山根康宏の「言っチャイナよ」
2万円を切る5Gスマホをシャオミが発売、OPPOはReno6シリーズを投入
2021年6月10日 06:00
世界最大のスマートフォン市場であり、世界最大の5G加入者数を誇る中国。本連載「言っチャイナよ」は香港在住の携帯電話研究家、山根康宏が中国で毎月発表される5Gスマートフォンを紹介する。今回は2021年5月(および一部4月)に発表されたモデルをまとめた。vivoはマイナーチェンジモデルを多数投入し新製品を立て続けに投入、OPPOは半年ぶりにモデルチェンジした「Reno6」シリーズを投入。シャオミは5Gの格安モデル「Redmi Note 10」シリーズを中国国内でも発売した。
価格を抑えたエントリー5Gスマートフォン、ZTE「Yuanghang(遠航) 10」
ZTEが2017年まで展開していた「Yuanghang」(遠航)シリーズの久しぶりの新製品。過去のYuanghangシリーズは「遠」「航」の意味からわかるように、大容量バッテリーを搭載し長時間利用が可能なモデルだった。今回発表されたYuanghang10はバッテリー容量は4000mAhと特に大きいわけではなく、低価格な5Gモデルという位置づけのようだ。
主な仕様 | |
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発表日 | 2021年4月26日 |
価格 | 1298元(約2万2000円)から |
チップセット | MediaTek Dimensity 700 |
ディスプレイ | 6.52インチ2400×1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 1600万+500万超広角+200万マクロ |
インカメラ画素数 | 800万(水滴型ノッチ) |
メモリRAM/ROM構成 | 8GB+128GB、8GB+256GB |
バッテリー | 4000mAh |
5G NR対応バンド | 非公開 |
サイズ | 160.1×73.4×7.8mm、173g |
ゲーム利用も考えたファッション5Gスマホ、vivo「Y52s t1版」
2020年12月発売の「vivo Y52s」のチップセット変更モデルがY52s t1版だ。Y52sのメディアテックDimensity 720から、vivo Y52 t1ではクアルコムSnapdragon 480に載せ替えた。価格を抑えながらも90Hz駆動ディスプレイやグラファイトを使った冷却機構を内蔵、ファッショナブルなカラーリングでまとめた。
主な仕様 | |
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発表日 | 2021年5月2日 |
価格 | 1899元(約3万3000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 480 |
ディスプレイ | 6.58インチ2408×1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 4800万+200万深度測定 |
インカメラ画素数 | 800万(水滴型ノッチ) |
メモリRAM/ROM構成 | 8GB+128GB、8GB+256GB |
バッテリー | 5000mAh |
5G NR対応バンド | n1/n3/n28/n41(2515-2675MHz)/n77(3300-3600MHz)/n78(3300-3600MHz) |
サイズ | 164.15×75.35×8.4、185.5g |
価格を抑えたゲーミングスマホ、OPPO「K9 5G」
OPPOのメインライン「Find X」「Reno」「A」に属さない独立したモデル。ミドルハイレンジクラスの製品だが90Hz駆動ディスプレイに液体冷却機能を搭載するなどゲーミング利用も意識。フロント3200万画素カメラとセルフィーにも強く若い世代を大きく意識したモデルだ。
主な仕様 | |
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発表日 | 2021年5月6日 |
価格 | 1999元(約3万4000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 768G |
ディスプレイ | 6.43インチ2400×1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 6400万+800万超広角+200万マクロ |
インカメラ画素数 | 3200万(パンチホール) |
メモリRAM/ROM構成 | 8GB+128GB、8GB+256GB |
バッテリー | 4300mAh |
5G NR対応バンド | n1/n3/n28/n41/n77/n78 |
サイズ | 159.1×73.4×7.9、172g |
Honor独立後、3モデル目の5GスマホとなるHonorの「Honor Play5 5G」
Dimensity 800Uをチップセットに採用し、2099元からと価格を抑えたモデル。66Wの急速充電に対応しながら本体厚みは7.46mmと薄い。ただしバッテリーは3800mAと最近のスマートフォンとしてはやや少ない。
主な仕様 | |
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発表日 | 2021年5月18日 |
価格 | 2099元(約3万6000円)から |
チップセット | MediaTek Dimensity 800U |
ディスプレイ | 6.53インチ2400×1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 6400万+800万超広角+200万マクロ+200万深度測定 |
インカメラ画素数 | 1600万(水滴型ノッチ) |
メモリRAM/ROM構成 | 8GB+128GB、8GB+256GB |
バッテリー | 3800mAh |
5G NR対応バンド | n1/n28A/n41/n77/n78 |
