本日の一品
3Dゲーム・アニメ鑑賞を楽しめるAndroidタブレットを8000円未満で!
(2015/12/24 06:00)
今回は、筆者が最近買った「可搬型電子娯楽板弐號」こと、BLUEDOTの格安7インチタブレット「BNT-71W」を紹介したい。安かったが、これがなかなかコスパの高い、使えるAndroidタブレットだったのだ。
「弐號」なのは、筆者が常用していたタブレット「Nexus 7(2013)」がスイッチを入れても全く反応しない「文鎮」状態になってしまい、その代替機として購入したからだ。修理に出すともう一台Nexus 7が買える程度の費用がかかるそうで、ならばと、それより安くあげられるこいつの購入に踏み切ったわけだ。
そう、この「BNT-71W」というタブレットは、安い。Nexus 7(2013)のWi-Fiモデルが発売から2年経っているにも関わらず、だいたい1万6000円~2万円程度で売られているのに対し、こちらはメーカーのWebサイト直販価格で税込8000円弱。アキバの怪しいお店で売っている、妖しげな中華タブレットとあまり変わらない値段なのである。
しかし、使ってみると、安いのにこの機械、案外快適なのだ。
筆者にとってAndroidタブレットの用途は、「電子娯楽板」と名付けた通り、エンタテインメント方面にある。何枚かタブレットを買ってみて思ったのだが、この方面は断然Androidが強い。逆に、原稿の執筆など、仕事方面では圧倒的にWindows機に分がある。
購入以来、この「BNT-71W」で就寝前のアニメ鑑賞や、原稿を書く合間に「アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ(デレステ)」「ねこあつめ」といったゲームのプレイ、電車移動中にKindleで読書、Amazon Musicで音楽鑑賞などに使っているのだが、全く問題なく使えている。うん、この用途にはこのクラスでいいのだ。
寝そべりアニメ視聴に好都合なことに、このタブレットの画面は公表スペック「視野角178度」との通り、かなり斜めからでも画像がハッキリ見える。ちなみに使われているのはIPS液晶でデフォルトのコントラストが若干低めだが、「MiraVision」機能で表示をピクチャーモードに設定すれば色もクッキリする。デジタル補正による輪郭強調だが、このクラスのタブレットでもこれだけちゃんと見えるのだと思うと、ちょっと感動できる。
まぁ、もちろん、安いタブレットなので、筐体はいかにもこの価格帯という感じのプラスティックボディだし、搭載メモリは1GBのみ。バッテリー容量も2400mAhと少なめだ。microUSBやヘッドフォン端子などが並んでいる筐体側面には、なぜか、使われないACアダプタ用とおぼしき謎の穴が空いていたりする。
それから、安いと言うことは部品点数が少ない、ということでもある。
このタブレットには、音量を調整するボリュームボタンがない。どうやって音量を調整するかというと、画面にホームや戻るボタンと並んで音量ボタンも表示されるので、これをタップする。
ちなみにほかの機種では「電源」+「音量下げ」押しで行う画面キャプチャも、ボタンも画面に表示され、これをタップすることでできる。物理キーの同時押しが苦手な筆者には、これはかえってありがたい。コストダウンの良い副作用と言っておこう(苦笑)。
「BNT-71W」の画面解像度は1024×600ドットと、Nexus 7(2013)の1920×1200ドットに比べると粗い。Kindleでの読書には最低限の解像度だろう。実際、この解像度はAmazonが提供している「Fire」の最廉価版と同じだ。
ゲームプレイに関していえばは、「デレステ」や「ねこあつめ」は全画面でプレイする仕様なのでこの解像度でも問題ない。アニメ鑑賞も、残念ながらHD画質には対応できないが、dアニメストアの「すごくきれい」やアマゾンプライムビデオの「SD・最高画質」での視聴ならSD画質なので大丈夫だ。
そして、アニメやドラマ鑑賞の際に気になるのが音質だろう。音質が悪いと鑑賞も興ざめしてしまう。
