クアルコムの「Snapdragon」、600/400シリーズの新製品～モデムもSnapdragonブランドに

　米クアルコムは、モバイル機器向けチップセット「Snapdragon」の新製品として、高性能でボリュームゾーン向けのスマートフォンでの採用を想定したチップセット「Snapdragon 620/618/425/415」の4種類を発表した。またモデムもSnapdragonブランドの中に含まれることになった。

　Snapdragonは、800シリーズ、600シリーズ、400シリーズ、200シリーズという分類があり、数字が大きいシリーズほどハイエンドな性能を備える。逆に数字が小さいシリーズは新興国向けスマートフォンなどでの採用を見込んだ製品となる。

　今回発表された新製品とあわせて、モデムもSnapdragonブランドの製品として、いくつかのグレードが発表された。たとえば昨年11月に発表されたモデムで、LTEのCategory 10に対応し、下り最大450Mbpsに対応する「Gobi 9x45」は、新ブランドでは「Snapdragon X12 LTE」という製品名に改称された。X12では下り最大450Mbpsのほか、上り最大100Mbps、下り通信において20MHz幅×3波、上り通信で20MHz幅×2波というキャリアアグリゲーション（CA）をサポートする。またX8 LTEは、下り300Mbps/上り100Mbps、上下20MHz幅×2波のCA、L5は下り150Mbps/上り50Mbps、下り10MHz幅×2波のCAをサポートする。

　モデムがX5～12と分類されたことで、スペックが分かりやすく、比較しやすくなる、とクアルコムでは案内する。数字が大きなものほど高性能となり、同じく高性能なチップセットとの組み合わせになるようだ。

600/400シリーズの新チップセット

　新チップセットのうち、「Snapdragon 620」と「Snapdragon 618」は、64bit対応で上位～中位クラスのスマートフォンでの採用が想定されており、2015年後半にも搭載製品が登場する見込み。どちらも、先述したモデムのうち、X8 LTEを搭載する。

　これまで800シリーズでしか利用できなかった機能が600シリーズでも利用できるようになった、という特徴を備え、たとえば4Kサイズの動画撮影や再生、クアルコムのGPUでより豊かな表現のゲームを楽しめる「Adreno」をサポートする。620は1.8GHz駆動のクアッドコアCPU「Cortex A72」と1.2GHz駆動のクアッドコア「Coretex A53」を、618はデュアルコアの「Cortex A72」（1.8GHz駆動）と、クアッドコアの「Coretex A53」（1.2GHz駆動）を採用する。

　また「Snapdragon 425」と「Snapdragon 415」は、400シリーズで初めてオクタコアを採用する製品。オクタコア（8つのCPUコア）は、中国市場で注目される要素とされており、かねてよりクアルコムではミッドレンジの「610/615」で先行してオクタコアを導入していたが、エントリー向けの400シリーズでもオクタコアを採用することになった。425はX8 LTEモデムを搭載し、2015年後半に搭載端末が発売される見込み。一方の415はX5 LTEモデム搭載ながらキャリアアグリゲーションには非対応となり、2015年前半に搭載端末が登場する。