サイズ | 161.1×74.8×7.46mm、179g |
合計2億画素カメラを搭載、天体撮影もAIまかせのNubia「nubia Z30 Pro」
6400万画素カメラ(標準広角、超広角、ポートレート)を3つ、800万画素の望遠カメラと合わせ「合計2億画素」のカメラを搭載する。NubiaはもともとZTEのハイエンド・カメラフォンとして別ブランド化された経緯があり、星空撮影可能なモデルも過去に存在した。nubia Z30 Proはその過去の製品をほうふつさせるカメラ強化モデル。中国天文台のデータベースを使い、星空撮影時には星の位置を判別し美しい天体写真を撮ることも可能。また充電は超高速な120Wに対応、144Hz駆動のディスプレイも搭載しスマートフォンとしての性能もかなり高い。
主な仕様 | |
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発表日 | 2021年5月20日 |
価格 | 4999元(約8万6000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 888 |
ディスプレイ | 6.67インチ2400×1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 6400万+6400万超広角+6400万ポートレート+800万光学5倍(ペリスコープ方式) |
インカメラ画素数 | 非公開(パンチホール) |
メモリRAM/ROM構成 | 8GB+256GB、12GB+256GB、16GB+512GB |
バッテリー | 4200mAh |
5G NR対応バンド | n1/n3/n28/n41/n77(SAのみ)/n78/n79 |
サイズ | 161.83×73.01×8.5mm、198g |
【お詫びと訂正 2021/06/10 22:27】
記事初出時、「nubia Z30 Pro」の日本円換算価格を誤って記しておりました。お詫びして訂正いたします。
vivo iQOO Neo5 活力版
2021年3月発売の「iQOO Neo 5」の姉妹モデル。iQOO Neo 5 活力版とはチップセットがSnapdragon 870であることは共通。ディスプレイは活力版が液晶でコストを下げつつ、リフレッシュレートは144Hz(無印版は有機ELで120Hz)。カメラはサブカメラの画質を無印版より落とした。液体冷却機構を搭載しゲーミング用途にも対応する。
主な仕様 | |
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発表日 | 2021年5月24日 |
価格 | 2299元(約3万9000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 870 |
ディスプレイ | 6.57インチ2408×1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 4800万+800万超広角+200万マクロ |
インカメラ画素数 | 1600万(パンチホール) |
メモリRAM/ROM構成 | 8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB |
バッテリー | 4500mAh |
5G NR対応バンド | n1/n3/n28A/n41/n77/n78 |
サイズ | 163.97×75.53×8.93mm、198.3g |
高性能カメラに曲面ディスプレイを搭載、vivo「X60 Curve Display Edition」(曲屏版)」
vivoのカメラ強化スマートフォン「X60」シリーズのバリエーションモデル。「X60」「X60 Pro」「X60 Pro+」の基本3モデルに、派生モデルとして「X60t」を2021年4月に発売したが、今回の「X60 曲屏版(Curve Display Edition)」も同様の派生モデル。X60と基本スペックは同等で、ディスプレイをX60 Proと同じ左右の角を落としたエッジディスプレイにしたモデルとなる。なお3色の本体のカラバリがあるが、華彩(いどどり)カラーモデルのみ他2色より厚み・重量が軽減されている。
主な仕様 | |
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発表日 | 2021年5月24日 |
価格 | 3499元(約6万円)から |
チップセット | Samsung Exynos 1080 |
ディスプレイ | 6.56インチ2376×1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 4800万+1300万超広角+1300万ポートレート |
インカメラ画素数 | 3200万(パンチホール) |
メモリRAM/ROM構成 | 8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB |
バッテリー | 4200mAh |
5G NR対応バンド | n1/n3/n28A/n41/n77/n78/n79 |
サイズ | 158.57×73.24×7.59(華彩)/7.69mm、176g(華彩)/177g |
1500元を切る格安5Gスマホ、vivo「Y70t」
vivoの廉価モデル「Y」シリーズ最上位機種。チップセットをExynos 880とし、カメラも超広角を非搭載、5G対応周波数も減らし1000元台半ばの価格を実現した。なおベースモデルは2020年5月発売の「Y70s」で、外部コネクタはType-CではなくマイクロUSBとなっている。
主な仕様 | |
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発表日 | 5月24日 |
価格 | 1499元(約2万6000円)から |
チップセット | Samsung Exynos 880 |
