先代モデルと比べると、「あまり変化ないのかな?」と思えたN903iだったが、カメラ部がスッキリするなど、N902iSやN902iX HIGH-SPEEDとは異なる仕上がり。丸みを帯びた先端部は、開発担当者が意図した通り、持ちやすく、操作しやすい形状と思える。
実際触ってみると、プリセットのきせかえツール用コンテンツはなかなかユニーク。特にシンプルなメニュー体系である「ライトメニュー」や、直近で利用したメニュー項目5種類を記録できる「LAST 5」という機能を備えた「Mirror」など、着せ替えることで使い勝手をがらりと変更できるというのは注目に値する。1つの端末で、使い方にあわせたユーザーインターフェイスに切り替えられるところは、個人的に面白いと思った部分だ。
また、プリセットのGPSアプリはゼンリンデータコムとの協力で開発されたというもの。F903iにも同様のアプリは搭載(他の903iはナビタイム製)されているが、N903iのプリセット版はニューロポインターでの操作にも対応し、VGA+表示で精細な地図が参照できる。各機種それぞれのGPSアプリで面白い点はあるが、N903iのGPSアプリは大きな魅力としたい点だ。
VGA+対応液晶ということで、一部で精細な画質を楽しめるが、メールなどではQVGA+表示となる。VGA+よりもQVGA+のほうが描画に必要なパワーは少なくて済む、ということで動作が軽快になっているとのことだが、実際に利用してみて確かにメール作成などでストレスは感じないものの、静止画やGPSアプリなどで一度VGA+の美しさに触れると、QVGA+では満足できなくなってしまうのも事実。このあたりは、今後の進化に期待していきたい。
今のところ、903iシリーズではかなり上位に入る出来映え、という印象のN903i。少なくともこれまでのNEC製FOMA端末を利用していたユーザー、あるいは同じLinux系統のソフトを使っているPシリーズユーザーは、購入を検討して良いと思う。