【Mobile World Congress 2017】

Psionの魂を感じる「Gemini PDA」のモックアップを触ってきた

Gemini PDA

 Mobile World Congress 2017の併設イベントで、スタートアップ企業を対象とした「4YFN」(4 Years From Now)の会場で、イギリスのスタートアップメーカーのPlanet Computersは、QWERTYキーボード搭載の小型ハンドヘルドAndroidデバイス「Gemini PDA」のモックアップモデルを展示している。

 Gemini PDAは、MWCにあわせて、Indiegogoでクラウドファンディングプロジェクトがスタートしたばかりのデバイス。プロジェクトスタートから2日程度で約600人の出資を集め、20万ドルのゴールも突破して製品化が決定した。

キーボードはむかしながらの形状

 タッチタイピングが可能なフルキーボードを搭載しているのが最大の特徴だ。同様デザインの名デバイス「Psion」のデザイナーと提携しているという。また、Wi-Fiモデルだけでなく、4G+Wi-Fiモデルの2種類があり、4G+Wi-FiモデルはVoLTEにも対応するというれっきとしたスマートフォンとなっている。

 展示されていたのは非稼働のモックアップだったが、キーボードは実物と同じように押すことができ、本体を閉じるときにキーボードも薄くなるという機構も実現していた。キーストロークもしっかりした深さが確保されている。

キーボード配列

 キーボード配列は一般的なQWERTY配列だが、アルファベット以外のキーは一部が省略されていて、日本語入力で利用頻度の高いハイフン(-)キーが存在しない。ブースの担当者によると、各国の言語に合わせたキーボードにカスタマイズできるとのことだが、実際に日本語に対応するかは不明だ。

 ディスプレイは5.7インチ2880×1440ドットの2:1横長で、タッチスクリーンに対応する。OSにはAndroidを採用するが、Ubuntu Linuxとのデュアルブートも可能。チップセットはMediaTekのHelio X25で、最大2.5GHzの10コア構成。システムメモリは4GBで内蔵ストレージは64GB。本体のサイズは171×80×13mmで重さは412g。

折りたたむと画面は見えないが、片手で握れるサイズになる

 クラウドファンディングプロジェクトなので、「購入」という形式ではないが、たとえば600個限定の「The Gemini Early-bird Special」コースは、Wi-Fiと4G通信に対応するモデルが通常価格より250ドル引きの349ドル+送料で、11月出荷となっていたが、すでに売り切れ。現在は399ドル/限定5000個のコースになっている。

 ブースの担当者によると、必要な各国の認証の取得を予定しており、日本についても検討しているという。ただし発売がまだ先ということもあり、初期出荷時から取得しているかはわからないとのこと。また、Wi-Fiモデルは問題ないが、LTE内蔵モデルについては、日本で使われている帯域に対応するのは難しいとのコメントもあった。

側面にUSB-Cポートがある
折りたたむとキーボードがあるとは思えないくらい薄くなる