ディスプレイ | 6.53インチ2340×1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 4800万+200万マクロ+200万深度測定 |
インカメラ画素数 | 800万(パンチホール) |
メモリRAM/ROM構成 | 6GB+128GB、8GB+128GB、8GB+256GB |
バッテリー | 4500mAh |
5G NR対応バンド | n1/n41/n78 |
サイズ | 162.05×76.61×8.46mm、190g |
急速充電を強化したゲーミングスマホ、realme「GT Neo Flash(閃速版)」
2021年3月に発表した「realme GT Neo」のマイナーアップグレードモデル。急速充電を50Wから65Wに高め、35分でバッテリーを満充電可能。また本体カラーにはイエローが追加。メモリ構成もRAMは8GBから、ROMは256GBのみとrealme GT Neoより強化。最低価格も引き上げられた。
主な仕様 | |
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発表日 | 5月25日 |
価格 | 2299元(約3万9000円)から |
チップセット | MediaTek Dimensity 1200 |
ディスプレイ | 6.43インチ2400×1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 6400万広角+800万超広角+200万マクロ |
インカメラ画素数 | 1600万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 6GB+128GB、8GB+128GB、12GB+256GB |
バッテリー | 4500mAh |
5G NR対応バンド | n1/n28A/n40/n41/n77/n78/n79 |
サイズ | 158.5×73.3×8.4mm、186g |
セルフィーと充電を強化した低価格5G機、realme「Q3 Pro Carnival(狂歓版)」
realmeの低価格モデル「Q」シリーズの最上位機種「realme Q3 Pro」の仕様変更モデル。realme Q3 Pro Carnivalはrealme Q3 Proのチップセット、Dimensity 1100をSnapdragon 768Gにスペックダウンする一方、インカメラは1600万画素から3200万画素へ強化、急速充電も30Wから50Wへ引き上げた。価格は同じ1799元を維持している。
主な仕様 | |
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発表日 | 5月25日 |
価格 | 1799元(約3万1000円) |
チップセット | Samsung Exynos 880 |
ディスプレイ | 6.53インチ2340×1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 4800万+200万マクロ+200万深度測定 |
インカメラ画素数 | 800万(パンチホール) |
メモリRAM/ROM構成 | 8GB+128GB |
バッテリー | 4500mAh |
5G NR対応バンド | n1/n41/n78 |
サイズ | 162.05×76.61×8.46mm、190g |
シャオミから2万円を切る激安5Gスマホ「Redmi Note 10 5G」
1000元は切らなかったものの、1099元という業界最安値クラスの5GスマートフォンがRedmi Note 10 5G。カメラはデュアル、5G対応周波数はデュアルバンドのみ、RAM構成4GBモデルを投入し低価格化を実現。ディスプレイは30/50/60/90Hz駆動切り替え対応と高い性能を誇る。なお2021年3月にヨーロッパで発売されたグローバル版Redmi Note 10 5Gはトリプルカメラを搭載しており、仕様が異なる。
主な仕様 | |
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発表日 | 5月26日 |
価格 | 1099元(約1万9000円)から |
チップセット | MediaTek Dimensity 700 |
ディスプレイ | 6.5インチ2400×1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 4800万+200万深度測定 |
インカメラ画素数 | 800万(パンチホール) |
メモリRAM/ROM構成 | 4GB+128GB、6GB+128GB、8GB+128GB、8GB+256GB |
バッテリー | 5000mAh |
5G NR対応バンド | n41/n78 |
サイズ | 161.81×75.34×8.92mm、190g |
シャオミのコスパモデル最上位機種となる「Redmi Note 10 Pro」
Redmi Noteシリーズの最上位機種。ディスプレイは有機ELではなくIPS液晶としコストを下げつつリフレッシュレートは120Hz対応、チップセットはメディアテックの上位モデルとして高いパフォーマンスを提供。液冷機構や67W急速充電対応でゲーミング用途も視野に入れている。なおグローバルで発売中のRedmi Note 10 Proは1億800万画素カメラを搭載するなど
主な仕様 | |
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発表日 | 5月26日 |
価格 | 1599元(約2万8000円)から |
チップセット | MediaTek Dimensity 1100 |
ディスプレイ | 6.6インチ2400×1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 6400万+800万超広角+200万マクロ |
インカメラ画素数 | 1600万(パンチホール) |
メモリRAM/ROM構成 | 6GB+128GB、8GB+128GB、8GB+256GB |
