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KDDIのミャンマー事業、LTEの本格展開を開始

 KDDIと住友商事は、ミャンマー国営郵便・電気通信事業体(MPT)と共同で行っている通信事業において、新たに取得した1.8GHz帯で高速なLTEの通信サービスを本格的に展開する。5月末に3都市(ヤンゴン、マンダレー、ネピドー)で開始しており、9月末までに全国の約30都市にまで拡大する予定。

「MPT」が提供する新たなLTE通信サービス「LTE+」

 今回提供されるLTEの通信サービスは、サービス名称が「LTE+」で、ミャンマーで新規に割り当てられる1.8GHz帯の10MHz幅を利用する。4×4 MIMOにも対応し、通信速度は下り最大150Mbpsの通信速度(理論値)で提供する。

 サービス名称に「+」が付けられたのは、一部ですでに提供していたLTE通信サービスと区別するため。MPTでは2016年10月から、一部で2.1GHz帯の5MHz幅を使い、下り最大37.5MbpsのLTE通信サービスを提供していた。1.8GHz帯のLTEに新たなサービス名称を付けたのは、通信速度やサービス内容の面でも区別するためとしており、今後のLTEの本格展開も1.8GHz帯が中心になるという。

 料金プランでは、データ通信ではFacebookを中心にしたSNSの利用が活発になり、動画の利用も拡大していることから、SNSと動画専用のデータ通信容量をセットにしたプランなども提供する。

LTEの本格展開について

SNSなどでのデータ通信の拡大に期待

KDDI 理事 グローバル事業本部 グローバルコンシューマビジネス本部 本部長の岡部浩一氏

 6月19日には、都内で記者向けに、KDDIのミャンマー事業の説明会が開催された。KDDI 理事 グローバル事業本部 グローバルコンシューマビジネス本部 本部長の岡部浩一氏は、2014年の参入からこれまでに、ミャンマーにおいて携帯電話の普及率が36.6%から101.3%にまで(ほかの東南アジア諸国は120~150%)拡大する中で、MPTの契約者数は約4倍の約2300万件になり、3Gおよび2Gの人口カバー率が49%から96%に、データ通信の利用も約10倍に拡大したことなどを明らかにした。ブランド調査やデータ通信速度の調査でも好調とし、LTEの本格展開でさらにはずみを付けたい考え。

 同氏からは、店舗の内装から業務の仕組みまで、さまざまな部分を刷新し効率化やサービス品質の強化に努めている点や、CSR活動として飲料水の配布やパソコン教室の提供といった活動も紹介。

 ミャンマーは人口約5000万人で平均年齢が28.6歳と若いこともあり、岡部氏は、LTEの本格展開についても「データの利用は今後も期待ができる」と語る。まずはエリア、速度、料金という基本的な要素で競合他社と競争し、その後は実店舗や顧客満足度などの付加価値もポイントになると指摘し、長期的に取り組んでいく姿勢を見せている。

 なお、政府から国土面積に対してエリアカバー率の達成が指定されている点については、ミャンマー北部の紛争地域や山岳地帯において、基地局の展開が困難になっていることから、政府と協議する必要があるとしている。