として「安全なパスワードを作成する」「コンテンツフィルタを使用する」「利用時間を制限する」「個人情報を公開しないようにする」「お子様のことを理解する」といったことが紹介されています。子供が(そして実は大人も)スマートフォン・タブレットを正しく使うには、そうして考え、話し合うことが数多くあります。ただ、そうしたときに「ファミリーリンク」は、ユーザーの一助になるかもしれません。