国内法人モバイル市場予測、スマホ普及が遅れる懸念


 IDC Japanは、国内市場のおける法人向けモバイル市場の予測を発表した。

 IDC Japanによれば、携帯電話やスマートフォン、タブレット、モバイルWi-Fiルーター、データ通信端末などの法人向け市場におけるデータ通信と音声通信の売上高が2012年に前年比9.4%増の5416億円になるという。また、2016年には6021億円に達し、2011年~2016年における年間平均成長率は4%と予測している。

 2011年、ユーザー1人あたりのデータと音声の通信収入(ARPU)は、携帯電話において、前年の3316円から2717円に減少している。その一方、スマートフォンのARPUは4281円から5730円に上昇しており、ARPUの差が3000円以上も開いている結果となった。

 また、法人向けのモバイル市場は、2012年、携帯電話が1160万人、スマートフォンは186万人、データ通信端末が94万人、モバイルWi-Fiルーターが65万人、タブレットが63万人となり、合計で1568万人の市場と予測している。

 さらに2016年には、携帯電話が726万人に対して、スマートフォンが773万人と逆転。データ通信端末が77万人、モバイルWi-Fiルーターが118万人、タブレットが188万人となり、合計1881万人になるとしている。

 こうした中で、IDC JapanのPC、携帯端末&クライアントソリューション グループマネージャーの片山雅弘氏は、法人市場で携帯電話からスマートフォンへの移行が進まない要因について、月額利用料が携帯電話と大きくかけ離れている点を挙げている。同氏は、「月額利用料が携帯電話に近づくか、スマートフォンを利用する価値がユーザーに理解されなければ、普及がさらに遅れる可能性がある」としている。

 




(津田 啓夢)

2012/10/30 19:36