本日の一品
気難しいけどリーズナブルなスマホ用VR動画撮影カメラ「Eye-Plug」
2016年9月15日 06:00
全方位を撮影する360度カメラ「THETA S」や「Gear 360」のレビューを見かけるたび、VRに対応したパノラマ動画を撮影するのは面白そうに感じる。自分でも撮ってみたいと思いつつも、360度カメラはどれも高価で手が出しづらい。せめてVR動画を撮影できる安価なアイテムがないだろうかと探し、今回紹介する「Eye-Plug」に行きついたのであった。
本製品はmicroUSB端子を有し、Androidスマートフォンに直に接続して使う。スマートフォン本体のカメラと装着した本製品とでデュアルカメラ化し、2つの映像が水平に並んだ3D動画を作成できる、シンプルかつ力技な仕組みだ。価格は5000円程度と、比較的お財布に優しい。
価格は安めだが、すべてのAndroidスマートフォンで使えるわけではない。製造元のWEEVIEWによると、microUSBポートが本体下部にある機種に限られ、サイドに位置していると撮影できない、としている。これは本製品とスマートフォンカメラの向きが合わず、3D動画が作れなくなってしまうからだろう。また、端末がUSB-OTGをサポートしていること、搭載OSがAndroid 4.4以上であることも条件として挙げられている。
これくらいの条件なら手持ちのZenFone 2がすべて満たしているから大丈夫だろうと思い、3D撮影に使う専用アプリ「Eye-Plug 3D」をインストール・起動してみると、「未対応のカメラです」との表示が……。一応動くことは動くのだが、解像度は640×480ドットで固定されてしまう。本来ならば解像度は最大1280×720ドットで撮れるはずなのだが……。今時のスマートフォンでこの解像度はつらいものがあるため、ZenFone 2での使用は断念。
今度はメインで使用しているHUAWEI P9を使ってみる。もとからデュアルレンズ搭載なうえ、ポートはUSB Type-C型と、不具合が起こりそうな要素満載なのであえて装着しなかったのだが、変換アダプターを使って接続したところ、何の問題もなく撮影できた。なんでだ……。
アプリを起動すると、本製品とスマートフォンのカメラ映像のプレビューが表示される。それぞれの映像は当然ながら画角にズレが生じているが、数秒待つと自動で調整してくれる。色味は調整できないので、その違いが不自然に感じそうだと思っていたが、実際にVRゴーグルを装着して動画を鑑賞すると、意外と気にならない。撮影した動画の出来栄えにも左右されるが、ほどほどの没入感が得られた。なお、動画を撮る際は被写体から90cm以上離れないと3D動画にしてくれないため、小物よりは人や風景を撮る方が向いている。
動画アプリだけでなく、撮影後にフォーカス位置を変更できる写真アプリ「Eye-Plug Photos」も用意されている。動画アプリの条件に加え、背景が単調だと処理を実行できない仕様。HUAWEI P9の写真アプリにはもともと同様の機能「ワイドアパーチャ」が搭載されているので、筆者としては正直そこまで頑張る必要はないのだが……。
フォーカス位置を変更した後にアプリがボケを加えてくれるが、ボケていない部分との境界がわかりやすく、どうしても違和感を覚える。この不自然さはHUAWEI P9でも感じていることなので、自然なボケを作りだすのは技術的にまだ難しいのだろう。ちなみに、こちらのアプリはZenFone 2でも使用できた。
撮影シーンがある程度限定されてしまうが、VR動画の撮影や、HUAWEI P9の「ワイドアパーチャ」、iPhone 7 Plusに搭載予定の「被写界深度エフェクト」っぽい機能を手持ちのAndroidスマートフォンで試してみたい、という要望を叶えてくれるユニークな製品であることは確かだ。
製品名 | 販売元 | 購入価格 |
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Eye-Plug | ドスパラ | 4629円(税別) |