実を言えば、このタブレット、搭載しているアンプの性能なのか、標準設定では音質は残念ながらあまり良くはない。特に、音楽を聴いていると、ドラムがPSGノイズのような「ザッ」という音に聞こえてしまうことさえある。が、CPUにMediaTek製品を使っていることもあって、イヤフォンを使って音を聞くときに、同社製の音声強化機能「BesAudEnh」を利用できる。
この機能はFreetelのスマートフォン「MIYABI」や、レノボ製のタブレット「Lenovo TAB2」にも搭載されているのでご存じの方もいるだろう。イヤフォンで聞く音を加工し、最適音質で再生するという技術だ。これを使うと、倍音付加加工でもしているのか、人の声や効果音が強調されて非常に聞き取りやすくなる。
「できるだけオリジナルの音に近い音を臨場感をもって」聴きたいオーディオファンには受け入れられないかもしれないが、多少デフォルメでもエッジの効いた音をハッキリ聴きたいというような用途には、このBesAudEnhは非常に有用だ。イヤフォンを使ってドラマやアニメを鑑賞したり、デレステでリズムのタイミングに合わせて画面をタッチしたいという方面にはまさにうってつけの機能だと言って良いだろう。
そうそう、デレステと言えば「ゲームプレイ中の背景で、かわいい3Dのキャラクターが動く」ことで知られているゲームだが、この低価格のBNT-71Wでも、プレイ中にキャラクターを動かすことができる。
3Dモデルを動かすとなるとマシンパワーが要求されるのではと思うが、「3D・標準画質」でプレイできている。ごくまれに引っかかるような動きをすることもあるが、基本、スムーズだ。もしかすると、筆者がまだプレイを始めたばかりで、難易度の低い面だけでそうなのかもしれないが。
CPUにMediaTek製で最大1.3GHz駆動の4コアの「MT8163V」を搭載、GPUは「Mali-T720」。Antutuベンチマーク値は28000程度で、2015年現在のハイエンド機と比較するとかなり劣るが、Nexus 7(2013)や、現在9千円弱で売られている廉価版「Fire」との比較で3割増くらいだ。
数字から考えると厳しそうな気もするのだが、これで3Dのしまむらさんやしぶりんがそれなりに動くのは、画像解像度の低さが幸いしているのか、それともあるいはMali-T720とこのゲームの3D表示機能の相性がいいのかもしれない。
なお、このタブレットのゲームプレイでの障害としてはどちらかというと画面周りなどよりも、通信速度の遅さの方がネックとなるように思う。Wi-Fiは、2.4GHzのIEEE 802.11b/g/nのみ対応で、筆者のような集合住宅住まいでは周波数帯が混雑のせいか、十分な速度が出ない。特にデレステのようにダウンロードデータの多いゲームでは、待たされる時間がかなり長くなるのがつらい。
用途を選ぶ機種ではあるが、とりあえずドラマ・アニメ鑑賞やライトゲームなどが中心で、安い7インチタブレットを試してみたいというのであれば、この機種は割とオススメだ。今まで書いたようにその手の用途には適する特徴を持っている。
なによりこの機種のメーカーのBLUEDOTは、この手の安価なタブレットを販売しているメーカーとしては、メーカーサポートがかなりちゃんとしているのだ。特にTwitter担当はレスポンスもいいし、実際にこの機種をちゃんと使い込んでいる。
実を言えば、筆者の購入した初期ロット版では、画面制御のソフトウェアに不具合があり、輝度の調整ができなかったり、表示アイコンがぼやけていたりといった問題があった。が、メーカーのBLUEDOTは、Webサイトで発売当時にファームウェア改善の予定を表明し、改善されるまでの回避方法を掲載したり、Twitterでユーザーからの問いに答えたりと、小回りの効いた丁寧なサポートをしてくれている。これならば、少々の不具合があっても不安は少ないはずだ。
メーカーサイトにある「BLUEDOTフォーラム」でも、発売以来ユーザー同士でさまざまな問題報告や、その解決法の書き込みがされているので、何かあったときにはそちらも見てみるといいだろう。
この「BNT-71W」というタブレット、エンタメ用途に使う安いタブレットを探しているならちょっとオススメしたい一品だ。
製品名 | 販売元 | 購入価格 |
---|---|---|
BNT-71W | BLUEDOT | 7980円(税込) |