みんなのケータイ

ARROWS NXでハイレゾ音源の再生はできるのか?

 編集部の太田さんが当コーナーで「isaiでハイレゾ音源を楽しむ」という記事を書いていたのに触発され、我がARROWS NX F-01Fでも“ハイレゾ”と呼ばれるサウンドを楽しめないものか、あれこれ試してみた。

 富士通製のARROWSシリーズのスマートフォンは、以前から「全部入り」というより「なんでも入り」と言えそうなほどあらゆる機能が詰め込まれている。マルチメディア関連の機能に絞っただけでも、フルセグ、ワンセグ、Miracast、MHL、FMトランスミッタ、DOLBY DIGITAL PLUS、aptX、DTCP+などが搭載されており、そのすべてを使い切れるかどうかは別として、多機能さにかけてはスマートフォン随一と言えるんじゃないだろうか。

 であれば、最近流行の兆しを見せているハイレゾ音源の再生にも対応していてほしいところ。そんなわけで、高音質な楽曲を配信している「OTOTOY」からDSD音源を購入し、それをもとに数種類の高音質ロスレス音源に変換。ARROWS NXにプリインストールされている「メディアプレイヤー」や、Google Play Storeからひとまず無料で入手可能な各種プレーヤーアプリで再生を試し、結果を簡単に表にまとめてみた。

ARROWS NX F-01Fにおけるプレーヤーアプリのハイレゾ音源対応度比較表

 残念ながら、プリインストールされている「メディアプレイヤー」や「DiXiM Player」の対応範囲は16bitまで。サンプリングレート96kHzのファイルまでは対応しているものの、24bitのファイルを無理に再生しようとしてもスキップされたり、豪快なノイズが乗って聴くに堪えないものとなる。ほとんどのアプリで192kHz/24bitは再生できず、96k/24bitに対応しているアプリも少ない。ちなみに一部「△」となっているのは、聴けなくはないが終始ホワイトノイズが入る状態だったもの。DSD音源については、今のところ有料アプリも含め、Google Play Storeから入手できるアプリの中で対応しているものはないようだ。

ファイルフォーマットについては最も対応範囲の広かった「GoneMAD Music Player」

 そんな中でも「GoneMAD Music Player」は、96kHz/24bitも192kHz/24bitも再生でき、今回試した一般的なスタイルのプレーヤーアプリの中では最も対応範囲が広かった。また、DLNAのサーバー、クライアント、コントローラになる「BubbleUPnP UPnP/DLNA」というアプリでも同じように再生可能。こちらは他のDLNAサーバー(NAS)上にあるファイルも再生できるので、容量が巨大になりがちなハイレゾ音源でも端末のストレージを圧迫することなく楽しめるのが利点でもある。

 ただし、これらはあくまでも「再生できた」というだけ。ハイレゾ本来の高音質で出力できているかと言えば、ARROWS NXのヘッドフォン出力(DAC)やスピーカーがハイレゾ非対応のため、おそらく44.1kHzや48kHzにダウンサンプリングされた、せいぜい「CD音質」止まりのサウンドを聴いていることになるはずだ。DLNAを使って音声出力先をネットワークオーディオコンポに設定することでハイレゾ再生はできたが、ARROWS NX単体では本当の意味でのハイレゾ再生は不可能なもよう。USB DACとして機能するヘッドホンアンプも接続して試してみたものの、認識してくれなかった。

 2014年1月末の時点でハードウェアレベルでハイレゾ対応が明らかになっているAndroidスマートフォンは、「isai」のほか、LG「G2」と「G Flex」、サムスン「GALAXY Note 3」の4機種と言われている。ハイレゾの音源や周辺機器が入手しやすくなってきた2014年は、ARROWSシリーズも含め、より多くのスマートフォンがハイレゾ対応になって盛り上がることを期待している。