本日の一品

室温異常を外出先までメールで知らせてくれるネットワークカメラ

 プラネックスの「カメラ一発」は、パンチルトに対応したネットワークカメラだ。パソコンはもちろんスマホからも上下90度、左右180度の視点のコントロールが行え、さらに外出先からの閲覧にも対応するので、自宅の室内の様子を外出先からチェックするのに向いている。

本体外観。カメラ部がスモーク状のドームに覆われた構造。画素数は100万画素と、このクラスとしては標準的
正面。中央の複眼状の部品が赤外線センサ、その左右が赤外線LED、中央下が温度センサー。このほかマイクや光センサーも備える
側面に挿入したmicroSDカード、もしくはLAN上に設置されたNASへの録画が可能
背面。ネジ穴はこの背面のほか底面にも用意されている
底面。LANポートを用いた有線接続のほか無線接続にも対応。本体の向きを上下反転させて設置することも可能

 パンチルトに対応し、自宅外からスマホで見られるという条件だけなら、実売3万円台の本製品よりも安価な製品は存在するが、筆者が目を留めたのは、実はカメラ機能そのものではない。本製品が備える「温度検知機能」が、この価格帯の製品にはあまりない、特徴的な機能だからだ。

 この機能は、あらかじめ設定した室温の範囲を超えると、登録したSMTPサーバーを経由して、指定のメールアドレスに警告メールが届くという仕組み。うっかり暖房器具をつけっぱなしにして外出し、室内が異常な高温になっても、火災などの事故につながる前に外出先で通知を受け取れるというわけだ。コンセントのトラッキング現象なども、それ自体を防止することはできなくとも、取り返しがつかない事態になる前に未然に手を打つのに役立つ。

設定画面。温度検知のほか、動体検知、人体感知などをトリガーにメール通知や音声アラームが行える。通知する時間帯は任意に指定できる
温度の範囲は自由に設定可能。ここでは30度を超えるとメールで通知されるように設定している
実際に届いたメール。文面のカスタマイズこそできないものの、メールに添付されるカメラ画像を見ることで、室内のステータスを手軽に把握できる
スマホから閲覧したところ。通常はカラー画像だが、暗所では赤外線による白黒画像に切り替わる。わずかに明かりが差し込んでいる程度でも室内の様子はじゅうぶんに分かる

 温度異常をメールで通知してくれる機器はほかにもあるが、警告メールの送信にパソコンが必須だったり、あるいはパソコンは不要だが本体価格がもう1ケタ上だったりと、個人レベルで導入するのに適した製品は皆無と言っていい。本製品はこれらの条件をクリアしているほか、さらに赤外線による人体感知センサーや、画像解析で動体を検知する機能も備えており、これらと連動してmicroSDカードやNASへの映像の記録も行える。温度検知のみで3万円はさすがに躊躇するレベルだが、長期不在中の防犯用途も兼ねて購入するならば、納得の行く価格だ。

 通知機能の設定画面が複数に分かれており少々わかりにくい点など、ツッコミどころはなくはないが、無線と有線のどちらでも接続でき、据え置きと壁掛けのどちらにも対応できるなど、パンチルト対応ネットワークカメラとして押さえるべき点はしっかりと押さえており、大きな欠点もない。家庭用のネットワークカメラには珍しく、カメラ部がスモーク状のドームに覆われた構造で、見られていることを意識しにくいのも利点だ。筆者のような目的以外にも、ペットや高齢者など、外出先から自宅を見守る必要のある人におすすめしたい製品だ。

製品名販売元購入価格
カメラ一発!(CS-W70HD)プラネックス3万4800円

山口 真弘