山根康宏の「言っチャイナよ」

シャオミが激薄折り畳みスマホを発表、vivoは格安モデル4機種投入

 世界最大のスマートフォン市場、かつ最大の5G加入者数を誇る中国で毎月発売された5Gスマートフォンを香港在住の携帯電話研究家、山根康宏が紹介する。2022年8月に発表・発売された5Gスマートフォンは10機種。内訳はvivo4機種、シャオミ2機種、その他メーカー4機種。

 シャオミは先月に引き続きフラッグシップ級モデルとして薄型の折りたたみスマートフォン「Xiaomi MIX Fold 2」を発表。vivoは1000元台の低価格モデルを4機種発表しユーザー拡大を狙う。OnePlusは150W充電モデルで急速充電をアピール、4G端末しか出せないファーウェイからライセンスを受けたTD-Techがファーウェイモデルの5G版を発表した。

1分の充電で3時間通話、150W急速充電搭載の「OnePlus Ace Pro」

 2022年4月発売の「OnePlus Ace」をアップグレードしたモデルが「OnePlus Ace Pro」。チップセットにSnapdragon 8+ Gen 1を搭載、メモリ構成はRAM容量が最低12GBとハイエンドモデルと言える構成になっている。急速充電は150Wを搭載、わずか1分の充電で3時間の通話も可能。冷却版総面積37038.775mm2という高性能な冷却機能によりゲーミング時や急速充電時の発熱を抑えられる。

製品名OnePlus Ace Pro
発表日2022年8月9日
価格3499元(約7万1000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8+ Gen 1
ディスプレイ6.7インチ2142x1080ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万+800万超広角+200万マクロ
インカメラ画素数1600万画素
RAM/ROM構成12GB+256GB、16GB+256GB、16GB+512GB
バッテリー4800mAh、150W充電(有線)
5G NR対応バンドSA : n1 / n3 / n5 / n8 / n20 / n28A / n38 / n40 / n41 / n77 / n78、NSA : n1 / n3 / n5 / n8 / n40 / n41 / n77 / n78
サイズ163.0x75.4x8.75mm、203.5g

厚さ5.4mmのウルトラスリムな折りたたみスマホ「Xiaomi MIX Fold 2」

 シャオミの折りたたみスマートフォン第二弾となる「Xiaomi MIX Fold 2」は、ディスプレイサイズを大型化しつつも本体最薄部分を5.4mmの厚みに押さえたスリムかつスタイリッシュな製品である。カメラは先月コラボレーションを発表したライカ仕様のものを搭載しカメラ性能も高い。8Kビデオ録画にも対応する。ストレージ最大容量は1TB。

製品名Xiaomi MIX Fold 2
発表日2022年8月11日
価格8999元(約18万2000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8+ Gen 1
ディスプレイ(イン)8.02インチ2160x1914ピクセル、120Hz(アウト)6.56インチ2520x1080ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万+1300万超広角+800万2倍望遠(ペリスコープ)
インカメラ画素数(アウト)2000万画素(パンチホール)、(イン)無し
RAM/ROM構成12GB+256GB、12GB+512GB、12GB+1TB
バッテリー4500mAh、67W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n20/n28/ n38 / n40 / n41 / n77 / n78 / n79
サイズ161.6x144.7x5.4mm / 161.6x73.9x11.2mm、262g

シャオミのゲーミングスマートフォン最上位モデル「Redmi K50 Ultra」

 2022年3月にラインナップを一新したシャオミの「K50」シリーズ最上位モデルが約半年後に登場、「Redme K50 Ultra(至尊版)」はSnapdragon 8+ Gen 1に1億800万画素カメラを搭載、120W充電にも対応するパワフルなスマートフォン。ディスプレイのリフレッシュレートも144Hzに高めている。モータースポーツチームとコラボしたMercedes-AMG Petronas Formula One Team Editionも投入される。

製品名Redmi K50 Ultra
発表日2022年8月11日
価格2999元(約6万円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8+ Gen 1
ディスプレイ6.67インチ2712x1220ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数1億800万+800万超広角+200万マクロ
インカメラ画素数2000万画素(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB、12GB+512GB
バッテリー5000mAh、120W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28a(UL : 703 - 733MHz、DL: 758 - 788MHz)
/ n38 / n40 / n41 / n77 / n78
サイズ163.1x75.9x8.6mm、202g

手ごろなスペックのハイデザインモデル、vivo「Y77e」

 800万画素カメラとDimensity 810を搭載し、価格を1599元に抑えたvivo「Y77e」。背面カラーをきらびやかにダイヤモンドがちりばめられたようなきらびやかな仕上げとし、グラデーションもかけることで美しさを際立てている。夏をイメージさせるさわやかな色合いと相まって、スマートフォンをアクセサリのように持ちたいユーザーをターゲットにしたデザイン特化モデルである。

製品名Y77e
発表日2022年8月23日
価格1599元(約3万2000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 810
ディスプレイ6.58インチ2408x1080ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数1300万+200万深度測定
インカメラ画素数800万画素(水滴型ノッチ)
RAM/ROM構成6GB+128GB、8GB+128GB、8GB+256GB
バッテリー5000mAh
5G NR対応バンドn1 / n5 / n8 / n28A / n41 / n77 / n78
サイズ164x75.84x8.25mm、194g

高画質カメラ搭載のバリエーションモデル、vivo「Y77e(t1版)」

 vivoの「t1版」と名の付くモデルは供給不足のチップセットを同等レベルの別のものに乗せ換えたバリエーションモデルだった。本「Y77e(t1版)」はチップではなくカメラを換装したモデル。5000万画素の高画質カメラを搭載しつつ価格を抑えた意欲的な製品である。