バッテリー | 5000mAh |
5G NR対応バンド | n1/n3/n28A/n41/n77/n78 |
サイズ | 163.3×75.9×8.9mm、193g |
「nubia Red Magic 6R Tencent」
Nubiaのゲーミングスマートフォン「Red Magic 6」シリーズの派生モデル。中国のゲーム配信「Tencent Games」とコラボしたモデル。Red Magic 6は165Hz駆動ディスプレイを搭載するが、Red Magic 6R Tencentは144Hzと抑える一方、カメラはマクロを追加しインカメラも1600万画素にスペックアップ。Red Magicシリーズは一貫してカメラを背面中央に配置していたが、Red Magic 6R Tencentは一般的な左上に配置するデザインとなった。急速充電は中国版は50W、グローバル版は33W対応となる。
主な仕様 | |
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発表日 | 5月27日 |
価格 | 3299元(約5万7000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 888 |
ディスプレイ | 6.67インチ2400×1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 6400万+800万超広角+500万マクロ+200万深度測定 |
インカメラ画素数 | 1600万(パンチホール) |
メモリRAM/ROM構成 | 6GB+128GB、8GB+128GB、8GB+256GB |
バッテリー | 4200mAh |
5G NR対応バンド | n1(SAのみ)/n41/n28(SAのみ)/n78 |
サイズ | 163.04×75.34×7.8mm、186g |
OPPO Renoシリーズがフルモデルチェンジ、ベースモデルの「Reno6 5G」
OPPOのメインラインとなるRenoシリーズ最新モデル。Reno6シリーズの共通特徴はダイヤモンドカットを施した背面仕上げ「Reno Glow」できらびやかな美しさを演出。
またOPPO独自開発の美容アルゴリズムにメイクアップアーティストBobbi Brownと提携を行うことで、カスタムメイクアップセルフィーも撮影できる。Reno6はベーシックモデルで世界初のメディアテックDimensity 900チップセットを搭載、65W急速充電に対応。
主な仕様 | |
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発表日 | 5月27日 |
価格 | 2799元(約4万8000円)から |
チップセット | MediaTek Dimensity 900 |
ディスプレイ | 6.43インチ2400×1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 6400万+800万超広角+200万マクロ |
インカメラ画素数 | 3200万(パンチホール) |
メモリRAM/ROM構成 | 8GB+128GB、12GB+256GB |
バッテリー | 4300mAh |
5G NR対応バンド | n1/n3/n28/n41/n77/n78 |
サイズ | 163.04×75.34×7.8mm、186g |
カメラ強化の高パフォーマンスモデル、OPPO「Reno6 5G Pro」
Reno6シリーズ中核モデル。高性能なメディアテックDimensity 1200を搭載しカメラは6400万画素を含むクワッド仕上げ。Reno6同様7.8mmの薄いボディーにモーター駆動バイブレーションを内蔵しゲームプレイを盛り上げる。
主な仕様 | |
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発表日 | 5月27日 |
価格 | 3499元(約6万円) |
チップセット | MediaTek Dimensity 1200 |
ディスプレイ | 6.55インチ2400×1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 6400万+800万超広角+200万マクロ+200万深度測定 |
インカメラ画素数 | 3200万(パンチホール) |
メモリRAM/ROM構成 | 8GB+128GB、12GB+256GB |
バッテリー | 4500mAh |
5G NR対応バンド | n1/n28(703-733MHz)/n41/n77/n78 |
サイズ | 160.0×73.1×7.6mm、177g |
カメラ機能を大きく強化したRenoシリーズ、OPPO「Reno6 5G Pro+」
高画質カメラを3つ搭載したカメラ強化モデル。5000万画素カメラのセンサーはソニーIMX766で全画素位相差検出高速オートフォーカスを搭載、超広角カメラは1600万画素、望遠も1300万画素と高画質だ。またフラッシュ横に色温度センサーも搭載する。
主な仕様 | |
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発表日 | 5月27日 |
価格 | 3999元(約6万9000円) |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 870 |
ディスプレイ | 6.55インチ2400×1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 6400万+1600万超広角+1300万光学2倍望遠+200万マクロ |
インカメラ画素数 | 3200万(パンチホール) |
メモリRAM/ROM構成 | 8GB+128GB、12GB+256GB |
バッテリー | 4500mAh |
5G NR対応バンド | n1/n3/n28A/n41/n77/n78/n79 |
サイズ | 160.8×72.5×7.99mm、188g |