俺のケータイ of the Year

isal VL LGV31

isal VL LGV31

湯野 康隆 編

 MVNO各社による料金競争をきっかけにするSIMロックフリー端末の増加など、何だかんだで激動の1年だった。そんな中で筆者が2014年の1台に選んだのは「isal VL LGV31」である。

「isal VL LGV31」

 発売直後にisal VLに機種変更した筆者。正直なところ、国内3G非対応でLTEのみ対応という何とも男前な思い切った仕様だけに、「これはヤバいんじゃ……」と推測し、“人柱”覚悟の機種変更だった。仕事柄、ダメならダメでネタにできる、という皮算用もあったわけだが、その期待は良い意味で見事に裏切られた。至って普通に使えるのだ。

 スマートフォンとしては、防水、おサイフケータイ対応など、日本仕様の勘どころを押さえつつ、前モデルのisai FLからRAMを1GB増量。ストラップホールが無い、照度センサーが無い、一括8万円で高いなど、若干のマイナスポイントはあるものの、全体的には今どきのハイエンドスマートフォンとしてそつなくまとまっている。

 今年のLGは、isaiシリーズ以外にも、国内ではMVNO市場向けに「G2 mini」や「G3 Beat」といった端末を供給したり、au初のFirefox OS搭載スマートフォンの「Fx0」を出したりと、他の大手メーカーが様子見している新しい市場を目がけて端末を開発・供給する積極性を見せており、実際に儲かるのか、そこに市場があるのかどうかは置いといて、そうしたチャレンジングな姿勢に対しては素直に拍手をおくりたい。

 繰り返しになるが、国内だけではあるものの“3Gレス”という時代がついに来たか、という感慨深さもあって、isai VLを2014年の1台としたい。

湯野 康隆