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ママ向けアプリ「ママリ」にプレミアムサービス、KDDIが提供を支援

新規事業では「auには頼らず」、オープン化目指すKDDI

 KDDIグループのコネヒトは、ママ向けアプリ「ママリ(mamari)」にて、月額400円(税込)の「ママリプレミアム」の提供を9日7日に開始した。25日、同社とKDDIは説明会を実施し、社長の大湯俊介氏らがサービス提供の狙いを紹介した。

 「ママリ」は、出産・子育てに取り組むママ世代をターゲットとしたコミュニティサイト・アプリ。「Q&A」によるユーザー同士の交流をメインに、子育て関連の記事も配信している。新サービスの「ママリプレミアム」では、出産・育児商品のクーポン、au損害保険提供の自転車保険(最大6カ月分)、Q&Aの人気順検索、専門家監修のプレミアム記事といったサービスを、月額400円で提供する。プレミアム会員には、アプリ内から入会できる。

auとは距離を置いた運営でコアなユーザーを獲得

 ママリを運営するコネヒトは、2016年6月にSyn.ホールディングスの連結子会社となり、KDDIグループ入りしたベンチャー企業。今回のプレミアムサービスでは、KDDIグループとなったメリットを活用している。提供サービスの1つの自転車保険では、グループのau損保を活用。外部企業から提供を受けるクーポンも「KDDIの担当者と共同で調達することで、話が進みやすい」(大湯社長)という。

コネヒト 代表取締役社長の大湯俊介氏(左)とKDDI 新規ビジネス推進本部 サービス推進部 部長の大野高宏氏

 一方で、auのサービスとは直接的な連携をせず、au以外のユーザーも加入できるオープンなサービスとしての提供を貫いてきた。コネヒトの大湯社長は「当初のユーザー拡大期に、auのユーザーだけに特別な価値を提供する意味はないと考えていた」と話す。KDDIとしても、「auサービスには頼らない収益化が目標」(KDDI 新規ビジネス推進本部の大野高宏氏)という方針だ。というのも、ターゲット層となる出産・子育て期のママ層で、すでに一定の支持を獲得しているからだ。

 8月末にインテージが実施した調査によると、妊娠・出産アプリとしての認知度では1位を獲得している。ユーザーに支持される秘訣として大湯社長は「機械学習を活用」を挙げた。Q&Aの投稿を機械学習で分析し、答えられそうな質問を優先して表示することで、回答率98%という活発なコミュニティを実現。また、ベンチャーならではのスピード感を生かしInstagramやLINEなどにいち早く展開したことも、ユーザー拡大に繋がったとしている。

 独自のユーザー層を維持しつつ、今後はKDDIとの連携を徐々に深めていく。大湯社長は「“ママを支えるブランド”としてWebの枠を超えて育てていきたい」として、ベンチャー企業として手を出しづらいリアル店舗などへの展開において、auショップなどとの連携を検討すると話した。

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