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SPAJAM2017表彰式開催、スマホに触れず助けを求めるアプリが最優秀賞

最優秀賞を獲得したチーム「市川電産」

 神奈川県箱根町においてハッカソン形式のアプリ開発競技会「スマートフォンアプリジャム 2017(SPAJAM2017)」の表彰式が開催され、本選の審査結果が発表された。

 最優秀賞を獲得したのは、スマートグラスに搭載された加速度センサーで傾きを検知し、スマートフォンを操作せずに助けを呼べるアプリ「ユウキセキ」を開発したチーム「市川電産」。9日のプレゼンテーションでは、ストーカーに追われている時にちょっとしたアクションで電話がかかってくることで直接的な被害を防止したり、突然症状が発症した糖尿病患者がメールで助けを求められたりといった応用が可能なことを動画を交えてアピール。

 審査員からは「実用性が高く、シリコンバレーに持って行っても現地のアメリカ人が納得する」など、高く評価するコメントがあった。受賞した市川電産は、著名なIT企業を回るという貴重な体験ができるシリコンバレースペシャルツアーをはじめ、豪華な賞品が贈られた。

 優秀賞を獲得したのは、Twitterの投稿内容からAIであだ名をつけられるアプリ「嫌われAIの命名」を開発したチーム「RISING SUN」と、顔認識でサービスに匿名でログインし、悩み事を匿名電話で相談できるアプリ「なやんTEL」を開発したチーム「甘えん坊将軍」。RISING SUNは、デザインやインターフェイスなど、作品の完成度の高さが、甘えん坊将軍は、寸劇によるプレゼンテーション能力の高さやさまざまな技術を組み合わせていたことが評価された。

チーム「RISING SUN」
チーム「甘えん坊将軍」

 審査員特別賞は、チャットUIでAIからの質問に答えていくことで事業計画書ができ、適切なメンターに電話で相談できるアプリ「reroute」を開発したチーム「BAKAVIRUS」が獲得した。

審査員特別賞を獲得したチーム「BAKAVIRUS」

 実行委員長でヤフー 執行役員 CMOの村上臣氏は、審査を振り返り、「本当に難航した。『勇気』は難しいテーマで、いろんな解釈、こじつけもできるが、2つのパターンがあった。1つは勇気が出せない人を救う、もう1つは勇気を出したい人を助けるというもので、後者の方がポジティブ」と、受賞した作品の企画傾向を分析。

 同氏は、「惜しくも動かなかったものがいくつかあった。ハッカソンの醍醐味は、短時間でアウトプットすること。最低限、動かしてほしい。アイデアだけでは意味が無い。思いついている人はたくさんいる。世の中に出すスピード、成長させるスピードが大事で、世の中に出して初めてさざ波が立つ」と語り、ハッカソンの意義について説明した。

 また、彼女や合コンといった切り口の企画があったことについて、「セクシャルマイノリティへの配慮も必要で、日本でOKなことが海外では一発アウトだったりする。そこも考えてほしい」と、グローバルで通用するアプリを開発する上で見逃しがちなポイントについてもアドバイス。

 表彰式の終了後には参加者全員で記念撮影。アフターパーティで互いをねぎらい、3日にわたる本選イベントが終了した。