富士通、虹彩認証機能搭載のスマホ試作機をMWCで披露

　富士通は、虹彩認証機能を搭載したスマートフォンの試作機を開発し、Mobile World Congress 2015で披露すると発表した。同機能を搭載した端末は、2015年度中にも登場する予定。

赤外線を使用した虹彩認証の仕組み

　フィーチャーフォンやスマートフォンに指紋認証機能をいち早く搭載してきた富士通だが、近年、アップル、サムスン、ファーウェイといった海外メーカーが同様の機能をスマートフォンに搭載しはじめたことで、同社の独自性が薄れてきていた。そこで今回搭載するのが虹彩認証機能となる。

　虹彩認証は、人間の目の瞳孔の外側にある虹彩のパターンを認識し、本人確認を行う生体認証技術。富士通では、スマートフォンの前面に専用の高出力な赤外線LED照明と専用の赤外線カメラを搭載することで、これを可能にした。赤外線を使用するため、インカメラを使った顔認証機能などとは異なり、暗い場所での認証も可能。

　従来は目とセンサーを10cm程度まで近づける必要があったが、Delta ID社が開発した虹彩認証エンジン「ActiveIRIS」を採用することで、通常のスマートフォン使用時のような距離でも認証が可能となっている。また、光生物学的安全性試験（IEC 62471）を実施することで赤外線LED使用時の目の安全性も確保している。