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 今年の5月発売以降の端末から、3キャリアでSIMロック解除に対応するようになった。auではこれまでSIMロック解除に対応していなかったが、4月発売の「Galaxy S6 edge SCV31」より全機種でSIMロック解除に対応することとなった。

SIMロック解除判定ページ

 このSIMロック解除、3キャリアとも「購入後6カ月経過後」という条件を設けているが、各社で細かい条件に違いがある。例えばNTTドコモでは、過去にSIMロック解除履歴がある回線ならば、6カ月を待たずにSIMロック解除できる。そしてauでは、3キャリアで唯一、「auでの購入履歴がある端末」ならば、購入者本人以外でもSIMロック解除に対応するとしている。

 つまりauでは、中古で販売されている端末、いわゆる「白ロム」でも条件を満たせばSIMロック解除に対応するということ。KDDIが公開しているSIMロック解除の案内ページでは、端末に割り当てられた「IMEI」を入力することで、SIMロック解除が可能かどうかと、解除が可能になる時期について知ることができる。

 筆者は先日、とある中古携帯ショップに立ち寄った。そこでauの「Galaxy S6 edge SCV31」を発見。店員さんの許可をもらった上で、件のSIMロック解除の案内ページでその端末のIMEIを入力して調べてみた。すると、その日の翌週にはロック解除できることが判明。「SIMロック解除を試してみたい……」という不純な(?)動機から、購入してしまった。

購入時の判定状態。解除可能になる日が表示される

 そして翌週、案内ページの表示「○」つまりSIMロック解除に対応となった。ユーザー自身が購入した端末なら、そのままWeb上でSIMロック解除の手続きができるが、白ロムの場合はauショップでの対応となるようだ。

SIMロック解除を申し込める状態

 auショップに持ち込んでみると、スタッフがIMEIから端末の情報を確認しながら10分程度で解除の手続きが完了。端末に触れることは一度もなかったが、手続き後、すぐに他社のSIMで利用可能な状態になったようだ。auショップでのSIMロック解除手続きは手数料3240円(税込)がかかるが、au回線も持っている筆者の場合は、通信料とあわせて支払う形になった。

解除済みだと解除可否判定は「×」に

 さて、SIMロック解除した「SCV31」にNTTドコモのSIMを挿してみると、「サービスプロバイダーポリシー」の更新を求めるダイアログが出現。指示に従ってWi-Fi環境で更新すると、ほどなくして「H」表示となり、3Gで接続した。端末の設定から、接続先の設定(APN)を入力すると、しばらくして「4G」表示となった。ネットワークへの最適化がされていないからか、3GからLTEへの移行はやや遅め。

初めてドコモのSIMを挿した時、「サービスプロバイダーポリシー」の更新を求められた

 少し意外だったのが、VoLTEへの対応。「SCV31」は、au VoLTEに対応した機種だが、ドコモのSIMで使う際は、3G(W-CDMA)での通話となるようだ。ネットワークを「4Gのみ」設定して、発信を試してみたが、通話することはできなかった。

 また、auのVoLTE非対応のLTEプランを契約しているSIMカードでは、SIM自体を認識しなかった。

ドコモSIMでの通話は3Gのみ対応。「ローミング設定」から利用ネットワーク設定を「4Gのみ」にすると通話できなくなる
バタつくデジラを愛でることもできない

 そもそも、各キャリアが動作を保証しているのは、端末にあった自社回線を利用している場合のみ。SIMロック解除には対応するが、他社のSIMで利用できない機能があったとしてもサポートを受けることはできない。また、au端末の場合は、他社のSIMでは「@ezweb.ne.jp」のメールやスマートパスなど、au IDを利用するサービスは利用できない。

 もちろん、白ロム端末では壊れた際の交換機サービスなどを受けることができないので、そこを了解してから自己責任で挑戦してみるべきだろう。

 試した上で筆者は、国内キャリアで並列販売されているAndroid端末は、使うキャリアで買う方がいい、という感想をもった。それでも海外で使いたい場合や、「このメーカーの機種をこのキャリアで使いたいけど販売していない……!」という場合にSIMロック解除という選択肢ができたのはうれしいところ。

 なお、mineoでは18日より、auのVoLTEに対応したMVNO方式のSIMカードが提供することを発表している。このSIMカードをau販売の端末で利用するためには、SIMロック解除が必要だそうだ。筆者も申し込む予定なので、届き次第、「SCV31」でのレポートをお届けしたい。