みんなのケータイ

試してみたい一心でついつい電車での移動中にテザリングをつかってアップデートをしてしまった。なお、アップデート中はモバイルSuicaなどが一切利用できなくなるので、注意が必要。見事に改札から出られなくなってしまった

 7月23日、ドコモ版の「GALAXY Note Edge SC-01G」がAndroid 5.0にアップデートされた。筆者も、アップデートファイルが公開された日にすぐにダウンロードし、現時点で3週間強、使い続けてきた。

 真っ先にAndroid 5.0を感じられるのが、ユーザーインターフェイス(UI)だ。通知やアプリ履歴はもちろん、電話帳や電卓など、細かな部分にまでマテリアルデザインが採用されており、新鮮な気持ちで使うことができる。視認性もよくなり、最新モデルのような見栄えになった点で満足度が高い。

ホーム画面そのものの見た目はあまり変わっていないが、内蔵アプリの細かなところまで、マテリアルデザインが適用されている
VPN設定中でもパターンロックを利用できるようになった

 見た目が変わっただけでなく、機能にも改善が加えられている。ドコモのアップデートの案内には載っていない、非常に細かな変更も多い印象だ。筆者が一番恩恵を受けているのは、VPN設定時のロック方法の制限が緩和されたこと。これはOS自体の制限というわけではないが、アップデートに合わせて、仕様が変更されたようだ。

 Android 4.4の頃はVPNを設定しているとパターンロックができず、仕方なく指紋センサーを使っていたが、GALAXY Note Edgeの指紋センサーはスライド式のため認証に手間取ることもあった。これがAndroid 5.0では緩和されており、VPNを設定しながら、パターンロックを使用できるようになった。個人的にはスライド式の指紋センサーより、パターンロックの方が素早くロックを解除できるので、アップデートによってGALAXY Note Edgeに感じていたロック解除の不満が解決された格好だ。

Smart Lockを設定しておけば、外出時だけ端末にロックをかけるといったことが可能

 ロックつながりで言えば、Android 5.0になって「Smart Lock」を利用できるようになった。これも、非常に利便性が高い機能だ。Smart Lockとは、ペアリングした対になる端末があるときや、特定の場所にいるときに、ロックをかけない状態にする機能のこと。筆者の場合、ほかの人が端末を触る心配のない1人の事務所であれば、ロックをかける必要はない。こうした設定を自動的にできるのが、Smart Lockのメリットだ。

 本当は事務所にあるPCとペアリングした際にロックを解除するようにしたかったのだが、なぜかうまく機能しなかったため、位置情報を使うようにした。PCでの仕事中にLINEなどの通知をサッとスマートフォンで確認するときに、ロックを解除しなくていいので快適に利用できる。

ロック画面の通知は、内容だけを非表示にすることができる

 ロック画面に通知がキレイに並ぶのも、Android 5.0ならでは。通知の内容が見られたくないという人は、中身だけを消すことも可能だ。やや日本語が不親切なため、少々分かりにくいかもしれないが、「設定」の「サウンドと通知」から「ロック画面の通知」を開き、「プライベートな内容を非表示」にチェックをつければいい。

 また、OSとは直接関係ない部分だが、カメラのUIが大幅に改善された。今まではエッジスクリーンにシャッターボタンが表示されていたため、押そうとすると指が滑ってしまうことがあった。また、シャッターボタンは両手で横持ちするとちょうど人差し指のあたる場所にあり、人差し指を浮かせながら端末を持つことになる。そのため、撮影時に本体をきちんとホールドできない。これも、以前のUIが使いづらいと感じていた理由だ。

シャッターボタンの位置が変更され、カメラが撮りやすくなっている

 Android 5.0にアップデートされ、シャッターボタンは通常の画面内に表示されるようになった。これなら、親指でサッとシャッターを押すだけ。他の端末のUIと同じと言えば同じだが、無理にここでエッジスクリーンを使う必要はないと感じていたため、ユーザーにとってはうれしい改善と言えるだろう。

 デザインや使い勝手が向上したことに加え、パフォーマンスも一部上がっている。体感として分かるレベルでよくなったのが、Googleマップのレスポンス。これまでは、スクロールに画面が追従せず、ワンテンポ遅れて動作することも多かったが、Android 5.0にしてからはそれがなくなった。たまにアプリの起動が遅いこともあるが、Googleマップ以外でもおおむね以前より動作は軽快になっている。

 実際、ベンチマークを取ってみたが、結果も筆者の体感を裏付けていた。「AnTuTu Benchmark」では、Android 5.0にアップデートした後のスコアが4万7570なのに対し、Android 4.4では4万3288だった。細かなスコアを比較していくと、「Dalvik」の項目が2倍ほどに上がっていることが分かる。Android 5.0では、ランタイムエンジンを従来のDalvikから「ART」に変更しており、これによってパフォーマンスを上げている。GALAXY Note Edgeも、その恩恵にあずかれていたようだ。

左がAndroid 5.0にしたGALAXY Note Edge。パフォーマンスが上がっていることが分かる

 もっとも、パフォーマンスについては、もう少し改善してほしいところがある。例えば、カメラを撮ったあと、ギャラリーを開こうとするとかなり待たされることがあるし、通知からドコモメールやGoogle Playを開こうとした際になかなかアプリが立ち上がらないということもある。すでに海外では後継機も発売しているが、GALAXY Note Edgeもまだ発売から1年経っていない端末。できれば、今後も継続的なアップデートで使用感を上げていってほしい。