ドコモのhTc Zとほとんど同じ、PDA型のスマートフォンだ。ソフトバンクの端末ではあるが、Yahoo!ケータイやS!メールなど、ケータイとしてのサービスにはほとんど対応していない。通話できるという以外は、パソコンに近い端末だ。
フルキーボードは、かなりコンパクトにまとめられているが、個々のボタンはそれなりの大きさがあって、打ちやすい。ただしボタン数はかなり圧縮されており、入力頻度が高い「ー」と「。」でコンビネーションキー入力が必要なのは気になった。ちなみにドコモのhTc Zと比較すると「。」と「、」の配置が入れ替わっている。どちらかといえば、X01HTの方が、日本語入力的には正しい選択だろう。
大きさは、W-ZERO3に比べると小さく、ジーンズの前ポケットにも押し込める。持ち運び面では、普通のケータイとしても使える端末だ。しかしサービス面では、S!メール(MMS)に対応していないなど、ケータイとしては使いづらい。たとえばメールがプッシュ配信されないので、端末側から新着メールを取りに行く必要がある。ちょっとした手間だが、ケータイとしての機動性・手軽さは大きく損なわれてしまう。
1台目のケータイとして持つならば、S!メールやYahoo!ケータイに対応しない点に注意が必要だ。一方で、2台目の端末としてカバンに入れておくならば、W-ZERO3という選択肢もある。そういった面では中途半端な印象は否めず、やはり法人用途主体ということだろう。
フルキーボード搭載のスマートフォンとしては、ソフトバンク(ボーダフォン)は今秋以降、ノキアのE61を投入すると発表している。個人的にはそちらにも期待しているのだが、705NKのフルブラウザには定額制が適用されないなど、ソフトバンクのスマートフォン戦略は、やや迷走している感がある。豊富な海外製スマートフォンは、ソフトバンクのアドバンテージでもあるので、ちゃんと力を入れて欲しいところだ。