この形、この塗装、この存在感。店頭にズラリと並ぶ携帯電話の中でも一際目を引くのがこのPENCKだ。特にメッキ塗装された「メタル」は印象的だ。メニューまわりのインターフェイスは、カシオ製端末のそれをベースにしているようで、思いのほか、すんなりと使える。LEDの光り方や独特の着信音も面白い。
ただ、実際に使っていくうちに、少し不満に思える箇所も出てくる。例えばボタン。大きめのテンキーは確かに見やすく、押し間違うこともないだろう。しかし、同じ大きめのテンキーでも、A5509Tのようなドームキーと比べると、タイピング感はイマイチで、メールをバリバリ打ちたいという人には向いていないように思える。また、カメラのレンズがちょうど指にかかる位置にあり、汚れやすい。ヘビーにケータイを使うユーザーにとっては、この辺りが気になるところだろう。
au design projectの端末だということもあり、やはり一番のウリはデザインということになる。前述の通り、「ケータイは使ってナンボ」だと思っている人にはあまりオススメできないが、どことなく飽きの来ないシンプルさがあり、1X WINにも対応していることから、1台の端末と長く付き合いたいという人には、なかなかの端末だと思う。どうしてもメタルには手を出しにくいという人は、ミルクやビターのモデルも検討してみよう。
白根
au design projectプロデュース端末。写真を見ると模様があるようにも見えるが、それはボディ表面に映り込んだカメラと撮影機材で、実際には綺麗な鏡面(曲面だが)になっている。私のようなカメラマン素人の機材と腕前では撮りきれない、綺麗なボディデザインが特徴のWIN端末だ。
中身は日立製。日立のケータイは合弁会社のカシオ日立モバイルコミュニケーションズが担当していて、メニュー周りは従来のカシオ端末と同じものになっている。デスクトップのショートカットアイコンなど、使い勝手は上々。日本語入力システムも最新のATOKで完成度は高い。カメラもメニュー周りの使い勝手は悪くないが、側面にシャッターボタンがないなど横に構えるようにデザインされていないのにもかかわらず、VGA以上のサイズは横に構える必要がある。ここがちょっと使いづらい印象だ。しかし画質も悪くなく、miniSDカードにも対応するので、簡易デジカメとしては十分に使えるだろう。
デザインは見ればわかるが、非常に個性的。機能は今冬のWIN端末水準で、使い勝手も良い。デザインで選んでも問題ない完成度だ。ただちょっとサイズが大きい。同じようなデザインのA1403Kに比べると、スペック上は少ししか違わないが、実際に手にしてみると大きいな、と感じる。買う前に必ず店頭のモックなりでサイズを確かめることをオススメする。