HSDPAを使った「3Gハイスピード」に対応する以外は、705SCとほぼ同じ。デザインもスペックも同じで、「あれ、実は705SCもHSDPAに対応してたんじゃない?」と思うくらいだ。
HSDPAの効果はというと、正直、あまりわからない。パソコン接続時や大きなデータのダウンロード時には効果がありそうだが、ケータイ向けサイトをブラウジングしている分には、体感速度の向上は感じなかった。フルブラウザも搭載しておらず、HSDPAは対応していないよりいいが、個人的には「705SCなら気に入ったボディカラーの在庫がある」という理由で705SCを選んでも良いくらいだと思う。
メニューデザインなどはサムスン端末のもの。といっても、日本向けに作られており、国内メーカー端末のメニューとあまり変わらない。日本語入力システムは予測変換に対応するし、逆トグル入力もある。ただしメインメニューのデザインが過剰にグラフィカルなものしか用意されておらず、ちょっともっさり感があった。キビキビ動くシンプルなメニューも欲しいところだ。
デザインは良いと思う。12.9mmという薄さと85gという軽さが、なんともしびれる。ジャケットのポケットに入れておくと、思わず「アレ、どのポケットに入れたっけ」と探してしまうほど小さい。
シートタイプの数字ボタンは、やはり通常タイプのボタンに比べると押しにくさを感じるが、カーソルボタンなどは通常タイプなので、文字入力以外の操作で問題を感じることはない。
ボタンロックをかけると、スライドを閉じるとロック・開くと解除、というように使える。ロック解除は決定ボタンの長押しだ。しかし決定ボタンを長押しするよりも、スライドを開いてロック解除した方が手っ取り早い。メール作成中などでも、スライドを閉じればボタンロックがかかり、ポケットの中で送信ボタンが押されてしまうこともない。スライドはバネでアシストされるタイプで、折りたたみ端末よりも簡単に開閉ができる。すばやく開閉できるので、ちょっと気持ちが良い。
決して機能が豊富なケータイではなく、おサイフケータイや歩行者ナビゲーションなど、日本独自のサービスには対応していない。それらが必須、という人には、ちょっと選びにくいケータイだ。しかし通話とメールだけ、あまりケータイを使わないというのならば、選択肢に入れておきたい端末である。ケータイをそれほど使わない人にとって、このコンパクトさは魅力的である。コンパクトさは、メールや通話をしなくても、ポケットに入れておくだけで意味のあるスペックだからだ。