メジャーバージョンアップがなくてもお楽しみは続く?

2010年12月7日 06:00
(法林岳之)

 前回のエントリーで「ボクのアップデートはまだですか?」と書いたところ、その直後、KDDIから「IS01のメジャーアップデートは実施しない」旨が発表された。個人的には純粋に「そろそろ何かアナウンスした方がいいんじゃないですか?」という気持ちで書いたんだけど、絶妙というか、微妙というか、何とも言えないタイミングになってしまった。

 今回のメジャーアップデート断念については、ネット上でもかなり厳しい意見が聞かれた。発表直後に実施された本誌の「けーたい お題部屋」の『auの「IS01」バージョンアップ見送り、どう思う?』では、24%の「仕方ない」に対し、「あり得ない」が約76%となり、コメント欄にも辛らつな言葉が並んだ。

 今回の一件については、いろいろと考えるところがあり、また別の機会に触れるつもりだけど、IS01を購入した一人のユーザーとしては、「うーん、残念」と思う半面、「まあ、仕方ないのかなぁ」「バージョンアップしたからって、使い道が増えるとは限らないし……」なんていう気持ちもある。

 こうした気持ちが生まれる背景には、IS01の「2台目」というコンセプトが関係しているんじゃないかな。IS01は元々、スマートフォンがワンセグや赤外線通信、おサイフケータイをはじめとした『ケータイならではの機能やサービス』に対応していないため、ユーザーがなかなか手を出せない、移行できない状況にあることに着目し、フィーチャーフォンと併用する2台目の端末というコンセプトで企画された。2台目であるがゆえに、通話などの機能をミニマムにする一方、5インチの大画面ディスプレイやパンタグラフ式フルキーボード、トラックボールなどを搭載することで、ユーザーがスマートフォンでやりたいことを快適に実現できることを目指した。

 ただ、IS01を使っていくうちに、ユーザーの中には「ある程度、機能がまとまっているフィーチャーフォンは今のままでもいいけど、進化の著しいスマートフォンは少しでも新しいものが欲しい」という気持ちが生まれてきた。だからこそ、IS01のアップデートに期待したわけだけど、それをIS03の発売を控えた直前に「できません」って発表してしまったのだから、カチンと来たユーザーがいるのも理解できる。第一報がTwitter経由というのもよろしくなかった。もちろん、IS01が発売された段階で、次期バージョンへのアップデートが確約されていたわけではないけど、ユーザーとしては2台目の端末として、IS01を使っていく内に、スマートフォンの使い道が少しずつ見えてきた状況だっただけに、余計に残念な印象を強めてしまったのかもしれない。

 ところで、このアップデート断念騒動に隠れてしまっているけど、実はIS03が発売されたこともあり、IS01向けには新たに「Skype au」「au one ニュースEX」、「au one Brand Garden アプリ」がau one Marketで提供され、「au one ナビウォーク」もIS03とほぼ同等の仕様にバージョンアップされている。「au one助手席ナビ」も12月下旬対応予定とのこと。「au Smart Sports Run&Walk」「au Smart Sports Fitness」は非対応だけど、個人的にはメジャーバージョンアップより、こういう新しい楽しみが増えてくれることの方が大切な気がする。長期にわたるサポートは難しいかもしれませんが、auとシャープには、もうしばらく、IS01向けにも『お楽しみ』の提供を期待したいところです。よろしくお願いします。

IS01で培われたノウハウを活かした「IS03」がいよいよ発売IS03の発売に伴い、IS01向けにも『Skype au』のアプリが公開
『au one ニュースEX』のアプリも公開。月額262円の有料サービス『au one ナビウォーク』はバージョンアップ。月額315円の有料サービス