製品名Y77e(t1版)
発表日2022年8月23日
価格1799元(約3万6000円)
チップセットMediaTek Dimensity 810
ディスプレイ6.58インチ2408x1080ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万+200万深度測定
インカメラ画素数800万画素(水滴型ノッチ)
RAM/ROM構成8GB+256GB
バッテリー5000mAh
5G NR対応バンドn1 / n5 / n8 / n28A / n41 / n77 / n78
サイズ164x75.84x8.25mm、194g

999元の格安5Gスマホ、ZTE「Yuanghang 30S」

 ZTE「Yuanghang(遠航)30S」は1000元を切る格安クラスの5Gスマートフォン。低価格を実現するためにチップセットはUNISOCのエントリーモデルを採用、ディスプレイ解像度やカメラ品質も抑えている。

製品名Yuanghang 30S
発表日2022年8月23日
価格999元(約2万円)から
チップセットUNISOC T760
ディスプレイ6.52インチ1600x720ピクセル
リアカメラ画素数1300万+200万マクロ+200万深度測定
インカメラ画素数500万画素(水滴型ノッチ)
RAM/ROM構成4GB+128GB、6GB+128GB
バッテリー4000mAh
5G NR対応バンドn1 / n28a / n41 / n78
サイズ164.1x75.5x8.2mm、183g

価格を抑えたゲーミング対応モデル、vivo「iQOO Z6」

 vivoのゲーミングモデルの中で1000元台の低価格で登場した「iQOO Z6」。カメラは6400万画素と高画質で、充電速度も80Wと高速。iQOOブランドの製品をより広いユーザー層に広げる戦略的なモデルと言えるだろう。なおインドでも3月に同じモデル名の製品が出ているがスペックや外観も異なる別の製品だ。

製品名iQOO Z6
発表日2022年8月25日
価格1699元(約3万4000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 778G+ 5G
ディスプレイ6.64インチ2388x1080ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数6400万+200万マクロ+200万深度測定
インカメラ画素数800万画素(パンチホール)
RAM/ROM構成6GB+128GB、8GB+128GB、8GB+256GB
バッテリー4500mAh、80W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n5 / n8 / n28A / n41 / n77 / n78
サイズ164.17x75.8x8.59mm、194.6g

バッテリーを増量した格安モデル、vivo「iQOO Z6x」

 長時間駆動をウリにした「iQOO Z6x」は一般的なスマートフォンより約2割増の6000mAhのバッテリーを搭載、44W充電で50%の充電に要する時間は30分。音楽再生115.2時間、オンラインゲーム13.7時間、動画18.1時間など、電池切れや充電の心配なしに長時間本体を使用できる。カメラは5000万画素と十分高画質ながら、価格は1199元とかなり低く抑えている。

製品名iQOO Z6x
価格1199元(約2万4000円)
チップセットMediaTek Dimensity 810
ディスプレイ6.58インチ2408x1080ピクセル
リアカメラ画素数5000万+200万マクロ
インカメラ画素数800万画素(水滴型ノッチ)
RAM/ROM構成6GB+128GB、6GB+256GB、8GB+256GB
バッテリー6000mAh、44W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n5 / n8 / n28A / n41 / n77 / n78
サイズ163.87x75.33x9.27mm、204g

中国移動のクラウドスマホ「NZONE 50 Pro」登場

 中国移動のキャリアブランドスマートフォンとなる「NZONE 50 Pro」は5000万画素カメラに5000mAhバッテリーは40Wの急速充電対応と価格の割には実力の高いモデル。中国移動が提供する4TBのクラウドスペースが365日無料で使え、ストレージ不足に悩む心配も不要だ。リア・インカメラの同時録画や証明写真撮影モードなどカメラも実用性の高い機能を搭載している。

製品名NZONE 50 Pro
発表日2022年8月26日
価格1799元(約3万6000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 700
ディスプレイ6.7インチ2388x1080ピクセル
リアカメラ画素数5000万+200万マクロ+200万深度測定
インカメラ画素数1600万画素(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB
バッテリー5000mAh、40W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n5 / n8 / n28a / n41 / n77 / n78
サイズ163.3x74.7x8.4mm、195g

ファーウェイ「P50」の5Gモデル、TD Tech「P50」

 ネットワークインフラを展開するTD Tech(鼎橋通信技術)による5Gスマートフォンで、同社はこれまでにファーウェイのハイエンドスマートフォンの4Gモデルを5Gに対応させて発売している。本「P50」もベースモデルはファーウェイ「P50」。ファーウェイモデルはSnapdragon 888の5G機能を止めて4Gだけに対応していたが、TD Tech版は同チップセットそのままに5Gに対応する。

製品名P50
発表日2022年8月27日
価格4488元(約9万円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 888
ディスプレイ6.5インチ2700x1224ピクセル
リアカメラ画素数5000万広角+1300万超広角+1200万ペリスコープ3倍望遠
インカメラ画素数1300万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB
バッテリー4100mAh
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28 / n38 / n40 / n41 / n77 / n78 / n79
サイズ156.5x73.8x7.9 mm、181g
山根 康宏

 香港在住。中国をはじめ世界中のモバイル関連イベントを毎月のように取材し、海外の最新情報を各メディアで発信している。渡航先で買い集めた携帯電話は1000台以上、プリペイドSIMカードは500枚以上というコレクターでもある。