低価格ながら本格派のアナログオーディオミキサー「XENYX 802」

BEHRINGER「XENYX 802」

　YouTubeやニコニコ動画、ニコニコ生放送にUstreamなど、誰もが手軽に動画を配信できる現在。影響を大きく受けているのが音楽機器の世界だ。ありとあらゆる動画や“実況”が生み出されている今の状況は、制作のための機材に特需をもたらしているらしく、機能が充分で、かつ低価格な製品が増えているのだ。今回紹介する「XENYX 802」もそんな製品のひとつ。BEHRINGER（ベリンガー）製のオーディオミキサーである。

　XENYXシリーズは豊富なラインナップを誇っており、現在、一番安いエントリー機種は実売で3000円を切る価格帯で販売されている。筆者が今回購入した「XENYX 802」も、購入価格は3950円。それでもスペックはちゃんとしたもので、モノラル2チャンネル（マイク入力兼用）/ステレオ2チャンネルのメイン入力に加えて、サブにTAPE IN入力も装備している。出力はメイン/モニター合わせて2チャンネル、さらにヘッドフォン出力を装備し、こちらもサブにTAPE OUTを装備。ほかにエフェクター用入出力も備えている。

　購入の決め手となったのがイコライザー。低価格な製品では省略されがちなmidレンジも調整が可能だ。アマチュアレベルでは充分満足できる仕様で、昔なら1万円以上してもおかしくないスペックである。筆者はDJ機器接続のため購入したのだが、買い揃えたオーディオケーブル代で、本体価格の倍になってしまい気が遠くなった。隔世の感である。また安さだけでは無く、本体がコンパクトなのも魅力。会場にはほかのDJ機器も一緒に運ばなくてはならないため、大きめのカバンなら充分収まるサイズの「XENYX 802」はベストなチョイスだと満足している。

　デジタルな連携の無いアナログミキサーながら、「XENYX 802」はサイズ的にPCの横に置いても使いやすい。電源スイッチが省略されていたり、作りの甘さか、置いた際にガタツキがある、など値段相応の所もあるが、機能には充分満足。XENYXシリーズは802だけでなく他の機種もコストパフォーマンスの良さから、動画作成関連サイトなどで軒並み評価が高く、売れているようだ。高価だった音楽機器の価格破壊が、ネット動画の普及により進んでいくのは大歓迎、もっと手軽で面白い製品がどんどん登場してくるのを楽しみにしている筆者である。

コンパクトかつ薄型	入出力は標準フォンジャック、サブのCD・TAPE IN/OUTにRCAピンジャック
手持ちのPCDJ機器やiPadと組み合わせて使用。コンパクトかつ必要充分の機能で使いやすい