昨年10月の発表から、半年を経て発売されたP903iX HIGH-SPEED。HSDPA対応ということで、高速通信を活かす機能がWMV対応、ということになるだろう。これまでも携帯電話で動画を楽しむことはできた。3GPファイルを配信するサイトは数多い。一方で、WMV対応ということであれば、パソコン向けの動画配信サイトのコンテンツが利用できる可能性が高まる。Windows Mobile搭載端末であれば、すでに実現されていることだが、通常の音声端末でサポートされたことは、今後に向けて興味深いところ。パソコンとインターネットに慣れ親しんでいる人であれば、十分にその機能を活用できるだろうが、あまりパソコンを使わない人にとっては、WMV対応というだけでは食指が動かない可能性もあるだろう。
操作体系は、従来のPシリーズとほぼ同等。ただ、この時期に登場するのであれば、きせかえツールはサポートしてほしかったところ。すでに発表済のP904iでも非対応なので、内面のカスタマイズにこだわる人はここが評価ポイントになるかもしれない。また、音楽再生機能は、70時間も再生できるということで、通勤・通学時に音楽を楽しんでも、日常的な携帯電話の使い勝手にバッテリー面での悪影響はないと言える。SD-Audio楽曲を楽しむ際に「データBOX」から「ミュージック」にアクセスすると、デモ再生しかできない点は気になったところだ。
ボディサイズはやや大振りだが、奥行きのあるLED、高音質なスピーカーという点は魅力的な機能と言える。またHSDPA対応とあって、やはり通常のFOMA端末と比べれば、iモード・フルブラウザでのネットアクセスは快適と言えるレベル。これに慣れれば、通常のFOMA端末には戻れないだろう。この点は、店頭で少し触った程度では、その利便性はわかりにくいかもしれないが、ある程度長期間使うことになるのであれば、これまでのFOMA端末よりも快適ということは伝えておきたい。特に、近日発売と見られるP904iは、通常のW-CDMA方式対応であり、通信速度はP903iXのほうが上。904iシリーズ全体でもHSDPAをサポートするのは1機種のみであり、この春夏シーズンに買い替えするのであれば、購入候補の1つにして良いだろう。