【CES 2016】

ファーウェイ、「Mate 8」「MediaPad M2 10.0」などを発表

スマホシェアで“アップル超え”も宣言

3つの新製品を発表。「Nexus 6P」にも、新色が加わる

 ファーウェイは、「CES 2016」に合わせ、1月5日(現地時間)に記者会見を開催。中国で先行発売していた「Mate 8」のグローバル版や、日本に投入予定の「MediaPad M2 10.0」、「Huawei Watch」の女性向けエディションを発表した。

業績好調でアップル超えを宣言したリチャード・ユーCEO

ファーウェイのコンシューマビジネスグループCEO、リチャード・ユー氏

 会見では、まず、同社のコンシューマービジネスグループCEO、リチャード・ユー氏が、2015年の業績を振り返った。2015年の売上は前年比で70%増、200億ドルを達成したという。スマートフォンの出荷台数もうなぎ上りで、前年比44%増。初の1億台を突破した。

収益、出荷台数とも、急激に成長している
2015年9月時点でのシェアは3位

 現在、同社の市場シェアは、グローバルで9.7%。サムスン電子、アップルに次ぐ、3位につけている。これに対し、ユー氏は「出荷台数は毎月増えている。このままいけば、2年以内に2位になる」と語り、アップル超えを宣言した。

 地域ごとに見ても、ファーウェイの成長率は非常に高くなっている。本拠地である中国はもちろ、スペイン、ポルトガル、フィンランド、ポーランド、ニュージランド、ペルー、コスタリカでは、2桁成長を実現。こうした躍進の基盤となる店舗も増やしており、海外では3万4000店を超える「ファーウェイショップ」を開設している。

地域別に見ても、シェアは着実に向上している
ファーウェイショップも、3万4000店を超えた

 「MAKE it POSSIBLE」のキャッチフレーズで、大々的なマーケティングキャンペーンを行ってきた結果、ブランド認知率も向上。2015年では、グローバル全体で76%の認知を得ることができたという。とりわけ、本拠地の中国では97%と非常にメジャーな企業になっており、ブランド力が向上していることがうかがえる。

 こうした業績面での成果を強調した上で、ユー氏は昨年投入したフラッグシップモデルを紹介。日本で販売されている「P8lite」の上位版である「P8」や、年末に投入された「Mate S」、同社初のAndroid Wear採用端末「Huawei Watch」を披露したあと、「2016年はもっと創造していく」と抱負を語り、新製品の紹介を行う、プレジデントのケビン・ホー氏にバントを渡した。

ブランド認知度は、76%に向上
昨年投入したフラッグシップモデル。「Mate S」「Huawei Watch」は、日本でも発売された

「Mate 8」「MediaPad M2 10.0」「Huawei Wath」を発表

6インチの大画面スマートフォン「Mate 8」

 ホー氏は、4つのカテゴリーに分け、新製品を紹介した。

 中でも時間を割いたのが、フラッグシップモデルとなる「Mate 8」。同端末は2014年に発売された「Mate 7」の流れをくむ大画面なスマートフォンで、6インチのディスプレイを搭載。オクタコアチップの「Kirin 950」を採用しており、背面には指紋センサーも搭載する。また、ソフトウェア的にもセキュリティを強化し、パスワード入力時に専用のキーボードを利用できる仕掛けも組み込まれている。ホー氏は「サードパーティのキーボードを使って、情報が抜かれる心配がない」と自信をのぞかせた。

ボディは金属製で、質感も高い
オクタコア、64ビットの「Kirin 950」を採用。メモリ(RAM)も上位モデルは4GB
高いパフォーマンスを誇る一方で、放熱構造にも気を配った。ホー氏は「他のチップのように熱くならない」と語っている
背面には、指紋センサーを搭載

 3つのマイクが搭載されていたり、ホワイトボードなどのドキュメント撮影時にゆがみの補正を簡単にかけられたりと、ビジネス向けの機能も充実。カメラには、光学手振れ補正を採用しており、ソニー製の1/2.8型センサー「IMX298」を搭載している。本体にはメタルを採用しており、仕上げにもこだわっているのが特徴となる。

3つのマイクや、スライド補正機能も搭載
一次販売国に、日本は含まれていなかった

 Mate 8は、すでに中国で投入されているが、グローバル版の一次販売国も発表された。残念ながら日本の名前は挙がっていなかったが、ファーウェイ関係者によると「販売されないことが決定したわけではない」という。Mate 7やMate SをSIMフリーモデルとして投入してきた実績があるだけに、今後の展開にも期待しておきたい。

音にこだわった10.1インチの「MediaPad M2 10.0」

 一方で、タブレットの「MediaPad M2 10.0」は、日本が一次販売国に含まれていた。このタブレットは、「音」にこだわりを持ったモデルで、「harman/kardon」とのコラボレーションを行っている。ディスプレイサイズは10.1インチ。本体下部には指紋センサーを備えており、2048段階の筆圧を検知するペンにも対応する。

こちらは日本での発売を予定
本体下部のベゼルには、指紋センサーを搭載する
2048段階の筆圧検知が可能なペンに対応。画面を切り取って、文字を書きこむ機能を利用できる

 また、日本で発売中の「Huawei Watch」には、女性向けの2バージョンが加わる。「Huawei Watch Jewel」と「Huawei Watch Elegant」がそれで、前者に関しては、スワロフスキーのクリスタルがベゼル部分に散りばめられている。外観のデザインに合わせた専用のウォッチフェイスも内蔵しており、発売中のHuawei Watchとは、見た目の点で大幅な違いがある。OSにはAndroid Wearを採用。スピーカーを搭載し、Android Wearとしては初の通話機能(Bluetoothでペアリングして時計側に音声を飛ばすことが可能)にも対応する。

 このほか、発売済みの製品であるGoogleブランドの「Nexus 6P」には、「マットゴールド」という新色が加わった。日本ではソフトバンクがゴールドを取り扱っているが、これは、地域限定のスペシャルエディションという位置づけだった。

スワロフスキーのクリスタルを散りばめた、「Huawei Watch Jewel」
ゴージャス感を抑え気味にした「Huawei Watch Elegant」も発売
女性に向けに、専用デザインのウォッチフェイスも内蔵する
「Nexus 6P」には、「マットゴールド」が加わった

石野 純也